恋愛仮免中

  • 2017/09/23(土) 18:21:25

恋愛仮免中 (文春文庫)
奥田 英朗 窪 美澄 荻原 浩 原田 マハ 中江 有里
文藝春秋 (2017-05-10)
売り上げランキング: 126,353

奥田英朗、荻原浩、原田マハ、窪美澄という実力派の直木賞・山本賞作家に、新鋭の中江有里を加えた、豪華執筆陣によるアンソロジー。テーマは〝恋愛〟。

28歳の彩子は、付き合って3年の恋人が相談もなく会社を辞めたことにショックを受ける。女友達は条件のいい男を紹介してくれ、彩子は恋人との別れを考え始めるが……。(奥田英朗「あなたが大好き」)
16歳の僕は、夏を海で過ごすためにばあちゃんの家に来た。夕暮れの砂浜で、その人は子守歌を歌っていた。……とても悲しそうな声で。(「銀紙色のアンタレス」)
1969年、中学生だった僕と彼女は50年後に一緒に宇宙に行く約束をした。その年まであと4年のいま、彼女は病院のベッドの上にいる。(荻原浩「アポロ11号はまだ飛んでいるか」)
生まれも育ちも京都の善田は、半年前に妻を亡くし、会社を追われ、タクシー運転手となった。ある日、ボストンから来た老婦人をタクシーに乗せ京都を案内することに……。
(原田マハ「ドライビング・ミス・アンジー」)
両親が離婚したミサトは、クラブを経営する母親行きつけの美容院のシャンプーボーイと、偶然海の家で会うが……。(中江有里「シャンプー」)


恋愛と言っても、ひと言では表せないほど年代も状況もさまざまである。だが、誰にでも共通しているのは、ままならなさかもしれない。真っ直ぐに向って行ける恋愛であれ、忍ぶ恋であれ、こっそり思うだけの片想いであれ、思うようにはいかない切なさが必ずあるものである。それは、年代も状況も多分関係ない。そして、そのままならなさこそが恋愛の醍醐味とも言えるのではないかと思う。五者五様の恋愛模様を堪能できる一冊である。

惑―まどう―

  • 2017/09/17(日) 16:06:18

惑: まどう
惑: まどう
posted with amazlet at 17.09.17
アミの会(仮) 大崎 梢 加納 朋子 今野 敏 永嶋 恵美 法月 綸太郎 松尾 由美 光原 百合 矢崎 存美
新潮社
売り上げランキング: 298,541

淡い恋心、男か女か、宇宙人が来襲!?火事と焼死体への既視感、そして、人生をあの時からやり直すべきか…。最強の作家集団、四たび集結。全作品書き下ろし。


アミの会(仮)によるアンソロジーである。著者のラインナップは、大崎梢、加納朋子、今野敏、永嶋恵美、法月綸太郎、松尾由美、光原百合、矢崎存美。
ほのぼのテイストあり、ホラーテイストあり、SFチックあり、ファンタジーテイストあり、とバラエティに富んでいて、次はどんなだろうと興味が先へ先へと導かれる。テイストは違えど、人の一生は、日々迷いと惑いの連続なのかもしれないと、改めて気を引き締める心地にさせられる一冊でもある。

迷―まよう―

  • 2017/09/10(日) 13:52:30

迷: まよう
迷: まよう
posted with amazlet at 17.09.10
アミの会(仮) 大沢 在昌 乙一 近藤 史恵 篠田 真由美 柴田 よしき 新津 きよみ 福田 和代 松村 比呂美
新潮社
売り上げランキング: 65,180

はじめてのひとり暮らし、旅先、迷路、父か母か。そして、俺の人生を狂わせた、憎いあいつを殺してしまうか…。誰もがいつでも迷っている。迷うほどに、心を揺さぶる。短編の饗宴。最強の作家集団、四たび集結。全作品書き下ろし。


「未事故物件」近藤史恵 「迷い家」福田和代 「沈みかけの船より、愛をこめて」乙一 「置き去り」松村比呂美 「迷い鏡」篠田真由美 「女の一生」新津きよみ 「迷蝶」柴田よしき 「覆面作家」大沢在昌

アミの会(仮)のアンソロジーである。今回も、作家さんたち自身がまず愉しんで書かれているような印象である。迷いの原因もさまざま、迷い方もさまざま、落ちのつけ方もさまざまであり、迷うことなく愉しめる一冊になっている。

考えるマナー

  • 2017/08/27(日) 20:19:43

考えるマナー (中公文庫)
赤瀬川 原平 井上 荒野 劇団 ひとり 佐藤 優 髙橋 秀実 津村 記久子 平松 洋子 穂村 弘 町田 康 三浦 しをん 楊 逸 鷲田 清一
中央公論新社 (2017-01-19)
売り上げランキング: 103,644

五本指ソックスのはき方からオヤジギャグを放つ方法まで、大人を悩ますマナーの難題に作家や芸人十二人がくりだす名(迷)回答集。座を温めたい、のどかに生きたい、美を匂わせたい…この一冊が、日々の小さなピンチを救う。笑いながら粋な暮らしのヒントが見つかる、新しいマナー考。


いやはやいろんなマナーがあるものだ、とまず苦笑してしまうほど、本書にはマナーが溢れている。すべて真面目に意識的に守ろうと行動したとしたら、数時間でぐったりしそうである。だが、本書を読むのは愉しく、おやおや、とか、ほほぅ、とか、なるほどね、とか、そうだったのか、とか、さまざまな感想を抱きながら読むことができる。実際には役に立ったり立たなかったり、いろいろあるが、筆者の方々の日ごろの胸の裡が、ほんの少しだけ垣間見られるようなのも嬉しいことである。ひとつのマナーについて、見開き2ページで納まっているのも、読みやすい。愉しい一冊だった。

短編学校

  • 2017/08/24(木) 16:33:42

短編学校 (集英社文庫)

集英社 (2017-06-22)
売り上げランキング: 99,584

個性あふれる作家陣が、大人への階段を上ろうとする人生の一瞬を鋭くとらえた短編作品集。内面から湧き出る衝動をもてあまし、人生のほろ苦さを味わいながらも大人未満のところにいる。そんな人々が集まる場所。人気作家勢揃いのアンソロジー。


米澤穂信、本多孝好、中村航、関口尚、井上荒野、西加奈子、吉田修一、辻村深月、山本幸久、紺野緒雪、というバラエティ豊かな顔ぶれが、学校に通う年頃の少年少女のあれやこれやを、個性豊かに描いていて興味深い。考えてみると、高校時代というものは、考えることはあまりにも多いのに、それを容れる器が追いつかないという、たいそうもどかしい時代なのだと改めて思わされる。それ故に、そこを通り過ぎた大人から見ると、時にいささか滑稽に見えたりもするのだが、何であれ必死に生きているその世代の人たちが愛おしくなったりもする。感慨深い一冊だった。

I Love Father

  • 2017/08/16(水) 09:56:45

I Love Father
I Love Father
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冲方 丁 岡崎 琢磨 里見 蘭 小路 幸也
宝島社
売り上げランキング: 494,596

冲方丁、岡崎琢磨、里見蘭、小路幸也、友清哲――
大人気ストーリーテラーが贈る、「父」にまつわるミステリー。

大学教授の父が女子学生からセクハラの告発を受ける……?(小路幸也「美女とお父さんと私」)、
船乗りの父に憧れる僕だったけど、ある日、父が「船を降りる」と言い出して……?(岡崎琢磨「進水の日」)など5編。
魅力的な謎と、愛すべきお父さんたちに出会う、珠玉のミステリーアンソロジー!


それぞれ味わいの違う物語である。感動するもの、胸にぐっとくるもの、温かい心持ちになるもの、そして目を疑うもの……。父にもいろいろあり、その父を持つ子もまたさまざまである。父と子の在り方に正解はないだろう。それぞれの子にとって、いちばんの父であってくれることを願うのみである。ぎゅっと詰まった一冊である。

短編少女

  • 2017/06/26(月) 16:31:06

短編少女 (集英社文庫)
三浦 しをん 荻原 浩 中田 永一 加藤 千恵 橋本 紡 島本 理生 村山 由佳 道尾 秀介 中島 京子
集英社 (2017-04-20)
売り上げランキング: 14,107

恋に恋する女の子のささやかな成長。家出した少女の冒険と、目の当たりにした社会の現実。早熟な少年が抱く不安と、それをほぐす少女のやさしさ。人気作家が「少女」をキーワードに綴った傑作短編9編を収録。多感な時期の憂しやときめき、ときに切ない気持ち。そしてそれらの先にある成長を、思い出のアルバムをめくるように楽しんでください。それぞれの作家の魅力も体感できる贅沢な一冊。


「少女」と呼ばれる一時代は、女性にとって特別な時なのではないかと思う。人生の中で、あまりにも変化に富み、自分自身は変わらないつもりでも、取り巻く状況が目まぐるしく変化し、変わりたいと思いながらも変わらずにいたいと願い、大人の真似をしてみたり、子どもぶってみたりと、何かと不安定で忙しい。とりとめのない時間を同級生と過ごしながら、さまざまな駆け引きもあったりして、一瞬も気を抜くことができない時代でもある。そんな途轍もなく穏やかで激動の少女をこのラインナップで読めるのは贅沢以外のなにものでもない。瑞々しい少女を満喫できる一冊である。

愛と欲望の雑談*岸政彦 雨宮まみ

  • 2017/05/27(土) 07:40:26

愛と欲望の雑談 (コーヒーと一冊)
雨宮まみ 岸政彦
ミシマ社
売り上げランキング: 44,223

女性性とうまく向き合えない自身を描いた『女子をこじらせて』で、世の女性の心を鷲掴みにしたライター・雨宮まみさん。
日常に転がる「分析できないもの」を集めた『断片的なものの社会学』で、社会学の新たな扉を開いた岸政彦さん。
活躍する分野も性格もまったく違うお二人による「雑談」、もう、止まりません!

私たちはときには譲り合うことなく対立しながらも(例・浮気の是非)、他者を信頼したい、他者とともに在りたいという思いについては、共有していたと思う。――「あとがき」より


何のテーマも決めずに始めた対談だということである。そして100ページにも満たない薄い本である。にもかかわらず、なにかとても深くて大切なことを聞いた心持ちにさせられる。既成概念の不確かさ、他人と自分の尺度の違い、言葉のもつ威力、などなど、目から鱗が落ちる気分にも時々させられる。雨宮まみさんがどんな風に歳を重ねられるのかを見守れないことが切なくもなる一冊である。

アンソロジー 隠す

  • 2017/05/01(月) 16:47:38

アンソロジー 隠す
アンソロジー 隠す
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大崎 梢 加納 朋子 近藤 史恵 篠田 真由美 柴田 よしき 永嶋 恵美 新津 きよみ 福田 和代 松尾 由美 松村 比呂美 光原 百合
文藝春秋
売り上げランキング: 286,154

恐怖、因縁、苛め、恋愛と老い、引きこもり探偵に芸能人の犯罪。人気作家十一人が「隠す」をテーマに書き下ろした豪華短編集。


ほんとうにいろんなものが隠されている。隠す、隠したい、隠される、隠されたくない。隠されれば暴きたくなる人間の本能がついつい深掘りしてしまう。ちょっとした小道具が全作を貫いているのだが、その扱いにはいまひとつ工夫が足りない印象もある。もう少し何か捻りがあってもよかった気がする。とは言え、さまざまなテイストで隠されたあれこれが堪能できる一冊である。

むかつく二人*三谷幸喜 清水ミチコ

  • 2017/04/08(土) 10:50:21

むかつく二人 (幻冬舎文庫)
三谷 幸喜 清水 ミチコ
幻冬舎 (2011-08-04)
売り上げランキング: 190,541

大阪万博での初めてのピザ。カラオケでの自意識問題。土が入ったパスタ。オーラの消し方。劇団仲間の葬儀での弔辞。最近見かけない缶入り練乳。五十九歳でも頑張る「ロッキー」。ワープロとパソコンの違い。‥‥。映画、舞台、テレビの話題から、カラオケ、グルメに内輪の話まで。硬軟取り混ぜた、縦横無尽な会話のバトルに、笑いが止まらない!


2005年に放送していたラジオ番組を書籍化したものらしい。10年以上前のことなので、いまとは変わっていることも折々にあるが、それもまた時代を感じさせられて興味深い。そして、このお二人のトークが面白くないわけがない。同じ事柄に向かい合っても、目のつけどころがそれぞれ違い、感じ方とらえ方も独特で、それは一般的なものとはひと味違うし、それ以上にお二人の間でのさらなる違いが面白くもある。タイトルからは、社会現象などにむかつく思いを語り合うのかと思ったが、そうでもなく、話があちこち飛んできそうでいて、結構しっかり元の場所に着地するのも、お二人の腕だなと納得させられる。気楽に愉しめる一冊である。

クリスマス・ストーリーズ 一年でいちばん奇跡が起きる日

  • 2017/03/16(木) 18:36:17

X’mas Stories: 一年でいちばん奇跡が起きる日 (新潮文庫)
朝井 リョウ あさの あつこ 伊坂 幸太郎 恩田 陸 白河 三兎 三浦 しをん
新潮社
売り上げランキング: 33,951

もう枕元にサンタは来ないけど、この物語がクリスマスをもっと特別な一日にしてくれる――。六人の人気作家が腕を競って描いた六つの奇跡。自分がこの世に誕生した日を意識し続けるOL、イブに何の期待も抱いていない司法浪人生、そして、華やいだ東京の街にタイムスリップしてしまった武士……! ささやかな贈り物に、自分へのご褒美に。冬の夜に煌めくクリスマス・アンソロジー。


朝井リョウ「逆算」  あさのあつこ「きみに伝えたくて」  伊坂幸太郎「一人では無理がある」  恩田陸「柊と太陽」  白川三兎「子の心、サンタ知らず」  三浦しをん「荒野の果てに」

既読のものもあったが、どれも面白かった。クリスマスがテーマなのだが、男女の甘い夜の物語というわけでもなく、それぞれが趣向を凝らして、いい意味で読者を裏切ってくれているのが嬉しくもある。まったくいろんなクリスマスがあるものである。どの時代のどの年代の人たちも、みんな幸せになればいいと思わせてくれる一冊でもある。

ノスタルジー1972

  • 2016/12/27(火) 18:22:30

ノスタルジー1972
ノスタルジー1972
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重松 清 中島 京子 堂場 瞬一 朝倉 かすみ 早見 和真 皆川 博子
講談社
売り上げランキング: 177,310

1972。何かが終わり、すべてが始まった年。豪華執筆陣がノスタルジーとともに今に繋がる日本を描き出すクロニクルアンソロジー。


「川端康成が死んだ日」中島京子  「永遠!チェンジ・ザ・ワールド」早見和真  「空中楼閣」朝倉かすみ  「あるタブー」堂場瞬一  「あの年の秋」重松清  「新宿薔薇戦争」皆川博子

1972年、思えばいろんなことがあったものである。日本はまだまだ古い時代を引きずりながらも、貪欲に上を目指し、ほんとうの自由を手に入れようともがく若者たちを横目で見ながら、民衆はそれまで通り地道に暮らしていた。激動と日常が同居していたのがあの時代だったような気がする。それぞれスポットが当たる場所は違うが、どの物語もそんな時代の雰囲気が、懐かしく思い出される。読む人の年代によってずいぶん印象の違う一冊でもあるだろう。

十年交差点

  • 2016/10/24(月) 07:16:37

十年交差点 (新潮文庫nex)
中田 永一 白河 三兎 岡崎 琢磨 原田 ひ香 畠中 恵
新潮社 (2016-08-27)
売り上げランキング: 116,127

その一瞬の選択が、あなたの10年後を変える。「10年」。それだけをテーマに五人の人気作家が自由に物語をつむいだら、泣けて、震えて、心が躍る、こんなに贅沢な短編集ができました! 時間を跳び超える機械を手に入れた男の、数奇な運命を描く物語。戦慄の結末に背筋が凍るミステリー。そして、河童と猿の大合戦に超興奮の時代ファンタジー、などなど全五作。それぞれの個性がカラフルにきらめく、読みごたえ満点のアンソロジー。


「地球に磔にされた男」中田永一  「白紙」白河三兎 「ひとつ、ふたつ」岡崎琢磨  「君が忘れたとしても」原田ひ香  「一つ足りない」畠中恵

「十年」というたったひとつのキーワードで、こんなにヴァラエティに富んだ物語が生まれるのかと、著者の方々の着眼点と想像力に感心させられる。タイムトリップという要素が盛り込まれるだろうことは想像に難くないが、それも複雑に入り組んでいて、一筋縄ではいかないのである。心臓をぎゅっと掴まれるようなもの、じんわり熱くなるもの、目を瞠るようなもの。長いようで短く、でもやはり長い十年という時間の流れに、さまざまな感情を呼び起こされて、どれも味わい深い。愉しめる一冊だった。

〆切本

  • 2016/10/18(火) 07:22:58

〆切本
〆切本
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夏目漱石 江戸川乱歩 星新一 村上春樹 藤子不二雄Ⓐ 野坂昭如など全90人
左右社 (2016-08-30)
売り上げランキング: 489

しめきり。そのことばを人が最初に意識するのは、おそらく小学生の夏休みです――。

本書は、明治から現在にいたる書き手たちの〆切にまつわる
エッセイ・手紙・日記・対談などをよりぬき集めた“しめきり症例集"とでも呼べる本です。
いま何かに追われている人もそうでない人も、読んでいくうちにきっと
「〆切、背中を押してくれてありがとう! 」と感じるはずです。
だから、本書は仕事や人生で〆切とこれから上手に付き合っていくための
“しめきり参考書"でもあります。


〆切にまつわるあれこれが集められている。エッセイにしろ手紙にしろ日記にしろ、突き詰めれば〆切に遅れる言い訳であり、理由はさまざまなのである。さらに、そのテイストも、ひたすら謝る、開き直る、理屈をこねる、自分を責めるなどなど、千差万別なのだが、書き手の必死さがどれからもにじみ出てくるようで、傍から見ていると苦笑を禁じ得ないが、人間的なおかしみをも感じられる。〆切が守れない言い訳までもが衆目に晒される作家稼業とは計り知れないほど大変なものであるなあと思わされる一冊でもある。

アリス殺人事件

  • 2016/10/02(日) 07:06:44

アリス殺人事件: 不思議の国のアリス ミステリーアンソロジー (河出文庫)
有栖川 有栖 宮部 みゆき 篠田 真由美 柄刀 一 山口 雅也 北原 尚彦
河出書房新社
売り上げランキング: 40,632

世界中で愛読される『不思議の国のアリス』『鏡の国のアリス』をテーマに、人気ミステリー作家・有栖川有栖、宮部みゆき、篠田真由美、柄刀一、山口雅也、北原尚彦が紡ぐ6つの物語。事件から事件へ、現実と異世界を自在に行き来する、ユーモアと不思議が溢れるアリスの世界へようこそ。


アリスのファンタジーではなく不条理な部分に多くのスポットが当たっている印象のアンソロジーである。ファンタジーを期待して読むと、とっつきにくい部分も多いかもしれない。言葉遊びも多用されているものもあり、興味深い。全体的にはいささか難しい印象の一冊かもしれない。