流転の細胞*仙川環

  • 2014/08/06(水) 16:33:57

流転の細胞流転の細胞
(2014/06/20)
仙川 環

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特ダネか、倫理か――再生医療の闇を暴くメディカル・サスペンス! 若手新聞記者の長谷部友美は、地方支局に飛ばされて腐っていた。本社異動のためのネタをつかもうと、市内の病院の赤ちゃんポストを張り込み続け、とうとう赤ん坊連れの女を発見する。しかしそれは、子どもなどいないはずの知人の姿だった――超先端医療と母親の切なる願い、そして記者のプライドが火花を散らす医療ミステリ。


支局長と支局員に事務員という「二人支局」に飛ばされて腐っていた友美と、プライベートの知り合いである石葉宏子の事情が、絡み合って、友美の成長物語でもあり、石葉をめぐるミステリでもあり、胎児や赤ちゃんに関わる医療問題の物語でもある。石葉の抱えるものが明らかになっていくにつれて、言葉をなくす一冊でもある。

無言の旅人*仙川環

  • 2008/08/22(金) 14:03:04

無言の旅人無言の旅人
(2008/01)
仙川 環

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交通事故で意識不明になった三島耕一の自宅から見つかった尊厳死の要望書。希望を叶えるべきか否か、婚約者、家族、医者は激しく動揺する。しかし…。元医学ジャーナリストによる慟哭のミステリー。


尊厳死を題材とし、しかもミステリに仕立てている。ただでさえ重い尊厳死というテーマを、善悪とか好悪とか、理論的に感情的に語るだけでなく、自分の最期をどう迎えるかということについて、どのように考え実行に移すのが最善なのか、というところまで踏み込んで、その部分をミステリにしたことで、熱くなった読者の頭をつかのま冷やす効果と、より客観的に考えるきっかけをもたらしているように思う。
おそらく読んでいる誰もが、我が身に引き比べて考えさせられるのではないだろうか。
可否の判断はとうてい簡単に出せるものではないが、ラストの耕一のPCに残されていたメールの下書きが、その判断の難しさを物語っていて、胸が苦しくなった。

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転生*仙川環

  • 2007/07/19(木) 16:48:35

☆☆☆・・

転生 転生
仙川 環 (2006/09/06)
小学館

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フリーライターの深沢岬は、仕事の依頼で待ち合わせたホテルのロビーで、ベビーカーに乗った赤ん坊を目の前にしていた。「その子はあなの娘だ。引き取ってもらいたい」。岬にかかってきた電話の主は、最初から赤ん坊を渡すつもりで依頼者を装い、岬を呼び出したのだった。身に覚えのない岬は激高するが、それがまさか前年、報酬欲しさに違法だと知りつつ提供した自分の卵子から生まれた子だったとは…。第一回小学館文庫小説賞を受賞した『感染』に続く待望の医療ミステリー第二作がいよいよ登場。


章も節も改まらずにいきなり語り手が替わるのには初めのうちなかなか慣れずに戸惑ったが、そこをクリアすれば物語の導入も展開もスピーディーでぐいぐいと惹きつけられる。ただ、どこがどうとは上手く言えないのだが、主人公の岬がいまひとつ身に迫ってこない というのか感情移入し辛い感じがするので、のめりこめずに一歩引いた目線でみてしまうことになったのがもったいないといえばもったいない。

刹那の魔女の冒険*関田涙

  • 2004/03/23(火) 14:08:57

☆☆☆・・


 雪の別荘での死体移動の謎!
 奇妙な時計塔の中で殺人犯が消えた謎!
 学園祭のお化け屋敷内で起きた殺人事件の、
 誰もが思いも寄らなかった脅威のトリック!
 さらに虚構と現実が交錯し導かれる衝撃のラスト。
 まったく異なる二通りの読み方ができるという仕掛けもあり。
 おまけに“名前当てパズル”も付いてます!

                        (裏表紙より)

「一体なんて本なんだ!」
と 思わず言いたくなるような一冊。
普通に初めから最後まで読み通す読み方と 指示に従って飛ばし読みする読み方が用意されている。しかも 途中で答えを先に知りたい読者のために 読むべき場所の指示まである。パズルもあるし。初体験なことばかりで 正直なところまだ目が回っている。

ホームページをビルダーなどに頼らず 腕一本で作る方には解るかもしれない
などと まるっきり解らない私は思ったりする。
現実と虚構とが複雑に入れ子状態になっている様は ホームページ作成時の階層の把握の仕方と似ているのではないかと想像してみる。
訳がわからないことにちっとも変わりはない。

物語の語り手の「僕」
誠だとばかり思って読み進めていたのだが いつからすりかわっていたのだろう。
そういえば いつからか「姉のヴィッキー」が「うちのヴィッキー」になっていて 「あれ?」と思った気もするなぁ。

とにかく この不思議さは 体験してみなければわかっていただけないだろう ということだけは判る。