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女ともだち

  • 2018/07/07(土) 16:38:20

女ともだち (文春文庫)
村山 由佳 坂井 希久子 千早 茜 大崎 梢 額賀 澪 阿川 佐和子 嶋津 輝 森 絵都
文藝春秋 (2018-03-09)
売り上げランキング: 154,213

村山由佳、坂井希久子、千早茜、大崎梢、額賀澪、阿川佐和子、嶋津輝、森絵都――
当代きっての人気女性作家8人が「女ともだち」をテーマに豪華競作!
「彼女」は敵か味方か……微妙であやうい女性同士の関係を、小説の名手たちが
描きだす逸品ぞろいの短編小説アンソロジー。
コワくて切なくて愛しい物語の世界を、ぜひご堪能ください。


どの物語も、必ずうなずける要素があって、興味深かった。女性なら、おそらく誰しも身に覚えがあるだろうし、男性なら、身近な女性のふるまいの謎が少しだけ解けるかもしれない。だが、立場や年齢、生い立ちが違っても、女ともだちのつながり方の絶妙さは、男性には一生判らないだろう。八篇すべて、どれもが満足できる一冊である。

謎の館へようこそ 白

  • 2018/05/16(水) 16:27:05

謎の館へようこそ 白 新本格30周年記念アンソロジー (講談社タイガ)
東川 篤哉 一 肇 古野 まほろ 青崎 有吾 周木 律 澤村 伊智
講談社
売り上げランキング: 134,164

テーマは「館」、ただひとつ。
今をときめくミステリ作家たちが提示する「新本格の精神」がここにある。
奇怪な館、発生する殺人、生まれいづる謎、変幻自在のロジック――!
読めば鳥肌間違いなし。謎は、ここにある。新本格30周年記念アンソロジー第二弾。
収録作品:
東川篤哉『陽奇館(仮)の密室』
一肇『銀とクスノキ ~青髭館殺人事件~』
古野まほろ『文化会館の殺人 ――Dのディスパリシオン』
青崎有吾『噤ヶ森の硝子屋敷』
周木 律『煙突館の実験的殺人』
澤村伊智『わたしのミステリーパレス』


「黒」よりは、かなり普通に愉しめた。ただ、物語にのめりこんで、次へ次へとページを繰る手が止まらなくなる、というほどのことはなく、キャラクタを作りこみすぎな印象のものがあったり、これも館か?というようなものもあったり――それはそれで奇をてらって悪くはないのだが――、もうひとつグッとくる何かが欲しい気がしてしまう。まあまあ愉しめる一冊ではあった。

宮辻薬東宮

  • 2018/03/12(月) 16:38:41

宮辻薬東宮
宮辻薬東宮
posted with amazlet at 18.03.12
宮部 みゆき 辻村 深月 薬丸 岳 東山 彰良 宮内 悠介
講談社
売り上げランキング: 201,985

宮部みゆきさんの書き下ろし短編を辻村深月さんが読み、短編を書き下ろす。その辻村さんの短編を薬丸岳さんが読み、書き下ろし……今をときめく超人気作家たちが2年の歳月をかけて“つないだ”ミステリーアンソロジー。


「人・で・なし」宮部みゆき  「ママ・はは」辻村深月  「わたし・わたし」薬丸岳  「スマホが・ほ・しい」東山彰良  「夢・を・殺す」宮内悠介

一斉に同じテーマで書くのではなく、できあがった前の作品を読んでから自分の作品を書く、というリレー形式で書かれているので、前作から何かしらの要素を引き継いでいたりするのも興味深い。個人的にホラーは好みではないのだが、この程度なら拒否反応は起こらない。ただ、想像するとますます怖さが増し、目を閉じるとふと情景が浮かんでしまったりして困る。日常に何気なく紛れ込んでいそうな気にさせられるのも背筋が寒くなる。怖がりつつ愉しんだ一冊である。

7人の名探偵

  • 2018/02/13(火) 20:22:05


テーマは「名探偵」。新本格ミステリブームを牽引したレジェンド作家による書き下ろしミステリ競演。ファン垂涎のアンソロジーが誕生! 綾辻行人「仮題・ぬえの密室」 歌野晶午「天才少年の見た夢は」 法月綸太郎「あべこべの遺書」 有栖川有栖「船長が死んだ夜」 我孫子武丸「プロジェクト:シャーロック」 山口雅也「毒饅頭怖い 推理の一問題」 麻耶雄嵩「水曜日と金曜日が嫌い ――大鏡家殺人事件――」


馴染みのある名探偵たちが謎解きをする様子が、次から次へと愉しめるなんて贅沢なことである。どの作品もそれぞれ著者らしく面白かったが、綾辻氏のいささか趣向の変わった物語も、――約束違反と言えないこともない気もするが――なかなか味わい深くて個人的には好きだった。わくわくする一冊だった。

謎の館へようこそ 黒

  • 2018/02/06(火) 10:49:20

謎の館へようこそ 黒 新本格30周年記念アンソロジー (講談社タイガ)
恩田 陸 はやみね かおる 高田 崇史 綾崎 隼 白井 智之 井上 真偽
講談社
売り上げランキング: 36,714

「館」の謎は終わらない――。館に魅せられた作家たちが書き下ろす、色とりどりのミステリの未来!
奇怪な館、発生する殺人、生まれいづる謎、変幻自在のロジック――!
読めば鳥肌間違いなし。謎は、ここにある。新本格30周年記念アンソロジー第三弾。

収録作品:
はやみねかおる『思い出の館のショウシツ』
恩田 陸『麦の海に浮かぶ檻』
高田崇史『QED~ortus~ ―鬼神の社―』
綾崎 隼『時の館のエトワール』
白井智之『首無館の殺人』
井上真偽『囚人館の惨劇』


正直なところ、途中で読むのを止めようかと思った作品もあった。はやみねかおる、恩田陸、という名前には惹かれるものがあり、惹きこまれる部分もなかったわけではないが、全体を通して、あまりお勧めしたいとは言えない一冊だった。

きっと嫌われてしまうのに*松久淳+田中渉

  • 2018/01/18(木) 16:48:38

きっと嫌われてしまうのに
松久 淳 田中 渉
双葉社
売り上げランキング: 479,956

高校入学後、充はユキちゃんにひとめぼれした。それまで遊び人キャラだったが、
人が変わったように彼女を前にするとまともに話すことも出来なくなってしまう。
しかし、周りから「ストーカー」扱いされるほどの猛アタックの末、二人は付き合うことになった。
しかし、ふとした瞬間ユキちゃんは寂しそうな無気力なような表情を見せる。
彼女にはある秘密があった――。高校生にふりかかる残酷な現実。
最終章で世界が一転する二度読み必至のどんでん返し!


高校生の熱烈純愛物語かと思わせて、実は複雑な問題を潜ませている物語である。素直な読者はあっという間に騙され、最終章でがらっと世界が様相を変えることになる。その快感は味わえるのだが、内包している問題についての嫌悪感は強く、二度の大震災の扱われ方にも共感できなかった。何とも後味の悪い一冊だった。

連城三紀彦 レジェンド2 

  • 2017/11/08(水) 07:46:42

連城三紀彦 レジェンド2 傑作ミステリー集 (講談社文庫)
連城 三紀彦
講談社 (2017-09-14)
売り上げランキング: 207,343

どれも超高密度(綾辻)
普通は書けない。(伊坂)
驚きは屈指のもの。(小野)
その「技」は魔法的(米澤)
四人の超人気作家が厳選した究極の傑作集。
特別語りおろし巻末鼎談つき!

逆転に次ぐ逆転、超絶トリック、鮮烈な美しさ。死してなお読者を惹きつけてやまないミステリーの巨匠、連城三紀彦を敬愛する4人が選び抜いた究極の傑作集。“誘拐の連城”決定版「ぼくを見つけて」、語りの極致「他人たち」、最後の花葬シリーズ「夜の自画像」など全6編。巻末に綾辻×伊坂×米澤、語りおろし特別鼎談を収録。


連城三紀彦の魅力がにじみ出る作品群である。視点を変えることによる見事な逆転。読者にとってはぞくぞくするような裏切りである。いままでみていた景色とまるで異なる景色が目の前に現れた瞬間は、何作読んでも、一瞬すっと血の気が引く心地にさせられる。選者の方々の連城愛も伝わってきて興味深い。叶わないと知りつつ、連城作品の新作を期待したくなってしまう一冊でもある。

ブラックミステリーズ--12の黒い謎をめぐる219の質問

  • 2017/10/27(金) 18:23:50

ブラックミステリーズ 12の黒い謎をめぐる219の質問 (角川文庫)
河野 裕 友野 詳 秋口 ぎぐる 柘植 めぐみ
KADOKAWA/角川書店 (2015-04-25)
売り上げランキング: 429,839

今宵は推理をしていただきます。ある館に呼ばれたのは「運転手」「投資家」「詩人」「船長」。一人一人が謎を提示し、会話の中から真相を当てるワンナイトゲームが始まった。語られるのは創作か真実か!?

“熱烈なキスを交わした結果、ふたりは二度と出会えなくなった”“のろまを見捨てたために、彼女の出費は倍増した”など、12の謎めいたユニークなシチュエーションの真相を、イエス、ノーで答えられる質問だけで探り当てろ!ミステリ心をくすぐる仕掛けとユーモアが満載!!全世界でブームを巻き起こす推理カードゲーム「ブラックストーリーズ」初の小説化。


カードゲームのブラックストーリーズを知らないが、それでも充分に愉しめる。ある館に集められた見知らぬ人々が、順番に問題を出し、イエスかノーかで答えられる質疑応答をしながら、真相に近づいていくという趣向である。ルールは簡単なのだが、質問者の閃きや推理力がかなり必要とされ、一緒に考えることで参加している気分を愉しめる。そして明らかにされる真相がどれも予想外のもので驚かされる。これは実際にあったことなのかそれとも参加者の創作なのか。各人の背景を想像するだけでもぞくぞくしてくる。どこかに気づかない仕掛けがあっても驚かない一冊でもある。

所轄 警察アンソロジー

  • 2017/10/16(月) 16:24:48

所轄―警察アンソロジー (ハルキ文庫)
薬丸 岳 渡辺 裕之 柚月 裕子 呉 勝浩 今野 敏
角川春樹事務所
売り上げランキング: 249,154

東池袋署管内で発見された女性の白骨死体。娘が逮捕されたが…(「黄昏」)。警視庁から沖縄県警に移動した与座哲郎は、県人との対応に戸惑いもあり…(「ストレンジャー」)。佐方貞人検事は、米崎西署で逮捕した覚醒剤所持事件に疑問を持ち始め―(「恨みを刻む」)。西成署管内で、ネットに投稿されたビデオクリップのDJが病院に担ぎ込まれ…(「オレキバ」)。臨海署管内で強盗致傷事件が発生。昔の事件とリンクして―(「みぎわ」)。沖縄、大阪、東京など各所轄を舞台にした傑作警察小説アンソロジー。


警察署と言っても、地域によっても場所柄によってもかなり雰囲気が違うようである。そんな各地の所轄署の様子に触れられるのも興味深い。さらに、警察官の階級やら立場やら、果ては、出身や配属理由まで、さまざまなことが絡まった人間関係の面倒くささも垣間見られて興味を惹かれる。だが、犯人に向かう際の執念には、ほかとは比べられないものもあり、警察官魂の熱さも感じられる一冊である。

短編少年

  • 2017/10/07(土) 16:50:40

短編少年 (集英社文庫)
伊坂 幸太郎 あさの あつこ 佐川 光晴 朝井 リョウ 柳 広司 奥田 英朗 山崎 ナオコーラ 小川 糸 石田 衣良
集英社 (2017-05-19)
売り上げランキング: 80,414

人気作家陣が「少年」をキーワードに紡いだ短編作品9本を収録したアンソロジー。家族や友人との関係に悩む繊細な心情や、背伸びするいじらしさなど、少年の魅力がぎゅっと詰まった1冊。


少年がキーワードと聞いただけで、魅力的だと思えてしまうのはどうしてだろう。少女にも少女にしかない魅力があるのだが、少年というものは、さらに純粋で一途で幼くて、背伸びしたがりで、単純明快で、屈折している。おそらく大人になって振り返ると、ばかまるだしで赤面する以外ない年頃なのではないだろうか。そんな少年にも、さまざまなパターンがあり、本作にもそんな彼らがぎゅっと詰まっている。愉しくて、微笑ましくて、きゅんとする一冊である。

恋愛仮免中

  • 2017/09/23(土) 18:21:25

恋愛仮免中 (文春文庫)
奥田 英朗 窪 美澄 荻原 浩 原田 マハ 中江 有里
文藝春秋 (2017-05-10)
売り上げランキング: 126,353

奥田英朗、荻原浩、原田マハ、窪美澄という実力派の直木賞・山本賞作家に、新鋭の中江有里を加えた、豪華執筆陣によるアンソロジー。テーマは〝恋愛〟。

28歳の彩子は、付き合って3年の恋人が相談もなく会社を辞めたことにショックを受ける。女友達は条件のいい男を紹介してくれ、彩子は恋人との別れを考え始めるが……。(奥田英朗「あなたが大好き」)
16歳の僕は、夏を海で過ごすためにばあちゃんの家に来た。夕暮れの砂浜で、その人は子守歌を歌っていた。……とても悲しそうな声で。(「銀紙色のアンタレス」)
1969年、中学生だった僕と彼女は50年後に一緒に宇宙に行く約束をした。その年まであと4年のいま、彼女は病院のベッドの上にいる。(荻原浩「アポロ11号はまだ飛んでいるか」)
生まれも育ちも京都の善田は、半年前に妻を亡くし、会社を追われ、タクシー運転手となった。ある日、ボストンから来た老婦人をタクシーに乗せ京都を案内することに……。
(原田マハ「ドライビング・ミス・アンジー」)
両親が離婚したミサトは、クラブを経営する母親行きつけの美容院のシャンプーボーイと、偶然海の家で会うが……。(中江有里「シャンプー」)


恋愛と言っても、ひと言では表せないほど年代も状況もさまざまである。だが、誰にでも共通しているのは、ままならなさかもしれない。真っ直ぐに向って行ける恋愛であれ、忍ぶ恋であれ、こっそり思うだけの片想いであれ、思うようにはいかない切なさが必ずあるものである。それは、年代も状況も多分関係ない。そして、そのままならなさこそが恋愛の醍醐味とも言えるのではないかと思う。五者五様の恋愛模様を堪能できる一冊である。

惑―まどう―

  • 2017/09/17(日) 16:06:18

惑: まどう
惑: まどう
posted with amazlet at 17.09.17
アミの会(仮) 大崎 梢 加納 朋子 今野 敏 永嶋 恵美 法月 綸太郎 松尾 由美 光原 百合 矢崎 存美
新潮社
売り上げランキング: 298,541

淡い恋心、男か女か、宇宙人が来襲!?火事と焼死体への既視感、そして、人生をあの時からやり直すべきか…。最強の作家集団、四たび集結。全作品書き下ろし。


アミの会(仮)によるアンソロジーである。著者のラインナップは、大崎梢、加納朋子、今野敏、永嶋恵美、法月綸太郎、松尾由美、光原百合、矢崎存美。
ほのぼのテイストあり、ホラーテイストあり、SFチックあり、ファンタジーテイストあり、とバラエティに富んでいて、次はどんなだろうと興味が先へ先へと導かれる。テイストは違えど、人の一生は、日々迷いと惑いの連続なのかもしれないと、改めて気を引き締める心地にさせられる一冊でもある。

迷―まよう―

  • 2017/09/10(日) 13:52:30

迷: まよう
迷: まよう
posted with amazlet at 17.09.10
アミの会(仮) 大沢 在昌 乙一 近藤 史恵 篠田 真由美 柴田 よしき 新津 きよみ 福田 和代 松村 比呂美
新潮社
売り上げランキング: 65,180

はじめてのひとり暮らし、旅先、迷路、父か母か。そして、俺の人生を狂わせた、憎いあいつを殺してしまうか…。誰もがいつでも迷っている。迷うほどに、心を揺さぶる。短編の饗宴。最強の作家集団、四たび集結。全作品書き下ろし。


「未事故物件」近藤史恵 「迷い家」福田和代 「沈みかけの船より、愛をこめて」乙一 「置き去り」松村比呂美 「迷い鏡」篠田真由美 「女の一生」新津きよみ 「迷蝶」柴田よしき 「覆面作家」大沢在昌

アミの会(仮)のアンソロジーである。今回も、作家さんたち自身がまず愉しんで書かれているような印象である。迷いの原因もさまざま、迷い方もさまざま、落ちのつけ方もさまざまであり、迷うことなく愉しめる一冊になっている。

考えるマナー

  • 2017/08/27(日) 20:19:43

考えるマナー (中公文庫)
赤瀬川 原平 井上 荒野 劇団 ひとり 佐藤 優 髙橋 秀実 津村 記久子 平松 洋子 穂村 弘 町田 康 三浦 しをん 楊 逸 鷲田 清一
中央公論新社 (2017-01-19)
売り上げランキング: 103,644

五本指ソックスのはき方からオヤジギャグを放つ方法まで、大人を悩ますマナーの難題に作家や芸人十二人がくりだす名(迷)回答集。座を温めたい、のどかに生きたい、美を匂わせたい…この一冊が、日々の小さなピンチを救う。笑いながら粋な暮らしのヒントが見つかる、新しいマナー考。


いやはやいろんなマナーがあるものだ、とまず苦笑してしまうほど、本書にはマナーが溢れている。すべて真面目に意識的に守ろうと行動したとしたら、数時間でぐったりしそうである。だが、本書を読むのは愉しく、おやおや、とか、ほほぅ、とか、なるほどね、とか、そうだったのか、とか、さまざまな感想を抱きながら読むことができる。実際には役に立ったり立たなかったり、いろいろあるが、筆者の方々の日ごろの胸の裡が、ほんの少しだけ垣間見られるようなのも嬉しいことである。ひとつのマナーについて、見開き2ページで納まっているのも、読みやすい。愉しい一冊だった。

短編学校

  • 2017/08/24(木) 16:33:42

短編学校 (集英社文庫)

集英社 (2017-06-22)
売り上げランキング: 99,584

個性あふれる作家陣が、大人への階段を上ろうとする人生の一瞬を鋭くとらえた短編作品集。内面から湧き出る衝動をもてあまし、人生のほろ苦さを味わいながらも大人未満のところにいる。そんな人々が集まる場所。人気作家勢揃いのアンソロジー。


米澤穂信、本多孝好、中村航、関口尚、井上荒野、西加奈子、吉田修一、辻村深月、山本幸久、紺野緒雪、というバラエティ豊かな顔ぶれが、学校に通う年頃の少年少女のあれやこれやを、個性豊かに描いていて興味深い。考えてみると、高校時代というものは、考えることはあまりにも多いのに、それを容れる器が追いつかないという、たいそうもどかしい時代なのだと改めて思わされる。それ故に、そこを通り過ぎた大人から見ると、時にいささか滑稽に見えたりもするのだが、何であれ必死に生きているその世代の人たちが愛おしくなったりもする。感慨深い一冊だった。