四雁川流景*玄侑宗久

  • 2010/08/16(月) 16:49:05

四雁川流景四雁川流景
(2010/07)
玄侑 宗久

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出逢い、別れ、そして流れゆく、川の水の如き群像の心。僧侶にして芥川賞作家がおくる、鮮烈な「一期一会」の作品集。


「Aデール」 「残り足」 「布袋葵」 「地蔵小路」 「塔」 「スクナヒコナ」 「中洲」

四雁川の周りに暮らす人々を主人公にした短編集である。
四雁川で繋がっているというだけで、登場人物たちにはなんの関わりもないのだが、同じ川を身近に感じながら生きているという背景が、全体の雰囲気を作り上げているように思われる。それぞれの物語のなかで、人々は自分に与えられた人生を健気に生きている。取り立てて華々しい出来事や事件があるわけではないが、人々の暮らしぶりのひたむきさが胸に迫る一冊である。

陰日向に咲く*劇団ひとり

  • 2006/07/12(水) 19:26:40

☆☆☆・・

陰日向に咲く 陰日向に咲く
劇団ひとり (2006/01)
幻冬舎

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すごい。圧倒され、心から泣かされた。お笑いブームなどはるかに飛び越えた才能と可能性がこの美しい物語の中に在ると思う。きっと買いかぶりでなしに。――大槻ケンヂ

こんなに笑えて、胸が熱くなって、人間が愛しくなる小説に出会ったのは何年ぶりか。文体のリズムとバランスも完璧。そして行間にきらめく毒気のある才能。とにかく読んでみて。ぶったまげるよ。――山田宗樹
  ――帯より


道草・拝啓、僕のアイドル様・ピンボケな私・Over run・泣き砂を歩く犬、という5つの連作短編集。そして最後に、陰日向に咲く。

初めの方の章では、同じ人物が顔を出すゆるい連作かと思っていた。が、もっともっと周到に考えられた深さだった。人生の物語と言ってもいいかもしれない。一度終わったかに見せて、最後の最後の見開き2ページの「陰日向に咲く」でそれは見事にすべてが繋がり、涙が押し寄せてくる。そうか、そうだったのか!
そして、駄目押しのようなほんとうに最後の一文である。

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