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十津川警部「記憶」*西村京太郎

  • 2004/12/23(木) 08:16:46

☆☆・・・


東京郊外で若手カメラマンが誘拐されるところから物語が始まる。
誘拐されたまま犯人からの要求はなく、三日後に発見される。
彼は、二歳半の頃八王子の浅川のほとりで衰弱して発見され、養護施設で育ったのだった。
それ以前の彼の記憶『SL・桜・二人の男女』を頼りに、仕事絡みでSLと桜を撮る旅に出るのだが・・・。

二歳半以前の記憶のピースと現在の景色がカチリと嵌った時、21年前の誘拐事件の尻尾もまた動き出したのである。
二歳半の幼児の記憶を恐れるあまり犯人は21年も経って尻尾をつかまれることになるのだ。

ミステリィにしては 偶然頼みなのが少し気になる。

誘拐の季節*西村京太郎

  • 2004/07/27(火) 13:12:38

☆☆☆・・


誘拐・失踪がテーマの 昭和40年前後に出版された短編を集めた一冊。

誘拐犯の要求する身代金が200万円だったりして 昭和40年という時代を感じさせられる。
どんどん巧みなトリックを使った作品が生み出されているので なにかほのぼのとした気分にさえなってしまう。
時代の流れは速い。といっても昭和40年はもう半世紀近く昔であるが。