猿の見る夢*桐野夏生

  • 2017/02/22(水) 06:59:04

猿の見る夢
猿の見る夢
posted with amazlet at 17.02.21
桐野 夏生
講談社
売り上げランキング: 23,134

これまでで一番愛おしい男を描いた――桐野夏生

自分はかなりのクラスに属する人間だ。
大手一流銀行の出身、出向先では常務の席も見えてきた。実家には二百坪のお屋敷があり、十年来の愛人もいる。
そんな俺の人生の歪(ひず)みは、社長のセクハラ問題と、あの女の出現から始まった――。
還暦、定年、老後――終わらない男”の姿を、現代社会を活写し続ける著者が衝撃的に描き切る!
週刊現代読者の圧倒的支持を得た人気連載が、ついに書籍化!


登場人物のみんながみんなこの上なく身勝手で、何事をも自分に都合のいいように解釈し、それがさも当然のごとく自分以外の人たちに責任を押しつける。始終ぷんぷん憤りながら、どこかで懲らしめられるだろうかとどんどん読み進めたが、最後の最後まで変わることがなく、これはこれでいっそのこと見事と言ってもいい。愉しいとは言えないが、なぜか読後感はさほど悪くない一冊である。

遠い唇*北村薫

  • 2016/12/05(月) 19:15:44

遠い唇
遠い唇
posted with amazlet at 16.12.05
北村 薫
KADOKAWA (2016-09-30)
売り上げランキング: 11,443

小さな謎は、大切なことへの道しるべ。
ミステリの巨人が贈る、極上の“謎解き”7篇。

■「遠い唇」
コーヒーの香りでふと思い出す学生時代。今は亡き、姉のように慕っていた先輩から届いた葉書には、謎めいたアルファベットの羅列があった。
■「解釈」
『吾輩は猫である』『走れメロス』『蛇を踏む』……宇宙人カルロロンたちが、地球の名著と人間の不思議を解く?
■「パトラッシュ」
辛い時にすがりつきたくなる、大型犬のような同棲中の彼氏。そんな安心感満点の彼の、いつもと違う行動と、浴室にただよう甘い香り。
■「ビスケット」
トークショーの相手、日本通のアメリカ人大学教授の他殺死体を目撃した作家・姫宮あゆみ。教授の手が不自然な形をとっていたことが気になった姫宮は、《名探偵》巫弓彦に電話をかける――。

全7篇の、一筋縄ではいかない人の心と暗号たち。
解いてみると、“何気ないこと”が光り始める。


さまざまな趣向の七編である。宇宙人目線に妙に納得させられたり、懐かしい顔(?)を見られてにんまりしたり。謎自体にもやさしさがあり、人が死んだとしても、なぜか品の良さが感じられる。著者らしい一冊でもある。

バラカ*桐野夏生

  • 2016/06/29(水) 18:42:38

バラカ
バラカ
posted with amazlet at 16.06.29
桐野 夏生
集英社
売り上げランキング: 14,035

私の「震災履歴」は、この小説と共にありました。
重力に逆らい、伸びやかに書いたつもりです。
まだ苦難の中にいる人のために、ぜひ読んでください。 桐野夏生

今、この時代に、読むべき物語。
桐野文学の最高到達点!

震災のため原発4基がすべて爆発した! 警戒区域で発見された一人の少女「バラカ」。彼女がその後の世界を変えていく存在だったとは――。
ありえたかもしれない日本で、世界で蠢く男と女、その愛と憎悪そして勇気。想像を遥かに超えるスケールで描かれるノンストップ・ダーク・ロマン!

子供欲しさにドバイの赤ん坊市場を訪れる日本人女性、酒と暴力に溺れる日系ブラジル人、絶大な人気を誇る破戒的牧師、フクシマの観光地化を目論む若者集団、悪魔的な権力を思うままにふるう謎の葬儀屋、そして放射能警戒区域での犬猫保護ボランティアに志願した老人が見つけた、「ばらか」としか言葉を発さない一人の少女……。人間達の欲望は増殖し、物語は加速する。そして日本は滅びに向かうのだろうか――。
桐野夏生が2011年夏から4年にわたって、危機的な日本と並行してリアルタイムに連載してきた作品が、震災から5年を経た今、ついに書籍化!


読む前には、「バラカ」が女の子の名前だとは思わなかった。しかも、ドバイのスーク(市場)で売られている子どもはみなこの名前で呼ばれているのだという(イスラム教で「神の恩寵」という意味だそうではあるが……)。東日本大震災、福島第一原発事故以後、現実からほんの小さい角度でずれた未来の物語であるが、そのずれはどんどん広がっていく。ただ、こうであったかもしれない世界が描かれることで、その恐ろしさは容易に想像できるものとなり、より現実感を伴う物語になっている。バラカの出自、原発事故のその後の悲惨さ、反発する勢力間の駆け引き、インターネットの拡散力、誰がほんとうの味方なのか皆目わからない不信感。さまざまな要素が盛り込まれているが、唯一バラカだけが揺らがない印象である。いちばん非力で心細いはずのバラカの強さはどこからくるのだろうか。自分がどこから来て、誰なのかを知りたいという強い欲求と、穏やかなしあわせを手にしたいという強い思いが彼女を支えていたのかもしれない。他人事とは思えないあまりに悲惨な一連の出来事のあとで描かれるエピローグに救われる思いである。これからバラカが穏やかに笑って暮らせますようにと切に祈る一冊である。

中野のお父さん*北村薫

  • 2015/11/17(火) 17:19:29

中野のお父さん
中野のお父さん
posted with amazlet at 15.11.17
北村 薫
文藝春秋
売り上げランキング: 14,777

出版界に秘められた“日常の謎”は解けるのか!?体育会系な文芸編集者の娘&定年間際の高校国語教師の父。


出版社に勤める田川美希の元に持ちあがる出版界の謎を、中野の実家の父に相談すると、父が豊富な知識と知恵で解き明かしてくれる、という日常の謎物語である。体育会系の娘・美希の魅力と、探偵役としての博識の父の魅力、そしてなにより、父娘の関係のあたたかさが魅力的な一冊である。

不愉快犯*木内一裕

  • 2015/11/09(月) 16:59:03

不愉快犯
不愉快犯
posted with amazlet at 15.11.09
木内 一裕
講談社
売り上げランキング: 84,128

人気ミステリー作家、成宮彰一郎の妻が行方不明になった。事件性が高いと見た三鷹署の新米刑事ノボルは、先輩刑事の佐藤とともに捜査を開始。次々に容疑者候補が浮かぶ一方、警視庁本部の組対四課や捜査一課も事件に関与してくる。「どうせなら死んじゃっててくんないかなぁ…」不愉快な言動を繰り返す夫、成宮の真意とは―。完全犯罪を「完全」に描き切る、前代未聞の傑作ミステリー!


ミステリ作家が自ら考えた完全犯罪の完全さを証明すべく策を練り、犯行後の体験をも自分の次回作に生かそうとする物語である。そもそも主人公の作家・成宮彰一のキャラクタや考え方が、極めて身勝手で不愉快である。もちろんそれが著者の狙いであるので、まんまと成功していると言える。たとえ罪に問われなくても、これ以上ないほど心証は悪いのは当然である。だが、思わぬ人物が思わぬ反応をすることで、心の揺れが一瞬露わになるところは、少なからず胸がすき、その後の刑事の対応も応援したくなる。だが結局はどんな罪に問われようと、反省することはないのだろうな、と思えて後味はよくない。ラストのエピソードが唯一の救いである。絶対に現実にあってほしくない一冊である。

OUT-AND-OUT*木内一裕

  • 2015/09/11(金) 07:29:25

アウトアンドアウト (100周年書き下ろし)
木内 一裕
講談社
売り上げランキング: 543,173

自称・探偵の矢能が突然呼び出された先で目撃したのは、依頼人の死体と覆面姿の男。銃を向ける覆面男の意外な行動に、矢能は窮地に追い込まれる。周到に用意を重ね、完璧にやり遂げた殺人。予期せぬ闖入者が現れたが、無事に問題を処理した。はずだった。成功の喜びの直後、若き殺人者に絶望が訪れる。あの男は何者なんだ。


ハードボイルド探偵物語である。元やくざの矢能が陥った不可解な状況と、恩義に駆られて引き受けざるを得なかった殺人者、預かっている小学生の娘、やくざの組織、政治家。さまざまな人々の思惑と欲得をかいくぐって、何が真実かを見極めつつ、ターゲットを追いつめていくのが見事である。矢能の心がたどり着いたところがほっとさせられる一冊である。

抱く女*桐野夏生

  • 2015/08/29(土) 14:16:16

抱く女
抱く女
posted with amazlet at 15.08.29
桐野 夏生
新潮社
売り上げランキング: 8,454

この主人公は、私自身だ――。1972年、吉祥寺、ジャズ喫茶、学生運動、恋愛。「抱かれる女から抱く女へ」と叫ばれ、あさま山荘事件が起き、不穏な風が吹く七〇年代。二十歳の女子大生・直子は、社会に傷つき反発しながらも、ウーマンリブや学生運動には違和感を覚えていた。必死に自分の居場所を求める彼女は、やがて初めての恋愛に狂おしくのめり込んでいく――。揺れ動く時代に切実に生きる女性の姿を描く、永遠の青春小説。


高野悦子氏の『二十歳の原点』と同じ空気が重たく流れている(考えていることはまったく違うとしても)。その時代に生きていなければわからない時代そのものの空気なのだろうが、この空気の中で学生時代を過ごさなくて済んで幸運だった。訳知り顔で何かに倦んだような怠惰さを身にまとい、自堕落を絵に描いたような日々を送る学生たち。自分たちの未熟さを微塵も解っていないのが――時代の風潮だとしても――鼻につく。読んでいる間中、胸のなかが澱んでいて息苦しいほどだった。ただ、そのころと現在とで何かが変わったかと問われると、形は違えど本質は何も変わっていないような気もして憂鬱になる。別世界に逃げ出したくなるような一冊だった。

天鬼越(あまぎごえ)*北森鴻 浅野里沙子

  • 2015/02/20(金) 17:10:09

天鬼越: 蓮丈那智フィールドファイルV天鬼越: 蓮丈那智フィールドファイルV
(2014/12/22)
北森 鴻、浅野 里沙子 他

商品詳細を見る

真贋など、どうでもいい。何故偽書が作られたのか。重要なのはそれだけだ。奇怪な祭祀「鬼哭念仏」に秘められた巧緻なトリック。都市に隠された「記号」の狭間に浮上する意外な真相。門外不出の超古代史文書に導かれた連続殺人――。氷の美貌と怜悧な頭脳をもつ異端の民俗学者・蓮丈那智が快刀乱麻を断つ。単行本未収録の二編に、幻のプロットに基づく書下しなど新作四編を加えた民俗学ミステリー。


表題作のほか、「鬼無里(きなさ)」 「奇偶論(きぐうろん)」 「祀人形(まつりひんな)」 「補堕落(ふだらく)」 「偽蜃絵(にせしんえ)」

急逝された北森氏が残した七割方できていたプロットをパートナーであった浅野氏が完成させるという夢のような企みによってできあがったのが本作である。もう会えないと思っていた連丈那智や内藤三國にまた会うことができ、あのクールさと鋭い洞察力を目の当たりにすることができて満足である。三國がいつもよりも認められている気がしなくもないが、それはたぶん彼の成長の証であろう。どきどきするような一冊だった。

夜また夜の深い夜*桐野夏生

  • 2015/01/04(日) 17:15:57

夜また夜の深い夜夜また夜の深い夜
(2014/10/08)
桐野 夏生

商品詳細を見る

私は何者?私の居場所は、どこかにあるの?どんな罪を犯したのか。本当の名前は何なのか。整形を繰り返し隠れ暮らす母の秘密を知りたい。魂の疾走を描き切った、苛烈な現代サバイバル小説。


自分の名前が舞子であること、一緒に暮らす母が日本人であること、それ以外は何も知らず、日本に行ったこともない。世界のあちこちに移り住み、ひとところに長居することもなく、それぞれの地で違う名を名乗り、親しい友人も作らない。国籍もIDもない、根なし草のような暮らしを続けていたある日、マイコはMANGA CAFFEのチラシをもらう。そこで日本の漫画に出会い、夢中になるうち、少しずつ自分の在りようについて考えるようになり、やがて家を出ることになる。それからナポリの街でマイコのサバイバルが始まるのである。この物語は、それらのことを、マイコが自分の境遇と似ていると親近感を持った七海という女性に宛てて手紙に書く、という体裁を取っているので、読者はマイコの客観的な思いを手紙を通して知ることができるのである。マイコの出自を含め、物語がどう展開し、どこに落ち着くのか、なかなか予想できずに読み進んだが、ラストは以外にあっけなかったようにも思われる。だが、マイコにも母にも物語の先があるのだと思うと、少しでも穏やかに、と願わずにはいられない。激動の一冊だった。

ほどのよい快適生活術--食べる、着る、住む*岸本葉子

  • 2014/11/06(木) 06:47:13

ほどのよい快適生活術---食べる、着る、住むほどのよい快適生活術---食べる、着る、住む
(2011/01/15)
岸本 葉子

商品詳細を見る

昭和に探す「ほどのよい」暮らし、レンタサイクルで半日旅etc.頑張りすぎず、欲張りすぎず、“ほどほど”がちょうどいい…。おひとりさまも楽しい、快適で上手な暮らし方。


生きているということは、何につけても選択の連続だと思う。そしてその際の迷いどころ、悩みどころ、選択の基準はそれこそ人それぞれで、何に優先権を与えるかに正解はない。我身と引き比べて、ここでこれは選ばないなぁとか、そうそうやっぱりそれを選ぶわよねとか、著者と一緒になってあれこれと悩むのが面白い。高望みせず、ほどほどに、けれど快適に日々を暮していきたいものだと改めて思わされる一冊である。

江戸の人になってみる*岸本葉子

  • 2014/08/04(月) 21:14:34

江戸の人になってみる江戸の人になってみる
(2014/07/11)
岸本 葉子

商品詳細を見る

「宵越しの金」はいらない?長屋での一人暮らしは快適?今の時代と、どちらが楽しそう?駒込の富士塚、山王祭、お月見、鷲神社の酉の市…『絵本江戸風俗往来』を片手に江戸を追体験。エッセイストが誘うお江戸案内にして、年中行事カレンダー。


「お江戸の一年」では、年中行事の主なもの――それでもほんの一部だろうが――を追体験すべく、季節ごとに様々な場所に出かけ、江戸の人たちの様子を思い描きながら自らの足で歩き、感じたことを感じたままに語っている。その場に立ってみて初めてわかることごともあり、江戸っ子気質の一端を知ることができたりもするのが興味深い。そして、「お江戸の一日」では、江戸の人たちの日々の暮らしの中の素朴な疑問に答えてくれていて、これまたとても興味深い。江戸の人が現代にやってきたとしたら、どんな感想を持つのだろう、とちょっと考えてしまう。やたらに窮屈だったりするのではないだろうか。江戸の風物をちらっと覗き見ているような愉しい一冊である。

八月の六日間*北村薫

  • 2014/07/20(日) 17:04:18

八月の六日間八月の六日間
(2014/05/29)
北村 薫

商品詳細を見る

0歳目前、文芸誌の副編集長をしている“わたし”。ひたむきに仕事をしてきたが、生来の負けず嫌いと不器用さゆえか、心を擦り減らすことも多い。一緒に住んでいた男とは、3年前に別れた。そんな人生の不調が重なったときに、わたしの心を開いてくれるもの―山歩きと出逢った。四季折々の山の美しさ、怖ろしさ。様々な人との一期一会。いくつもの偶然の巡り合いを経て、心は次第にほどけていく。だが少しずつ、けれど確実に自分を取り巻く環境が変化していくなかで、わたしは思いもよらない報せを耳にして…。生きづらい世の中を生きる全ての人に贈る“働く山女子”小説!


「九月の五日間」 「二月の三日間」 「十月の五日間」 「五月の三日間」 そして表題作である「八月の六日間」

読み始めて、著者は北村薫氏ではなく、40代の女性エッセイストだったかと、思わず表紙を見直してしまった。山登りの経験はないので、その辺りのリアルさは判らないが、それでも、装備やらルートやら、山小屋でのあれこれやら、体験した人でないと判らないような臨場感が漂っている。荻原浩氏オバサン説(わたしが勝手に思っているだけだが)に加えて、北村薫氏女性説も唱えたくなる。それを抜きにしても、三年間一緒に暮らした男性と離れ、仕事で責任ある立場になり、古くからの心を許せる友人を喪い、心細さと力強さの間で揺れ動く女性の姿が目の前に立ち上ってくるようで見事である。読んでいる間、くっきりと彼女が目の前にいると思える一冊である。

幸せは97%で*岸本葉子

  • 2014/04/13(日) 16:49:19

幸せは97%で (中公文庫)幸せは97%で (中公文庫)
(2014/02/22)
岸本 葉子

商品詳細を見る

煮た油あげのほのかな甘みにうっとり、同窓会を前にウキウキ、ドキドキ?動物柄の針山は刺すのにためらう…。世の中が激変しても静かに年を重ねる幸せをかみしめたい。悪戦苦闘しながらも優しい眼差しで悲喜こもごもの日常を綴る。単行本『「こつこつ」と生きたい』に続くブログを元にした文庫オリジナル・エッセイ集。


日々のこと、はまっている食べもののこと、仕事のこと、季節のこと。震災のその日そのとき、そしてその後のことごと。
祈り、戒め、悩み、だがしっかりとひとつひとつを味わい暮らす。親しみの湧く一冊である。

空き家再生ツアー*岸本葉子

  • 2014/03/01(土) 16:53:36

空き家再生ツアー空き家再生ツアー
(2010/11/02)
岸本 葉子

商品詳細を見る

人気エッセイストの初の連作小説集。 50歳、独身、ひとり暮らし。人生の曲がり角を迎えた女性たちが人生を見つめ直し模索する、それぞれのこれから。人気エッセイスト初めて挑戦した連作小説集。


初の小説とのこと。初めは、短編集かと思ったのだが、連作になっていて、より愉しめた。職場やプライベートでの、50代の独身女性の微妙な立場や、他人に向ける視線の複雑さが絶妙に描かれていると思う。新しいことを始めるには勇気がいるくらいには歳を重ねてきているし、さりとてこのままで人生終わらせるのももったいない。生きること死ぬことを考える微妙な年代が50代ということだろう。気の合う同世代がいたとしても、突き詰めれば人間独りなのだよなぁと思わされもする一冊である。

買わずにいられる?*岸本葉子

  • 2014/02/28(金) 18:45:20

買わずにいられる?買わずにいられる?
(2011/09/21)
岸本 葉子

商品詳細を見る

「岸本さんって買い物にいろいろと悩んで、念入りに研究して、そんでもって失敗して、ほんと可笑しい!」と大評判だった『買おうかどうか』の第2弾! 今度はネットオークションに初挑戦(そして挫折!?)や宿の予約サイトなど、時流にのってネット関係も豊富。とっても愉快な一冊です。


著者が、お店やカタログや、インターネット上の情報を、微に入り細を穿つように眺め、比べている姿が思い浮かんで、思わず頬が緩んでしまう。だが、こんなにも入念に下調べをしているにもかかわらず、大事な情報を見逃したりしていて、苦笑いも出てしまうのである。そしてやはり、こだわりどころが自分とは違うのが面白くもある。いまも、欲しいものの情報を懸命に見比べているところかもしれないと想像すると、なんとなくしあわせな心地になる。ふふふな一冊である。