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透明な旅路と*あさのあつこ

  • 2006/05/19(金) 12:45:01

☆☆☆・・



吉行明敬はたったいまホテルで行きずりの街娼の首を絞めて殺してきたところだ。事故があったらしい新道を避け旧道に入り込んだところでその少年と幼女に出会い 車に乗せて欲しいと頼まれた。
透きとおった印象の少年・白兎は尾谷村の母のところへ帰りたいという 妹ではない幼女・笹山和子を送り届けようとしているのだった。
抗い難い何かに動かされてドアを開けてしまった吉行だったが。

不思議な物語である。
初めのうち 現実離れした雰囲気は殺人を犯したばかりの吉行の昂ぶりのせいかと思っていたのだが、そうではなく、白兎と和子に出会ってからこそいよいよその感じを深めるのである。夢の世界なのだろうか。だったらどこから?最初からだろうか、それとも旧道にハンドルを向けたところからなのだろうか。しかし、すべて夢だったとしたら吉行はなぜここにいるのだろう。説明はつかないのである。
吉行の物語でありながらこれは白兎の物語でもあり、和子の物語でもある。母の元へ帰りたがる和子のところへたまたま使命を帯びた白兎が居合わせ、吉行が呼び寄せられたのだろう。
白兎のことをもっと知りたい。

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