短編少女

  • 2017/06/26(月) 16:31:06

短編少女 (集英社文庫)
三浦 しをん 荻原 浩 中田 永一 加藤 千恵 橋本 紡 島本 理生 村山 由佳 道尾 秀介 中島 京子
集英社 (2017-04-20)
売り上げランキング: 14,107

恋に恋する女の子のささやかな成長。家出した少女の冒険と、目の当たりにした社会の現実。早熟な少年が抱く不安と、それをほぐす少女のやさしさ。人気作家が「少女」をキーワードに綴った傑作短編9編を収録。多感な時期の憂しやときめき、ときに切ない気持ち。そしてそれらの先にある成長を、思い出のアルバムをめくるように楽しんでください。それぞれの作家の魅力も体感できる贅沢な一冊。


「少女」と呼ばれる一時代は、女性にとって特別な時なのではないかと思う。人生の中で、あまりにも変化に富み、自分自身は変わらないつもりでも、取り巻く状況が目まぐるしく変化し、変わりたいと思いながらも変わらずにいたいと願い、大人の真似をしてみたり、子どもぶってみたりと、何かと不安定で忙しい。とりとめのない時間を同級生と過ごしながら、さまざまな駆け引きもあったりして、一瞬も気を抜くことができない時代でもある。そんな途轍もなく穏やかで激動の少女をこのラインナップで読めるのは贅沢以外のなにものでもない。瑞々しい少女を満喫できる一冊である。

愛と欲望の雑談*岸政彦 雨宮まみ

  • 2017/05/27(土) 07:40:26

愛と欲望の雑談 (コーヒーと一冊)
雨宮まみ 岸政彦
ミシマ社
売り上げランキング: 44,223

女性性とうまく向き合えない自身を描いた『女子をこじらせて』で、世の女性の心を鷲掴みにしたライター・雨宮まみさん。
日常に転がる「分析できないもの」を集めた『断片的なものの社会学』で、社会学の新たな扉を開いた岸政彦さん。
活躍する分野も性格もまったく違うお二人による「雑談」、もう、止まりません!

私たちはときには譲り合うことなく対立しながらも(例・浮気の是非)、他者を信頼したい、他者とともに在りたいという思いについては、共有していたと思う。――「あとがき」より


何のテーマも決めずに始めた対談だということである。そして100ページにも満たない薄い本である。にもかかわらず、なにかとても深くて大切なことを聞いた心持ちにさせられる。既成概念の不確かさ、他人と自分の尺度の違い、言葉のもつ威力、などなど、目から鱗が落ちる気分にも時々させられる。雨宮まみさんがどんな風に歳を重ねられるのかを見守れないことが切なくもなる一冊である。

アンソロジー 隠す

  • 2017/05/01(月) 16:47:38

アンソロジー 隠す
アンソロジー 隠す
posted with amazlet at 17.05.01
大崎 梢 加納 朋子 近藤 史恵 篠田 真由美 柴田 よしき 永嶋 恵美 新津 きよみ 福田 和代 松尾 由美 松村 比呂美 光原 百合
文藝春秋
売り上げランキング: 286,154

恐怖、因縁、苛め、恋愛と老い、引きこもり探偵に芸能人の犯罪。人気作家十一人が「隠す」をテーマに書き下ろした豪華短編集。


ほんとうにいろんなものが隠されている。隠す、隠したい、隠される、隠されたくない。隠されれば暴きたくなる人間の本能がついつい深掘りしてしまう。ちょっとした小道具が全作を貫いているのだが、その扱いにはいまひとつ工夫が足りない印象もある。もう少し何か捻りがあってもよかった気がする。とは言え、さまざまなテイストで隠されたあれこれが堪能できる一冊である。

むかつく二人*三谷幸喜 清水ミチコ

  • 2017/04/08(土) 10:50:21

むかつく二人 (幻冬舎文庫)
三谷 幸喜 清水 ミチコ
幻冬舎 (2011-08-04)
売り上げランキング: 190,541

大阪万博での初めてのピザ。カラオケでの自意識問題。土が入ったパスタ。オーラの消し方。劇団仲間の葬儀での弔辞。最近見かけない缶入り練乳。五十九歳でも頑張る「ロッキー」。ワープロとパソコンの違い。‥‥。映画、舞台、テレビの話題から、カラオケ、グルメに内輪の話まで。硬軟取り混ぜた、縦横無尽な会話のバトルに、笑いが止まらない!


2005年に放送していたラジオ番組を書籍化したものらしい。10年以上前のことなので、いまとは変わっていることも折々にあるが、それもまた時代を感じさせられて興味深い。そして、このお二人のトークが面白くないわけがない。同じ事柄に向かい合っても、目のつけどころがそれぞれ違い、感じ方とらえ方も独特で、それは一般的なものとはひと味違うし、それ以上にお二人の間でのさらなる違いが面白くもある。タイトルからは、社会現象などにむかつく思いを語り合うのかと思ったが、そうでもなく、話があちこち飛んできそうでいて、結構しっかり元の場所に着地するのも、お二人の腕だなと納得させられる。気楽に愉しめる一冊である。

クリスマス・ストーリーズ 一年でいちばん奇跡が起きる日

  • 2017/03/16(木) 18:36:17

X’mas Stories: 一年でいちばん奇跡が起きる日 (新潮文庫)
朝井 リョウ あさの あつこ 伊坂 幸太郎 恩田 陸 白河 三兎 三浦 しをん
新潮社
売り上げランキング: 33,951

もう枕元にサンタは来ないけど、この物語がクリスマスをもっと特別な一日にしてくれる――。六人の人気作家が腕を競って描いた六つの奇跡。自分がこの世に誕生した日を意識し続けるOL、イブに何の期待も抱いていない司法浪人生、そして、華やいだ東京の街にタイムスリップしてしまった武士……! ささやかな贈り物に、自分へのご褒美に。冬の夜に煌めくクリスマス・アンソロジー。


朝井リョウ「逆算」  あさのあつこ「きみに伝えたくて」  伊坂幸太郎「一人では無理がある」  恩田陸「柊と太陽」  白川三兎「子の心、サンタ知らず」  三浦しをん「荒野の果てに」

既読のものもあったが、どれも面白かった。クリスマスがテーマなのだが、男女の甘い夜の物語というわけでもなく、それぞれが趣向を凝らして、いい意味で読者を裏切ってくれているのが嬉しくもある。まったくいろんなクリスマスがあるものである。どの時代のどの年代の人たちも、みんな幸せになればいいと思わせてくれる一冊でもある。

ノスタルジー1972

  • 2016/12/27(火) 18:22:30

ノスタルジー1972
ノスタルジー1972
posted with amazlet at 16.12.27
重松 清 中島 京子 堂場 瞬一 朝倉 かすみ 早見 和真 皆川 博子
講談社
売り上げランキング: 177,310

1972。何かが終わり、すべてが始まった年。豪華執筆陣がノスタルジーとともに今に繋がる日本を描き出すクロニクルアンソロジー。


「川端康成が死んだ日」中島京子  「永遠!チェンジ・ザ・ワールド」早見和真  「空中楼閣」朝倉かすみ  「あるタブー」堂場瞬一  「あの年の秋」重松清  「新宿薔薇戦争」皆川博子

1972年、思えばいろんなことがあったものである。日本はまだまだ古い時代を引きずりながらも、貪欲に上を目指し、ほんとうの自由を手に入れようともがく若者たちを横目で見ながら、民衆はそれまで通り地道に暮らしていた。激動と日常が同居していたのがあの時代だったような気がする。それぞれスポットが当たる場所は違うが、どの物語もそんな時代の雰囲気が、懐かしく思い出される。読む人の年代によってずいぶん印象の違う一冊でもあるだろう。

十年交差点

  • 2016/10/24(月) 07:16:37

十年交差点 (新潮文庫nex)
中田 永一 白河 三兎 岡崎 琢磨 原田 ひ香 畠中 恵
新潮社 (2016-08-27)
売り上げランキング: 116,127

その一瞬の選択が、あなたの10年後を変える。「10年」。それだけをテーマに五人の人気作家が自由に物語をつむいだら、泣けて、震えて、心が躍る、こんなに贅沢な短編集ができました! 時間を跳び超える機械を手に入れた男の、数奇な運命を描く物語。戦慄の結末に背筋が凍るミステリー。そして、河童と猿の大合戦に超興奮の時代ファンタジー、などなど全五作。それぞれの個性がカラフルにきらめく、読みごたえ満点のアンソロジー。


「地球に磔にされた男」中田永一  「白紙」白河三兎 「ひとつ、ふたつ」岡崎琢磨  「君が忘れたとしても」原田ひ香  「一つ足りない」畠中恵

「十年」というたったひとつのキーワードで、こんなにヴァラエティに富んだ物語が生まれるのかと、著者の方々の着眼点と想像力に感心させられる。タイムトリップという要素が盛り込まれるだろうことは想像に難くないが、それも複雑に入り組んでいて、一筋縄ではいかないのである。心臓をぎゅっと掴まれるようなもの、じんわり熱くなるもの、目を瞠るようなもの。長いようで短く、でもやはり長い十年という時間の流れに、さまざまな感情を呼び起こされて、どれも味わい深い。愉しめる一冊だった。

〆切本

  • 2016/10/18(火) 07:22:58

〆切本
〆切本
posted with amazlet at 16.10.17
夏目漱石 江戸川乱歩 星新一 村上春樹 藤子不二雄Ⓐ 野坂昭如など全90人
左右社 (2016-08-30)
売り上げランキング: 489

しめきり。そのことばを人が最初に意識するのは、おそらく小学生の夏休みです――。

本書は、明治から現在にいたる書き手たちの〆切にまつわる
エッセイ・手紙・日記・対談などをよりぬき集めた“しめきり症例集"とでも呼べる本です。
いま何かに追われている人もそうでない人も、読んでいくうちにきっと
「〆切、背中を押してくれてありがとう! 」と感じるはずです。
だから、本書は仕事や人生で〆切とこれから上手に付き合っていくための
“しめきり参考書"でもあります。


〆切にまつわるあれこれが集められている。エッセイにしろ手紙にしろ日記にしろ、突き詰めれば〆切に遅れる言い訳であり、理由はさまざまなのである。さらに、そのテイストも、ひたすら謝る、開き直る、理屈をこねる、自分を責めるなどなど、千差万別なのだが、書き手の必死さがどれからもにじみ出てくるようで、傍から見ていると苦笑を禁じ得ないが、人間的なおかしみをも感じられる。〆切が守れない言い訳までもが衆目に晒される作家稼業とは計り知れないほど大変なものであるなあと思わされる一冊でもある。

アリス殺人事件

  • 2016/10/02(日) 07:06:44

アリス殺人事件: 不思議の国のアリス ミステリーアンソロジー (河出文庫)
有栖川 有栖 宮部 みゆき 篠田 真由美 柄刀 一 山口 雅也 北原 尚彦
河出書房新社
売り上げランキング: 40,632

世界中で愛読される『不思議の国のアリス』『鏡の国のアリス』をテーマに、人気ミステリー作家・有栖川有栖、宮部みゆき、篠田真由美、柄刀一、山口雅也、北原尚彦が紡ぐ6つの物語。事件から事件へ、現実と異世界を自在に行き来する、ユーモアと不思議が溢れるアリスの世界へようこそ。


アリスのファンタジーではなく不条理な部分に多くのスポットが当たっている印象のアンソロジーである。ファンタジーを期待して読むと、とっつきにくい部分も多いかもしれない。言葉遊びも多用されているものもあり、興味深い。全体的にはいささか難しい印象の一冊かもしれない。

小説の家

  • 2016/09/04(日) 18:37:59

小説の家
小説の家
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柴崎 友香 岡田 利規 山崎 ナオコーラ 最果 タヒ 長嶋 有 青木 淳悟 耕 治人 阿部 和重 いしい しんじ 古川 日出男 円城 塔 栗原 裕一郎
新潮社
売り上げランキング: 130,088

この家の窓からは“大切なもの"が見える。

上條淳士、福満しげゆき、倉田タカシ、師岡とおる、近藤恵介など
豪華アートワークと共に贈る、前代未聞のアンソロジー。満を持して誕生!

「鳥と進化/声を聞く」 短編でしか拾えない声、柴崎友香の新境地。
「女優の魂」 チェルフィッチュの傑作一人芝居にして岡田利規の傑作短編小説。
「あたしはヤクザになりたい」 たくさんのたった一人のために。山崎ナオコーラが描く永遠。
「きみはPOP」 最果タヒがプロデュースする視覚と音の世界。小説と詩の境界。
「フキンシンちゃん」 新人漫画家・長嶋有の風刺&生活ギャグまんが、たくらみに満ちた続編。
「言葉がチャーチル」 お前はすでに終わってる。青木淳悟が始末する世界史。
「案内状」 あの耕治人が全国の文系男子を激励! 幻の作品。時空を飛び越えて収録。
「THIEVES IN THE TEMPLE」 白いスクリーンに映り込む人間模様の黒い影。文学を漂白する阿部和重の挑戦状。
「ろば奴」 いしいしんじはよちよち歩きで世界の果てまで到達する。奇跡の作品。
「図説東方恐怖譚」「その屋敷を覆う、覆す、覆う」 そのとき、古川日出男は現実を超越する。
「手帖から発見された手記」 すべてはここから始まった。円城塔によるまさかの大団円。

その他、栗原裕一郎の埋もれた文学史を探索する論考、編者・福永信の長すぎる謝辞など、ここでしか読めない読み物満載。

ブックデザイン・名久井直子


色とりどりの物語であり、さらにページ自体にもさまざまな工夫が凝らされ、ページをめくるたびに驚きがあって、飽きさせない。光るように白い阿部氏の作品は、蛍光灯の下で読めないことはないのだが、目が疲れすぎて途中で断念してしまった。作家のみなさんも、普段使わない思考回路を使われたのではないかと想像するのも愉しい。いろんな意味で挑戦にあふれた一冊である。

毒殺協奏曲*アミの会(仮)

  • 2016/08/07(日) 08:40:15

毒殺協奏曲
毒殺協奏曲
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原書房
売り上げランキング: 267,856

致死量に詳しすぎる女、正統派の毒殺、ネットで知り合った女、身近すぎる毒、毒より恐ろしい偶然…サスペンスから本格まで、一冊に閉じ込めたバラエティ豊かな毒物語集。


アンソロジーのお題が毒殺とは、まことに物騒である。だが、ひと言で毒殺と言っても、これほどバラエティ豊かな作品群になるものなのだと、改めて思わされる。どれも著者なりの趣向が凝らされていて興味深い。正統派あり、そうくるかという意表を突いたものあり、昔話の裏側を描いたものありと、見せ方もさまざまで愉しめる。毒を使って誰かを亡き者にするには周到な準備が必要とされる。その過程をも含めて、殺人者の心理に背筋が寒くなる心地の一冊である。そう考えると、女性作家の会のお題としてはふさわしいのかもしれない。

こんがり、パン

  • 2016/07/09(土) 20:30:29

こんがり、パン: おいしい文藝
赤瀬川 原平 阿川 佐和子 池澤 夏樹 伊藤 比呂美 犬丸 りん
河出書房新社
売り上げランキング: 311,218

こうばしい香りに包まれた「パン愛」あふれるエッセイ41篇を収録したアンソロジー。パン好き必携「おいしい」文藝シリーズ第8弾。


カバーの色からしてこんがり香ばしそうで、見るだけでよだれが出そうである。そんなパン好きな作家たちが、パンにまつわる思い出や体験談、パンに求めるものといった事々を、ひと言ずつ寄せている。パンいま昔物語的なものも多く、現代の日本に暮らすしあわせを改めてかみしめる思いである。パン好きとしては、手に取らざるを得ない一冊である。

3時のおやつ ふたたび

  • 2016/06/04(土) 08:58:07

([ん]1-8)3時のおやつ ふたたび (ポプラ文庫)
松井 今朝子 小路 幸也
ポプラ社 (2016-02-05)
売り上げランキング: 184,941

小学生のとき大好きだったおやつ、初めて作ったクッキー、今ハマっているスイーツ…おやつの思い出は本当に人それぞれ。自分だけの「おやつの記憶」を語るエッセイ・アンソロジーの第2弾!30人分のなつかしくておいしい時間がたっぷり味わえます。


松井今朝子、小路幸也、名久井直子、文月悠光、角野栄子、那須正幹、若竹七海、中山可穂、光原百合、小手鞠るい、森下佳子、半藤茉利子、藤野恵美、宮内悠介、松昭教、坂木司、円城塔、辻村深月、東朔水、松田青子、中島久枝、栗田有起、徳永圭、池澤春菜、寺地はるな、向井湘吾、棚橋弘至、穂村弘、西村玲子、岡田利規

一人当たり5~6ページという短いものではあるが、それぞれの心に残るおやつの数々と、それらにまつわるエピソードが堪らない。時代もおやつの種類も、まさに三十人三十色であり、それぞれが大切にしているものが垣間見られるようで興味深い。水羊羹を作りたくなってしまう一冊である。

みんなの少年探偵団 2

  • 2016/06/03(金) 07:06:35

みんなの少年探偵団2
みんなの少年探偵団2
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有栖川 有栖 歌野 晶午 大崎 梢 坂木 司 平山 夢明
ポプラ社
売り上げランキング: 57,038

江戸川乱歩生誕120年を記念して刊行され、テレビや新聞など様々な媒体にも紹介されて話題にもなったアンソロジー『みんなの少年探偵団』。
2015年は江戸川乱歩没後50年ということで、市場も盛り上がりを見せているが、その最後の締めくくりとしての『みんなの少年探偵団』第2弾企画。
第2弾も、子供時代に少年探偵団と怪人二十面相の息詰まる対決に胸を躍らせた過去を持つ作家陣が集結。
今作では、有栖川有栖、歌野晶午、大崎梢、坂木司、平山夢明という豪華5人が「少年探偵団」オマージュに挑む!

『未来人F』有栖川有栖
『五十年後の物語』歌野晶午
『闇からの予告状』大崎梢
『うつろう宝石』坂木司
『溶解人間』平山夢


登場人物はお馴染みの怪人二十面相や明智小五郎や小林少年なのだが、時代も設定も登場人物の年齢も、さまざまな物語に仕立てられていて、興味をそそられる。現実世界でも、何代目かの二十面相と明智が対決し、小林少年が寄り添っているのかもしれないなぁと、想像が広がる一冊である。

みんなの怪盗ルパン

  • 2016/04/11(月) 17:07:34

みんなの怪盗ルパン
みんなの怪盗ルパン
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小林 泰三 近藤 史恵 藤野 恵美 真山 仁 湊 かなえ
ポプラ社
売り上げランキング: 72,473

多くの人の読書体験に強い影響を与えてきた、「怪盗ルパン」シリーズ。
弱きを助け、強きを挫く、世界一華麗な怪盗〝ルパン〟の活躍に憧れた子供たちも数多いことだろう。

今作では、子供時代、怪盗ルパンに胸を躍らせた過去を持つ作家陣が集結。
小林泰三、近藤史恵、藤野恵美、真山仁、湊かなえの豪華5人が、「怪盗ルパン」のオマージュ小説に挑む!

『最後の角逐』小林泰三
『青い猫目石』近藤史恵
『ありし日の少年ルパン』藤野恵美
『ルパンの正義』真山仁
『仏蘭西紳士』湊かなえ


「ホームズとルパン、どっちが好き?」というのは、ミステリ好きなら誰もが一度は問いかけられたことではないだろうか。わたしは最初に読んだルパンの物語のインパクトがあまりにも強かったので、迷うことなくルパンと答える。そんなルパンの知られざる一面が、ルパン好き作家たちによって、新しい物語にされる。こんなにわくわくすることがあるだろうか。そんな期待を裏切らない一冊である。愉しい読書タイムだった。