at Home*本多孝好

  • 2011/01/19(水) 17:25:17

at Homeat Home
(2010/10/27)
本多 孝好

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そこは人がほんとうに帰るべき場所なのだろうか?ふぞろいで歪つな4つの家族とそこに生きる人々。涙と冷酷と波乱を存分にたたえたエンタテインメント小説。


表題作のほか、「日曜日のヤドカリ」 「リバイバル」 「共犯者たち」

四つの家族の物語である。が、これらの家族は、人のお手本になることは金輪際ないだろうというような、まったくなんて家族なんだ、というようなだめだめな家族なのである。その設定からして陳腐なホームドラマではない。トラブルのデパートのような問題を含みすぎな家族なのだが、世間の常識を取っ払ってみると、家族間の関係性がかえって濃くて、――表現の仕方には驚かされることもあるが――じんと目頭が熱くなることが何度もあった。家族が最小社会であるということを考えさせられる一冊でもある。

正義のミカタ*本多孝好

  • 2007/12/03(月) 13:13:22


正義のミカタ―I’m a loser正義のミカタ―I’m a loser
(2007/05)
本多 孝好

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いじめられっ子の亮太は自分を変えようと「正義の味方研究部」に入部する。果たして亮太は変われるのか。いじめ、リストラ、格差。こんな社会で生きていかなきゃならない、将来が少し不安なあなたに贈る、書き下ろし青春小説。


筋金入りのいじめられっ子・蓮見亮太が、いままでの同級生など一人もいないだろうと選んだ大学に入学してまもなく、高校時代の宿敵とも言えるいじめっ子・畠田と出会ってしまい、案の定いじめの標的にされそうになる。そこに現れたのが、ボクシングでインターハイ三連覇の実力の持ち主・桐生友一だった。そして、友一に連れられて行った「正義の味方研究部」が亮太の学生生活を変えることになるのだが・・・・・。

痛快青春小説かと思いきや、そんな単純な物語ではなかった。前半部分はある意味 正義の味方の痛快物語とも言えて小気味よくさえあるのだが、後半ではその「正義」に身をおくことにことばに表わしようのない居心地の悪さを感じ始める亮太なのだった。
「正義の味方研究部」としての正義、ひとりひとりの胸の中の正義、それをどう現すか または現さずにいるか。読者は亮太と共に、さまざまな不公平や不満感、正義のあり方を感じながら過ごすのである。
筋金入りのいじめられっ子だった亮太がそこから抜け出せたわけではないが、ラストではなぜか一回り大きくなったように見えるのである。

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MISSING*本多孝好

  • 2005/10/10(月) 17:45:19

☆☆☆・・



 小説推理新人賞受賞作「眠りの海」を含む処女短編集

 眠りの海
 祈灯
 蝉の証
 瑠璃
 彼の棲む場所・・・・・

 この5つの物語は、あなたの中に潜むミステリアスな風景を
 必ずや呼び覚ますことだろう・・・・・。
         (帯より)


すっかり忘れていたのだけれど、一度読んだことがあったのかもしれない。
読み初めから既視感に捕らわれたから、きっとそうなのだろう。
だが、受ける印象がどの物語も少しずつ違っているようで、自信を失くす。
今回は、そこはかとない哀しみに囚われることが多かった。
人は、何かを少しずつ失いながら生きてゆく生き物なのかもしれない。


MOMENT*本多孝好

  • 2005/10/01(土) 14:21:20

☆☆☆☆・



 あの病院にはね、以前から語り継がれている
 一つの噂話があったんだ・・・・・
 そして僕は、死を前にした人たちの願いを一つずつ叶えていく。
 心に残る物語との出会い。

 最期に一つだけ、必ず願いごとを叶えてくれる人物がいる。
 そんな不思議な噂が、患者たちの間で囁かれていた。
 アルバイト清掃員の学生が垣間見た、その病院の伝説とは・・・・・
 『MISSING』の新鋭が奏でる物語のシンフォニー。
 今、静かに強く、あなたの胸を打つ!
           (帯より)


大学4年生の神田は、授業もなく暇なのだがこれといって目的を見つけられず就職活動もしないで病院で清掃員のアルバイトをしている。
そして、この病院の伝説となっている必殺仕事人として死を目の前にした人たちの願いごとを叶えているのだった。
事の起こりは、あるとき重症患者の老女の願いを聞き届け、遺産として過分な金額を受け取ったことだった。もう返すことのできない多すぎる報酬に少しでも報いるために、他の患者たちの願い事も叶えるようになったのだった。
残り少ない時間を抱える彼らには、さまざまな人生模様・心模様があり、最期に叶える願い事にもさまざまな想いが詰め込まれているのだった。
しかし、神田は本当の必殺仕事人ではないのだ。実際の伝説の真実は、実はまったく違う様相を見せるものだったのだ。

神田君の気負わない素直なやさしさがとても心地好く、幼なじみの女友達で病院に出入りする葬儀屋を仕切る森野とのやりとりも不器用ながら真っ直ぐで好感が持てる。

死ぬ瞬間に何を考えるのか?
きっと答えはその瞬間まで出ないのだろう。

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