本バスめぐりん。*大崎梢

  • 2017/02/09(木) 16:47:44

本バスめぐりん。
本バスめぐりん。
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大崎 梢
東京創元社
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都会を走る移動図書館「本バスめぐりん」。乗り込むのは六十代後半の新人運転手・テルさんと、図書館司書・ウメちゃんの、年の差四十のでこぼこコンビだ。団地、公園、ビジネス街など巡回先には、利用者とふしぎな謎がめぐりんの到着を待ちかまえていて……。テルさんのとまどいとウメちゃんの元気、そしてたくさんの本を詰め込んで、本バスめぐりんは今日も走る。本屋、出版社などさまざまな「本の現場」を描く著者の次なる現場は、移動図書館! 本を愛するすべての人に贈る、ハートフル・ミステリ。


「テルさん、ウメちゃん」 「気立てがよくて賢くて」 「ランチタイム・フェイバリット」 「道を照らす花」 「降っても晴れても」

二週間に一度、図書館から遠い地域を回る本バスの相性は「めぐりん」。行くたびに愉しみに待ち構えていてくれる常連さんがいて、初めて顔を見せてくれる人もいる。それぞれのステーションでのちょっとした謎や不思議を、70歳手前の新米運転手のテルさんと、張り切りすぎて時に空回りしてしまう若い司書のウメちゃんが、お馴染みさんたちとともに解き明かし、笑顔の輪を増やしていくのである。それにつれて人の輪も少しずつ広がっていくのが見ていてうれしくなる。本に関わる人と人とのあれこれに心が和む一冊である。

スクープの卵*大崎梢

  • 2016/12/03(土) 18:54:37

スクープのたまご
スクープのたまご
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大崎 梢
文藝春秋
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人の家の不幸に群がって、あなたは恥ずかしくないんですか?週刊誌は、空振りやムダの積み重ねで出来ている。手を抜いたら、あっという間に記事の質が堕ちる。未解決の殺人事件にアイドルのスキャンダル写真―ビビリながら、日本の最前線をかけめぐる日向子24歳!


1話 「取材のいろは」  2話「タレコミの精度」  3話「昼も夜も朝も」  4話「あなたに聞きたい」  5話「そっと潜って」  最終話「正義ではなく」

入社二年目の日向子が週刊千石の編集部に配属され、スクープをものにしようと奮闘する連作短編集である。しかも、全編を通して、ひとつの事件を追うことになり、ひと粒で二度おいしいお得感が嬉しい。学生にしか見えない外見が取材時に役立つこともあり、不発だとがっかりした取材先から、後々重要な情報が寄せられることもあり、苦労も多いが報われることもあるのだった。人の家庭に遠慮会釈なく踏み込んで暴き出す週刊誌のえげつなさを嫌っていた日向子も、少しずつその内情を理解し、仕事にやりがいを感じるようになっていく。一見頼りなさそうに見えて、実は上司にも同僚にも期待されている日向子の奮闘ぶりが可愛らしくて、つい応援したくなる。もっともっと日向子の成長を追いかけ続けたい。シリーズ化してほしい一冊である。

よっつ屋根の下*大崎梢

  • 2016/10/25(火) 16:27:31

よっつ屋根の下
よっつ屋根の下
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大崎 梢
光文社
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勤め先の大病院の不祥事隠蔽を批判し、犬吠の地方病院に飛ばされた父。製薬会社に関係の深い実家を気にして、父についていこうとしない母。都会暮らしが好きなのに、父をひとりにできなくて、ついていったぼく。お母さんを責めないで!と言いながら、密かに自分を責めていた妹。たとえ自分は離れても、いつまでもそこにあってほしい、ぼくたちの「家」。それは、わがままだろうか。家族でいるのが大変な時代の、親子四人の物語。


もしも父が病院に楯突いて左遷されなかったとしたら、平山家は絵に描いたようなセレブな暮らしを続け、子どもたちも何も深く考えることなくぬくぬくと育っていったのだろう。それはそれで、それぞれ温厚な大人になってしあわせだったかもしれないとは思う。でもそうはならなかった。父とぼくは海風吹きすさぶ銚子へ引っ越し、母と妹は白金のマンションに残り、それぞれの思いを胸に抱えたまま離れて暮らすことになったのだった。離れてみなければ判らなかった家族のこと。調子に来なければ知ることもなかったあれこれ。そんなすべてが心と躰を育み、思い描きもしなかった未来へと繋がっていくのである。それぞれの場所で培った人間関係も宝物のようである。このままバラバラになってしまうかと思われた平山家だが、よっつ屋根の下でそれぞれ生きていくとしても、戻る場所はひとつだと思えたことで、さらに絆が深まったように思う。人を思いやる気持ちの大切さがじんわり伝わる一冊である。

誰にも探せない*大崎梢

  • 2016/04/24(日) 17:13:47

誰にも探せない
誰にも探せない
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大崎 梢
幻冬舎 (2016-02-25)
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疎遠になった幼馴染みの伯斗が数年ぶりに晶良の前に現れた。幼い頃に夢中になった「埋蔵金が眠る幻の村」を探そうと言う。かつて祖母からこっそり手に入れた幻の村の地図。それは晶良と伯斗の友情の証、二人だけの秘密の冒険だった。今になって一体なぜ?わだかまりを感じながらも、半信半疑で再び幻の村を目指そうとした矢先、伯斗の消息が途絶えてしまう。さらに“お宝”を狙う連中が晶良に迫り…。幻の村とは?伯斗の目的は本当に埋蔵金だったのか?


祖母が子どもの頃、友達にもらったという六川村というなくなってしまった村の地図。その村には穴山梅雪の埋蔵金が眠るという。幼馴染の晶良と伯斗も夢中になって探したが、村の在処さえ見つけることはできず、いつしか伯斗とも疎遠になってしまった。そんな折、突然晶良の前に伯斗が現れたことで、物語は始まる。道なき山中を追いつ追われつするきびしいことにもなり、死人も出るほどの大ごとなのだが、どういうわけか――良いのか悪いのかは別として――その辺りの恐ろしさは感じられない。晶良も伯斗も無事に帰れると信じていられるのは、彼らのおばあさんたちの力なのかもしれない。誰が敵で誰が味方か、ぐちゃぐちゃに入り交じり、人間不信にも陥りそうになるが、根っこのところが揺るがないのがいいところでもある。幻の六川村、いつか見つかってほしい気もするが、このまま永遠に幻でいてほしい気もする。人の欲の恐ろしさがいちばんの害悪だと思わされる一冊でもある。

空色の小鳥*大崎梢

  • 2015/10/11(日) 13:39:00

空色の小鳥
空色の小鳥
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大崎梢
祥伝社
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「おまえはちがうから。この家から出ていくことを考えろ」三年前に急逝した兄・雄一と最後に交わした言葉。兄は微笑を浮かべていた。大企業のオーナーである西尾木家に後妻の連れ子として入ったものの、疎外感の中で暮らしてきた弟の敏也は、いまだにその真意が分からずにいた。ある日、偶然兄に内縁関係の妻子がいることを知った敏也は、妻・千秋が末期癌であることを突き止める。千秋の死後、六歳になる娘の結希を引き取ることにした敏也。だがなぜか、兄を溺愛したワンマン社長の父や一族には、そのことを一切知らせずに暮らし始めた……。敏也の真意とは? 静かな感動が胸を打つ著者渾身の家族小説!


著者には珍しい黒い思惑の渦巻く物語という印象で始まり、実際裏では打算にまみれた目論見が進行していきはするのだが、表に見える事象は実にほのぼのとあたたかく、愛と慈しみにあふれたものである。主人公の敏也と結希の関わりも打算だけでは成り立たない温か味にあふれているし、汐野や亜沙子の人柄も好感が持てる。血縁がすべての義父に憤りを覚えたりもしたが、ラストでそれも覆る。読み通してみれば著者らしい一冊だったと言える。

だいじな本のみつけ方*大崎梢

  • 2014/11/14(金) 18:42:01

だいじな本のみつけ方 (BOOK WITH YOU)だいじな本のみつけ方 (BOOK WITH YOU)
(2014/10/16)
大崎 梢

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大好きな作家の最新刊。発売を楽しみにしていたある日、中学二年生の野々香は、学校の手洗い場の角で忘れ物の本をみつける。好奇心から書店のカバーを外してみると、それは、まだ発売されていないはずの最新刊だった!野々香と、クラスの図書委員・高峯秀臣は、本の持ち主の正体と、どうやって手に入れたかを探り始める―。大切な本との出会いをめぐって巻き起こる、賑やかでやさしい物語。


中学生たちが主役の物語である。小学校との交流とか、中学生ならではのこともたくさんあるが、要は本好きさんが主役ということで、同級生の叔父の新人作家や書店員さん、元ラジオアナウンサーの読み聞かせ名人、みんなの本好き加減が溢れ出ていて微笑ましい。本に関する謎解きと、野々香と秀臣の可愛い言い合いがアクセントになっていて、気軽に愉しめる一冊である。

忘れ物が届きます*大崎梢

  • 2014/06/13(金) 18:35:00

忘れ物が届きます忘れ物が届きます
(2014/04/18)
大崎 梢

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想い出の中に取り残されていた謎をめぐる、ミステリー珠玉集。

あの事件は、結局誰が犯人で、どう解決されて、彼や彼女はどうかかわっていたのだろう──。
知らされていなかった真相が、時を経て、意外なきっかけから解き明かされる。
多彩な趣向が味わえる、五つのミステリー。


「沙羅の実」 「君の歌」 「雪の糸」 「おとなりの」 「野バラの庭へ」

外側は穏やかに見えて、内側が静かに青く燃えているような印象の物語たちである。思い出のなかのふとした疑問、解かれないままになっている謎。時が経って、風化しようとするそれらに、再び目を向け、解きほぐしていく。知りたいような、そっとしておきたいような、でもやはり知りたくてたまらなくて、身を乗り出してしまうような読書タイムだった。「君の歌」と「おとなりの」は知っている気がするのだが、アンソロジーかなにかに入っていただろうか。ちょっぴり切なく、人の思いやりを感じられる一冊である。

ようこそ授賞式の夕べに*大崎梢

  • 2013/12/18(水) 18:52:53

ようこそ授賞式の夕べに (成風堂書店事件メモ(邂逅編)) (ミステリ・フロンティア)ようこそ授賞式の夕べに (成風堂書店事件メモ(邂逅編)) (ミステリ・フロンティア)
(2013/11/09)
大崎 梢

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今日は年に一度のイベント、書店大賞授賞式の日。成風堂に勤める杏子と多絵は、初めての授賞式参加とあって、華やいだ気分でいっぱいだ。ところが朝の業務を終えて出かけようという矢先に、福岡の書店員・花乃が「書店の謎を解く名探偵」に会いに成風堂を訪れる。書店大賞事務局に届いた不審なFAXの謎を名探偵に解いてほしいというのだ。一方、明林書房の新人営業マン・智紀も、全国から書店員が集まる今日を有意義に過ごすべく、準備万端調えていた。そこへ、他社の営業マン・真柴から、今すぐ来いと呼び出しを受ける。書店大賞事務局長の竹ノ内が、今日のイベントに関わる重大問題に頭を抱えているらしい…。“成風堂書店事件メモ”と“出版社営業・井辻智紀の業務日誌”、両シリーズのキャラクターが勢ぞろい!書店員の最も忙しい一日を描く、本格書店ミステリ。


なによりもまず、勢揃いしたこの豪華メンバーが嬉しいのである。書店大賞事務局に届いた怪文書に「飛梅書店」の名があったことから、福岡の書店に問い合わせがいき、書店大賞に投票していて授賞式に出席することになっていた花乃が、謎を解明したい一心で成風堂書店の名探偵・多絵を頼ってきたのが、大騒動の一日の始まりである。花乃の意気込みが普通ではないと思っていたのだが、そういうことだったのか、というのはラストになってやっと明らかにされる事実である、書店大賞の裏側や実情、問題点までよく解り、書店員さんたちの愛を改めて感じられる一冊である。多絵ちゃん健在!

ふたつめの庭*大崎梢

  • 2013/07/03(水) 16:48:09

ふたつめの庭ふたつめの庭
(2013/05/22)
大崎 梢

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そこは、かけがえのない場所。だから、あきらめない。裏鎌倉の保育園を舞台に新鋭が描く、家族と恋の物語。保育士になって五年の美南とシングルファーザー一年と二ヶ月目の志賀隆平。隆平は定時退社しやすい部署に異動し、子育てに奮闘するものの、保育園は予測不能のことばかり。園内の事件や行事を通して、美南と隆平は気づき、育んでゆく、本当に大切にしたいものを。湘南モノレールの走る街で紡がれる、愛しい時間を描く傑作長篇。


第一話 絵本の時間  第二話 あの日の場所へ  第三話 海辺のひよこ  第四話 日曜日の童話  第五話 青い星の夜  第六話 発熱の午後  最終話 青空に広がる

舞台は保育園、登場人物は園児とその保護者と保育士。それでもちゃんとミステリであり、ロマンスであり、もちろんお仕事物語でもあるという贅沢な一冊である。そしてやはり著者らしく本屋さんのシーンもちゃんとあり、絵本もちゃんと絡んでいる。心地好くて、ずっと読み続けていたくなる一冊でもある。

クローバー・レイン*大崎梢

  • 2012/06/30(土) 17:01:25

クローバー・レイン (一般書)クローバー・レイン (一般書)
(2012/06/07)
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作家=小説を書く人。
文芸編集者=小説のためになんでもする人。

老舗の大手出版社に勤める彰彦は、過去の人と目されていた作家の
素晴らしい原稿を偶然手にして、どうしても本にしたいと願う。
けれど会社では企画にGOサインが出なくて――。
いくつものハードルを越え、本を届けるために、奔走する彰彦。
その思いは、出版社内の人々に加えて、作家やその娘をも巻き込んでいく。
本に携わる人たちのまっすぐな思いに胸が熱くなる一作。


学生時代から、進路に関する挫折を知らずにここまできた編集者・工藤くんの熱意の物語である。たまたま読ませてもらったいまは注目されていない作家の原稿の素晴らしさに惚れ込み、なんとしても自社から出版したいと、さまざまな壁に立ち向かう姿が描かれており、熱い思いが伝わってきてそれだけでも感動的なのだが、この物語はそれだけではない。原稿に込められた思い、伝えたい言葉、会いたい人。作家だけでなく工藤自身の思いも絡めて描かれている切なくも強い気持ちが胸にしっかりと届いてくる。慈雨のようにしっとりと沁みこむ一冊である。

天才探偵Sen7――テレビ局ハプニング・ツアー*大崎梢

  • 2012/06/05(火) 16:53:07

天才探偵Sen⑦ テレビ局ハプニング・ツアー (ポプラポケット文庫 児童文学・上級?)天才探偵Sen⑦ テレビ局ハプニング・ツアー (ポプラポケット文庫 児童文学・上級?)
(2012/02/08)
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信太郎のペットがテレビ番組にでることになり、おともについてきた千たち。
しかし、名探偵のいくところに事件あり!
局内の事件にまきこまれて……。あかずのスタジオの謎にいどみます!


千くんたち小学生トリオがテレビ局で巻き込まれる事件と謎とわくわくの物語。テレビの世界の内側をちょっぴり覗けるわくわくと、怪談話に絡んだ謎解きで、対象年齢の小学校高学年には愉しい一冊だろう。ただ大人にはさすがにちょっと物足りないか。

プリティが多すぎる*大崎梢

  • 2012/02/26(日) 17:09:00

プリティが多すぎるプリティが多すぎる
(2012/01)
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「なんで俺がこんな仕事を!」女の子雑誌で孤軍奮闘する新米編集者の爽快お仕事小説。


新見佳孝は四月の移動でローティーンむけのファッション誌「ピピン」の編集部に配属になった。文芸志望の佳孝は、これ以上ないほど腐り落ち込む。「なんで俺がこんな仕事を!」というわけである。編集の現場も勝手が違いすぎ、なにをどうしたらいいのかさっぱり判らず、もちろんやる気も起きない。新美南吉にちなんでかいきなり「南吉くん」と呼ばれるようになり、それにさえ閉口するばかりである。そんな南吉が、十代のモデルたちの悲喜交々の事情や健気さ、スタッフの真剣さなどを目の当たりにし、失敗を繰り返しながら、知らず知らずの内にその仕事や場に愛着を感じはじめる様子が、感動的である。南吉くん、元来真面目なのである。モデルとして活動を始めると輝きを放つ十代の女の子のように、南吉くんも見事に輝く日が来るかもしれない。いまはまだ未熟者だが、そんな期待も感じさせられる一冊である。

キミは知らない*大崎梢

  • 2011/07/30(土) 13:45:35

キミは知らないキミは知らない
(2011/05)
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先生、本当のことを教えて。何で私の前に現れたの?研究者だった亡父の手帳を渡した直後、突然姿を消した先生。ほのかに想いを寄せていた高校2年の悠奈はたまらず後を追う。ところが再会したのは穏やかな先生とは別人のような鋭い眼差しの男。さらに悠奈の前に、「お迎えにあがりました」と謎の男たちが現れて―。


5歳のときに火事で父を亡くしてはいるが、ごく普通の高校生活を送っていた悠奈。ある日図書室で父の著書を手にしている数学の非常勤講師・津田先生と出会い、父のことや悠奈の名前のことやあれこれ話をするようになる。だが先生は実家の事情とかで急に学校を辞めてしまったのだった。中途半端な思いを胸に住所だけを頼りに津田の郷里を訪ねた悠奈は、とんでもないことに巻き込まれることになる。
平凡な高校生活と古からの神事にまつわる大家同士の対立や勢力争いというギャップにまず驚かされる。そして、渦中の人たちの自分の都合のいいように物事を解釈する身勝手さに呆れ、だれを信じたらいいのかわからなくなる。津田先生だけは、と思っていたのにそれさえ裏切られそうになった時の悠奈の絶望はいかばかりだっただろうか。それでも自分の頭で考えることのできる悠奈はやはり強い女の子なのだろう。ラストのその後を想像するとあたたかい心持ちになる一冊である。

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かがみのもり*大崎梢

  • 2011/04/09(土) 21:12:00

かがみのもり (BOOK WITH YOU)かがみのもり (BOOK WITH YOU)
(2011/03/19)
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新任の中学教師・片野厚介のもとに、担任クラスのお騒がせ男子生徒コンビによって持ち込まれた、金色に輝くお宮の写真。それは立ち入り禁止になっている神社の裏山にあったという。お宮の在処をめぐって接触してくる、怪しい組織や謎の美少女中学生。降りかかるピンチの連続のなかで、三人は幻のお宮を守れるのか!?


実家が神社で参拝の所作が美しい新任中学教師・片野厚介が主役である。先輩教師からは「なめられず、なれ合いにならず、生徒にはぴしっとのぞめ」と言われているにもかかわらず、お調子者の男子・笹井と勝又のペースにまんまと巻き込まれてしまうのだった。神社の威信、怪しい新興宗教、行方不明の信者を探す興信所の調査員、隣の中学の可愛い女子生徒、などの思惑が絡み合い、恐ろしい目に遭いながらも厚介と二人の男子は真相を見極め、いちばんいいと思われる解決へと導くのだった。途中どうなることかとはらはらさせられたが、厚介の機転がナイスだった。教師としては先が思いやられる気もするが、愉しそうな中学生活である。神聖さとお調子者の中学生とのミスマッチが絶妙な一冊でもあった。

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天才探偵Sen3-呪いだらけの礼拝堂*大崎梢

  • 2010/10/21(木) 17:01:26

天才探偵Sen〈3〉呪いだらけの礼拝堂 (ポプラポケット文庫)天才探偵Sen〈3〉呪いだらけの礼拝堂 (ポプラポケット文庫)
(2009/02)
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十年に一度、名画公開の日には、悲劇が起こる―聖クロス学園の噂の日がやってきた!あやしい魔方陣に黒魔術、不安にかられた生徒たちを名探偵の鋭い推理が突く。人気シリーズ第三巻。


千くんシリーズ三作目は、小学部から高等部まである近所の私立聖クロス学園の学園祭で活躍する千・香奈・新太郎トリオである。新聞部の取材だと香奈に言われて訪れたクロ学(聖クロス学園)で、不穏な悪魔騒動に巻き込まれ、謎を解き明かすのだった。千くんが謎に関わることになったのは、保健室の万希先生がらみで相変わらず不順な動機だし、怪しいグループ・白バラ会の面々に向かって、謎は自分が解き明かすと宣言してしまう辺り生意気ぶりは健在なのだが、実際解いてしまうのだから文句は言えない。