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岸辺のふたり*マイケル・デュドク・ドゥ・ヴィット
- 2005/02/05(土) 12:55:30
☆☆☆☆・
あなたの大切な人は、
いま、どこにいますか。
別れからはじまる
小さなものがたり・・・・・
(見返しより)
うちだ ややこさんの訳による絵本。
セピアトーンのさらりとしたタッチの絵と必要以上に語らないことばとが、想いを遠く深くまで広げさせる。
アニメーションにもなり上映されている。
http://www.crest-inter.co.jp/kishibe/
青空のむこう*アレックス・シアラー
- 2005/01/02(日) 08:44:37
☆☆☆・・
青空のむこうから、ひとりの少年が降りてきた。
やり残したことがあるから・・・
(見返しより)
交通事故で突然命を落とし、死者の国へ行った少年・ハリーが主人公の物語。
死者の国は、傾いた太陽は傾いたまま沈まず、ずっと黄と赤と金の混じりあった美しい夕焼けのままで、喜びも辛さもない。どこに向かうのか、何をするのかもわからないのだが、どうやらほとんどの人は<彼方の青い空>へ向かっているようなのだ。
そこへは、生きているうちにやり残したことがあると行けないのだ。
そしてハリーには、やり残したことがあるのだった。
自分がいなくなった後のこの世に束の間戻ってきたハリーが見たものは、自分が欠けても少しの問題もなく動いている世界、そして 癒せない悲しみをもてあまし、沈んだ顔をして毎日を暮らしている家族。
ハリーがありったけの思いを込めてしたことは・・・。
失って初めてありがたさがわかることのなんとたくさんあることか。
きっと誰でもがハリーのように思いを遂げられるわけではないだろう。
やり残しをひとつでもすくなくすることが生きているものの務めなのかもしれない。
この世を幽霊だらけにしないためにも。
34丁目の奇跡*ヴァレンタイン・デイビス
- 2004/11/17(水) 22:20:25
☆☆☆☆・
片岡しのぶ=訳
ミスター・クリス・クリングル、
いったい、あなたは・・・・・!?
表紙裏より
まず映画として作られ、そのあとで小説として出版されたものとのこと。
サンタクロースを信じるかどうか、というのは だれもが通る 夢と現実とのぶつかり合いなのではないだろうか。
サンタクロースはいないのだ、と自分を納得させるところに 現実を生きる大人としてのスタートラインがあるのだと 誤解している人も多いだろう。
けれども この物語を読めば 信じつづけること、夢みつづけることを諦めなくても 現実を生きる大人になれることを 疑わなくなること請け合いである。
いや、信じつづけ、夢みつづけるからこそ 人はみなしあわせに生きてゆけるのだと 自信を持って言えるようになるだろう。
「クリスマスは<心>ですよ」
という クリスのことばが胸に沁みる。
話を聞かない男、地図が読めない女*アラン・ピーズ+バーバラ・ピーズ
- 2004/09/28(火) 19:55:11
☆☆☆・・
一時爆発的に話題になった一冊なので 読まれた方も多いと思う。
男の脳と女の脳は そもそもまったくの別物であり、同じ能力を期待する方が間違っているのだという。男女雇用機会均等法などというのは だから 数合わせであって実情に見合ったものではない。
この男脳と女脳の働き方の違いを知って、「そうか、そういうわけだったのか」と腑に落ちることが多かった。
相手の考えていることが判らずに苛立つときにはこの一冊が関係修復の一助になることだろう。
間に《男脳・女脳テスト》という 3択30問のテストもあり、自分の脳が男っぽいか女っぽいかの判定ができるのも興味深い。
0~180が男脳、150~300が女脳、150~180はどちらにも偏らず融通がきくタイプということである。
ちなみに私の得点は 80だった。
この世で一番の贈り物*オグ・マンディーノ
- 2004/06/04(金) 08:12:48
☆☆☆・・
決して忘れられない感動がある……
「これをどうぞ」と彼はやさしい口調で言った。
「わしの感謝のしるしに、そして友情のあかしにさあ、
受け取ってください!」それは、老人の最後の贈り物だった…。
(表紙裏より)
よりよく生きるためになすべきことは何か?という永遠の問いに対するあたたかいアドバイスの書である。
著者の前からある日突然姿を消した老サイモン・ポッターとの運命的な再会によって著されたものである。
先月読んだ 谷川俊太郎さんお薦めの『神との対話』がすぐに思い浮かんだ。誰もが迷い悩むことについての真の答えは いつでも同じだということかもしれない。人がそれを見ようとするかどうかなのだろう。
神との対話*ニール・ドナルド・ウォルシュ
- 2004/05/13(木) 20:21:04
☆☆☆・・
谷川俊太郎さんが「心の最も深いところへ届いて感銘した本」と紹介していらしたのが読むきっかけになったもの。
サブタイトルは
――宇宙をみつける 自分をみつける――
何故自分の人生は上手く行かないのか?と神に真実を問うていた著者のもとに神が降りてきてこの本を書かせたという。
これまで考えられていたり 教えられたりしてきた「神」という概念を揺るがすものである。少なくとも私にとっては。
人は神が己を見るために創った者であり、予め何でもできるように創られているのだと言う。できないのは自分が選択しないだけなのだ、と。
普段から宗教観を胸に抱いて過ごしていない者には 一読では理解しがたいことが多く、考えてもよく解らないことも多いのだが、「そういえば」と納得のいくことも多いのである。
自分の中で発想の転換をするきっかけにできればいいと思う。言うは易く行うは難し、なのであるが。
死の記憶*トーマス・H・クック
- 2004/01/22(木) 08:10:03
13ヵ月と13週と13日と満月の夜*アレックス・シアラー
- 2003/11/25(火) 07:51:50
☆☆☆・・ 13ヵ月と13週と13日と満月の夜
ティーンエィジャー向けのお話しなのかもしれませんが
タイトルが魅力的で手に取ったもの。
主人公は12歳の赤毛でそばかすのおしゃべりな女の子。
その身に 信じられないような奇想天外な事が起こる。
10代向けには いろいろ教訓も織り込まれていると言えよう。
読後感は 胸の中に暖かいものが流れる感じ。
我が子たちの胸に その若い躰や健康や 家庭に 当然のように戻れることに感謝する気持ちが流れることを願う。
五番目のサリー*ダニエル・キイス
- 2003/10/13(月) 17:35:48
☆☆☆☆・
ニューヨークでウエイトレスとして働く
見かけは平凡な女性 サリー・ポーターの物語。
見かけは平凡なのだが 彼女は実は多重人格者である。
彼女の中には サリーを含めて 5人の別の人格が棲んでいて
別の人格が表に現れている時には サリーは意識を喪失している。
一人 また一人 と 人格が融合され
肉体も魂もすっかり一人の人間となった【五番目のサリー】
本来 意識の統合は 喜ぶべき幸福な事のはずなのに
これから先の未来を 独りで生きていかなければならないサリーに
哀れみと同情の感情が湧くのは何故だろう。
【多重人格】と呼べなくとも 我々の中には 様々な意識が宿っており
その時どきによって 主導権の奪い合いをしながら 際どいところでバランスを保っているのではないだろうか。
【自分】というもの について 改めて考えさせられる一冊だった。
411ページは あっという間だった。
五番目のサリー
アルジャーノンに花束を*ダニエル・キイス
- 2003/08/25(月) 13:56:52
☆☆☆☆・
知ることは ほんとぅにしあわせなことなのだろうか。
知らないことは 人を不幸にするのだろうか。
そんなことを 考えさせられた作品。
知ってしまった不幸、知らずにいられた幸福。
生きていく道筋には きっと たくさんあるはず。
それでもなお チャーリー・ゴードンにとって
知ることは無駄ではなかった と 思いたい。
できることなら 彼にこう問い掛けてみたい。
「チャーリー。今 しあわせ?」
アルジャーノンに花束を
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