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ほどのよい快適生活術--食べる、着る、住む*岸本葉子

  • 2014/11/06(木) 06:47:13

ほどのよい快適生活術---食べる、着る、住むほどのよい快適生活術---食べる、着る、住む
(2011/01/15)
岸本 葉子

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昭和に探す「ほどのよい」暮らし、レンタサイクルで半日旅etc.頑張りすぎず、欲張りすぎず、“ほどほど”がちょうどいい…。おひとりさまも楽しい、快適で上手な暮らし方。


生きているということは、何につけても選択の連続だと思う。そしてその際の迷いどころ、悩みどころ、選択の基準はそれこそ人それぞれで、何に優先権を与えるかに正解はない。我身と引き比べて、ここでこれは選ばないなぁとか、そうそうやっぱりそれを選ぶわよねとか、著者と一緒になってあれこれと悩むのが面白い。高望みせず、ほどほどに、けれど快適に日々を暮していきたいものだと改めて思わされる一冊である。

江戸の人になってみる*岸本葉子

  • 2014/08/04(月) 21:14:34

江戸の人になってみる江戸の人になってみる
(2014/07/11)
岸本 葉子

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「宵越しの金」はいらない?長屋での一人暮らしは快適?今の時代と、どちらが楽しそう?駒込の富士塚、山王祭、お月見、鷲神社の酉の市…『絵本江戸風俗往来』を片手に江戸を追体験。エッセイストが誘うお江戸案内にして、年中行事カレンダー。


「お江戸の一年」では、年中行事の主なもの――それでもほんの一部だろうが――を追体験すべく、季節ごとに様々な場所に出かけ、江戸の人たちの様子を思い描きながら自らの足で歩き、感じたことを感じたままに語っている。その場に立ってみて初めてわかることごともあり、江戸っ子気質の一端を知ることができたりもするのが興味深い。そして、「お江戸の一日」では、江戸の人たちの日々の暮らしの中の素朴な疑問に答えてくれていて、これまたとても興味深い。江戸の人が現代にやってきたとしたら、どんな感想を持つのだろう、とちょっと考えてしまう。やたらに窮屈だったりするのではないだろうか。江戸の風物をちらっと覗き見ているような愉しい一冊である。

幸せは97%で*岸本葉子

  • 2014/04/13(日) 16:49:19

幸せは97%で (中公文庫)幸せは97%で (中公文庫)
(2014/02/22)
岸本 葉子

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煮た油あげのほのかな甘みにうっとり、同窓会を前にウキウキ、ドキドキ?動物柄の針山は刺すのにためらう…。世の中が激変しても静かに年を重ねる幸せをかみしめたい。悪戦苦闘しながらも優しい眼差しで悲喜こもごもの日常を綴る。単行本『「こつこつ」と生きたい』に続くブログを元にした文庫オリジナル・エッセイ集。


日々のこと、はまっている食べもののこと、仕事のこと、季節のこと。震災のその日そのとき、そしてその後のことごと。
祈り、戒め、悩み、だがしっかりとひとつひとつを味わい暮らす。親しみの湧く一冊である。

空き家再生ツアー*岸本葉子

  • 2014/03/01(土) 16:53:36

空き家再生ツアー空き家再生ツアー
(2010/11/02)
岸本 葉子

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人気エッセイストの初の連作小説集。 50歳、独身、ひとり暮らし。人生の曲がり角を迎えた女性たちが人生を見つめ直し模索する、それぞれのこれから。人気エッセイスト初めて挑戦した連作小説集。


初の小説とのこと。初めは、短編集かと思ったのだが、連作になっていて、より愉しめた。職場やプライベートでの、50代の独身女性の微妙な立場や、他人に向ける視線の複雑さが絶妙に描かれていると思う。新しいことを始めるには勇気がいるくらいには歳を重ねてきているし、さりとてこのままで人生終わらせるのももったいない。生きること死ぬことを考える微妙な年代が50代ということだろう。気の合う同世代がいたとしても、突き詰めれば人間独りなのだよなぁと思わされもする一冊である。

買わずにいられる?*岸本葉子

  • 2014/02/28(金) 18:45:20

買わずにいられる?買わずにいられる?
(2011/09/21)
岸本 葉子

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「岸本さんって買い物にいろいろと悩んで、念入りに研究して、そんでもって失敗して、ほんと可笑しい!」と大評判だった『買おうかどうか』の第2弾! 今度はネットオークションに初挑戦(そして挫折!?)や宿の予約サイトなど、時流にのってネット関係も豊富。とっても愉快な一冊です。


著者が、お店やカタログや、インターネット上の情報を、微に入り細を穿つように眺め、比べている姿が思い浮かんで、思わず頬が緩んでしまう。だが、こんなにも入念に下調べをしているにもかかわらず、大事な情報を見逃したりしていて、苦笑いも出てしまうのである。そしてやはり、こだわりどころが自分とは違うのが面白くもある。いまも、欲しいものの情報を懸命に見比べているところかもしれないと想像すると、なんとなくしあわせな心地になる。ふふふな一冊である。

カートに入れる?*岸本葉子

  • 2014/02/24(月) 07:02:51

カートに入れる?カートに入れる?
(2013/11/20)
岸本 葉子

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『買おうかどうか』『買わずにいられる?』に続く、大好評お買い物エッセイシリーズ第3弾!
今回もいいものを見かけて、リサーチして、悩んで買って(失敗して?)、がたーくさん!
ルンバに始まり、高機能扇風機、オイルヒーターと最新家電に凝ってみたり、
加圧トレーニングや美容院選びなど体を張って調査したりと、試してみた結果が満載。
馬油シャンプーなど大当たりの品もちらほら。
さああなたはどれをカートに入れる?


シリーズ三作目になるのね、二作目は未読だわ、と思って過去記事を見てみたら、一作目の感想も書いていなかった。たしかに読んだ記憶があるので、ここを始める前だった?…のかなぁ......、ということが最近多くてイヤになる。というのはさておき、一作目も、共感できるものできないものさまざまであったが、今回も然り。わざわざそこにこだわらなくてもいいのでは、というところもあったが、人の価値観の多様さを見せられるようでもあり、それもまた面白かった。そして、著者の事前調査の徹底ぶりが頼もしすぎるくらいなのだが、それでも失敗が多いのが、さらにさらに可笑しみと哀しみを誘うので、愛おしささえ感じる一冊になっている。自分の買い物に役立つかどうかは、人それぞれなので判定不能でもある。

三十女のおいしい暮らし*岸本葉子

  • 2008/08/28(木) 19:08:47

三十女のおいしい暮らし三十女のおいしい暮らし
(1997/12)
岸本 葉子

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憧れの料理教室、アカすり体験、ウォーキングマシーン購入、ヘアダイ、インターネット、快眠追求、居眠り百態…焦りと不安の二十代を抜け出て、好奇心いっぱいの楽しい三十代の真最中をゆく著者の生活エッセイ。



30歳を迎える頃の私は、なんとなく落ち着かなかった。(30がなんぼのもんじゃい、私は私だ)と、訳もなく関西弁をまじえて自分で自分に言い聞かせ、慌てず騒がずのつもりでいたが、やはりどこか浮き足立っていた。私にとって30という年齢は、19が20(はたち)になるよりもずっとインパクトがあったのだ。

とあとがきにあるように、それまでとは日々を過ごす心がまえにも変化があったようである。自らの探究心の赴くまま――といってしまっては大げさかもしれないが――興味のあることをあれこれと体験してみる著者の生き生きとした姿が目に見えるようである。
ときに失敗し、またときには後悔もし、しかし概ね愉しみ満足して次の興味に向かって踏み出しているようにみえる。
著者を囲む友人同士のおしゃべりが、我がことのようでとてもたのしそうである。

がんから5年*岸本葉子

  • 2008/08/20(水) 19:25:20

がんから5年―「ほどほど」がだいじがんから5年―「ほどほど」がだいじ
(2007/09)
岸本 葉子

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「5年が経過しました」
主治医の言葉がこうも胸にしみ通るとは、予想外だった。
食事療法や漢方医院通いは、今も続けている。
仲間と‶希望‶や‶これから‶を語り合うことも。
たしかに、がんは長い。それでも、
のんびり、ゆったり、自分なりに付き合っていこうと思う。

虫垂がんの手術から6年、日々の思いはさまざま、心も揺れる。
体調の優れないこともあれば仕事やお金のことで頭を悩ましたり。
それらも含め、「年をとっていく」という普遍的なことへ、
自然につなげていける気がしています。


ほんとうの辛さや苦労、苦悩は、がんにかかわらずその病気に罹った本人でなければ決して解らないのだろうと思う。しかも、苦悩のポイントもそれぞれに違うことだろう。とはいっても、自分以外の体験者の言葉や生き方に接することができることで、励みになったり我が身を省みたりできるということもあるだろう。
著者も、ご自身の側にだけ病気を抱え込まず、ボランティア活動などを通じて、外側へ発信することで自分にも他者にも生きていこうとする勇気を広めているように思う。

歳時記を生きる*岸本葉子

  • 2007/08/27(月) 17:27:48

☆☆☆☆・

歳時記を生きる 歳時記を生きる
岸本 葉子 (2004/04/07)
中央公論新社

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がんを経験した著者が退院後にたどり着いた境地とは。生きとし生けるものとして季節の移り変わりを敏感に捉えながら、不安と期待の毎日をけなげに生きる様を描く。


現代の日本で歳時記といわれても、自分の日常に照らして考える人はずいぶん少なくなっているのではないだろうか。本書は一般的にいわれる歳時記よりも一段と著者の日常生活にひきつけて書かれたものであり、その月ごとの暮らしぶりが目に見えるようで親しみを覚える。
『がんから始まる』でも思ったことだが、お父さまとの関係もとても素敵でうらやましいくらいである。お父さまのお人柄が本書でも垣間見られてなおさらその感を強くした。
季節のうつろいのひとつひとつを大切に、そして軽やかに生きる在り方には胸を打たれる。

がんから始まる*岸本葉子

  • 2007/08/27(月) 07:21:08

☆☆☆☆・

がんから始まるがんから始まる
(2003/10/19)
岸本 葉子

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エッセイストである著者は、40歳で虫垂がんと診断された。しかも、S状結腸に浸潤。手術後、約2年が経つが、再発の不安はいつも頭から離れない。あすをもしれぬ生活を余儀なくされたとき、人はどのように生き、何を考えるのか。仕事は?家族は?自分らしくあるために、サポートグループに入会、漢方、食事療法、行動療法…エッセイストがつづる、渾身のがん闘病記にして、静謐なこころの軌跡。


ご自身はご自分のことを「弱い」と書いていらっしゃるが、なんて強いのだろう、というのがまず最初に感じたことだった。それは、むやみやたらと強いという意味ではなく、自身の弱い部分までをきちんと見極めて言葉にしてしまえるという強さである。そしてまた、がんを告知された瞬間から、じたばたしながらもきちんと道筋を自分で決めてこられたということでもある。自分の主体をがんなんかに乗っ取られてたまるかという反骨精神(?)には闘病という局面でなくても教えられることがある。タイトルにもそれが現れていると思う。

幸せまでもう一歩*岸本葉子

  • 2007/02/15(木) 20:34:03

☆☆☆・・

幸せまでもう一歩 幸せまでもう一歩
岸本 葉子 (2003/03)
中央公論新社

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禍を転じて福となす? 「おうち」も「そと」も危険がいっぱい。自分の身は自分で守りたいもの。どんな災難も、幸福にかえてみせましょう。『パーソン』『読売新聞』等の雑誌、新聞に掲載されたものを単行本化。


エッセイ。
「中途半端なお年頃・・・?」と自らのことをおっしゃる岸本葉子さんの日々のあれこれが綴られている。興味のあること、こだわっていること、いまになって知ったこと、これからのこと。
立場は違えど、うんうん、とうなずかされることがたくさんあり、興味深い一冊だった。

家にいるのが何より好き*岸本葉子

  • 2005/03/24(木) 14:12:00

☆☆☆・・


 書き下ろしエッセイ集
 30代は女の分かれめ
 *ものぐさ *ストレス *増え続ける服 *英会話
 *ババシャツ *出産 *人間ドック *ゴミの日
 *ドラマにビデオ *事故!そのとき
     (帯より)


わたしも家にいるのが何より好きなので
タイトルに惹かれて読んでみた。

家にいるのが好きな者同士でも自分とはかなり違っていて
それもまた面白かった。