フィフティ・フィフティ*唯川恵

  • 2006/03/06(月) 21:18:37

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彼女の嫌いな彼女


23歳、OL、独身の千絵と、33歳、OL、独身の瑞子が一章ずつ交代で語る。
同じ会社同じ部署の先輩後輩として日々顔をあわせているふたりの胸の裡を それぞれの章で吐き出す、のかと思いきや、部長の出世争いに巻き込まれることに。

女の敵は女、とはよく言われることだが、お局OLは 自分が通り過ぎてきた道を忘れ、若輩OLは 現在の若さに溺れ自分の行く末を見ることができずに互いに煙たがる。傍から眺める分には面白おかしくもあるが、当人たちにとっては毎日のストレス以外の何ものでもない。そんな女の戦いをも上手く利用した政略とも言えそうである。そして、ひとたび味方同志になると女はこうも強いのである。

病む月*唯川恵

  • 2006/03/01(水) 10:32:46

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美人で金持ちで傲慢で、あの女は昔からいやな女だった。その女の美しい夫を寝取った「私」は・・・・・(「いやな女」)
年に一度の逢瀬には、必ず新調した着物を着る「私」。その日だけは、特別の存在になるのだから。(「雪おんな」)
月が満ちては欠けるように、女もまた変化する。おもての顔の裏に別の顔を隠しもって。
金沢を舞台に、せつないほどに「女」に満ちた10人10話。
  ――文庫裏表紙より


いやな女・雪おんな・過去が届く午後・聖女になる日・魔女・川面を滑る風。愛される女・玻璃の雨降る・天女・夏の少女 の10篇。

金沢という町が舞台だからこその物語のように思う。
そして、女たちがどの物語でもみな哀しい。哀しさのありようは一様ではないが、漂い出てくる哀しみの匂いはどれも切ないものである。
光だと思っていたものが実は闇だったと気づいたときにはもはや取り返しがつかないような、そんな恐ろしさも底に沈んで澱となっているような気がする。