6時間後に君は死ぬ*高野和明

  • 2007/10/03(水) 18:08:04

6時間後に君は死ぬ 6時間後に君は死ぬ
高野 和明 (2007/05/11)
講談社

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回りつづける運命の時計未来を賭けた戦いが始まる!
稀代のストーリーテラーが放つ、緊迫のカウントダウン・ミステリー
運命の岐路に迷う時、1人の予言者が現れる。
「6時間後に君は死ぬ」。街で出会った見知らぬ青年に予言をされた美緒。信じられるのは誰なのか。「運命」を変えることはできるのか。
未来は決まってなんかいない 明日を信じて、進むだけ


表題作のほか、『時の魔法使い」「恋をしてはいけない日」「ドールハウスのダンサー」「3時間後に僕は死ぬ」「エピローグ 未来の日記帳」

他人のビジョン(未来)を視ることのできる山葉圭史と、彼とかかわる人々の連作短編集。
表題作は連作の一話目なのだが、この時点では連作だとはわからなくて、ありがちなサスペンスという印象だった。だが、二話目を読み進むうちに連作だということがわかってくると、圭史の魅力ともあいまって次第に物語にも深みが出てくるのである。思わず応援したくなったり、胸にじんわりとあたたかいものが広がる心地がしたり、圭史が心理学を専攻する学生(院生)だということもあるのかもしれないが、心の凝りが解きほぐされていくような心地好さに包まれた。

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幽霊人命救助隊*高野和明

  • 2004/10/16(土) 20:13:20

☆☆☆・・


 自殺者の命を救え!
 浮かばれない霊たちが、天国行きと引き替えに人命救助隊を結成、
 地上に舞い降りた。 救うべきは、100人の命――

 夕方までは死なないでください。
 僕たちが必ず助けてあげます。
 
 『13階段』の作者が贈る、怒涛の人命救助エンタテインメント!

                           (帯より)


大学受験に失敗した 裕一、ヤクザの親分 八木、零細企業の経営者 市川、アンニュイな若い女 美晴、という いずれも訳あって自ら命を絶った4人が主人公である。無駄な死に方をしたために、いまだ天国へいけずにいるところに 神が降りてきて 49日の間に自殺者を100人救えば天国逝きを約束する、と言われ 地上に降ろされるのである。
設定は間違いなくコメディなのである。が、読み進むと決して笑ってはいられなくなりのだ。哀しすぎる。今、という時代の病巣をこれでもかと見せつけられるようであり、無力感にも捕らわれる。
じんわりさせられる物語でもある。

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13階段*高野和明

  • 2004/08/20(金) 14:17:28

☆☆☆☆・


 無実の死刑囚を救い出せ 期限は3ヵ月、報酬は1000万円

 喧嘩で人を殺し仮釈放中の青年と、
 犯罪者の矯正に絶望した刑務官。
 彼らに持ちかけられた仕事は、
 記憶を失った死刑囚の冤罪を晴らすことだった。

                           (帯より)

2001年度の江戸川乱歩賞を 選考委員の満場一致で受賞した作品。
「死刑」ということについて 改めて考えさせられる一冊だった。
そしてひとつの犯罪、とりわけ殺人事件は それが行われた瞬間から 犯人・被害者はもちろんのことその周囲にも強度も深度も濃度もさまざまな影響が及ぶのだということを やるせなさや憤りと共に考えさせられた。それは たとえ殺人を犯したものが罪を償って出てきたとしても いつまでも消えることのない影響力なのである。
さらに 「冤罪」ということについても 考えさせられる。人間の手は神の手ではない。完璧な自信の上に立って人が人を断罪することはできるのだろうか。些細なタイミングのずれが冤罪を生むかもしれないということは 忘れられてはいけないことだと強く思う。

数々の伏線、度重なるどんでん返し、心理の綾。著者の「この本を手に取ってくださった皆様方に、少しでも楽しんでいただければと祈るのみです。」という言葉のとおり 充分に楽しませてもらったし 考えさせてももらった。

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