仮面病棟*知念実希人

  • 2016/11/08(火) 16:43:41

仮面病棟 (実業之日本社文庫)
知念 実希人
実業之日本社
売り上げランキング: 4,384

療養型病院に強盗犯が籠城し、自らが撃った女の治療を要求した。事件に巻き込まれた外科医・速水秀悟は女を治療し、脱出を試みるうち、病院に隠された秘密を知る―。閉ざされた病院でくり広げられる究極の心理戦。そして迎える衝撃の結末とは。現役医師が描く、一気読み必至の“本格ミステリー×医療サスペンス”。著者初の文庫書き下ろし!


先輩医師の代役で療養型の田所病院の宿直に入った外科医の速水は、とんでもないハードな一夜を過ごすことになる。その顛末の物語である。発端は、近所で起きたコンビニ強盗が、人質に取った女性を銃で撃ち、その治療を要求して病院に押し入ってきたことだった。速水が処置し、女性は大事には至らなかったが、強盗犯は朝まで病院に居座るという。さらに、騒ぎを聞きつけて姿を現した院長の田所の不審な様子から、病院には何らかの秘密が隠されていると予想した速水は、被害者の川崎愛美とともに、秘密を探ろうと動き、ピエロの仮面をかぶった強盗犯との心理戦と相まって、緊張感が高まってくる。ただ、特殊な病院故ということもあり、秘密のエレベーターがあったり、隠し部屋があったりと、完全な密室ではなく、行動に疑問を抱かせる人物もいたりして、なんとなく結末の予測がついてしまうのは、残念でもある。病院の秘密は驚愕に値するもので、こちらの要素をもっと掘り下げたら面白いかもしれないとも思う。速水が肝心なところで意識をなくしているのも、いささか都合がいい印象ではある。実写化したら面白いかもしれない一冊である。

ニュースキャスター*筑紫哲也

  • 2004/11/14(日) 22:11:15

☆☆☆・・


 初めて現場から語る「ニュースキャスター論」。
 かつて新聞、雑誌の記者・編集者であった著者が、
 テレビのニュース報道という未知の世界に飛び込み、
 そこで何を見、何を考え、何に苦悩してきたか。
 「ニュース23」の創設から現在にいたる経緯を、
 自らの体験を軸に書き綴った迫真のノンフィクション。
 数々の事件、自己、災害、政局・・・。
 激動する時代と斬り結びながら、一般の視聴者には
 知ることのできないテレビニュース報道の舞台裏を活写する。
 そして、ニュースキャスターとは一体、何者なのか!?

                       (文庫見返しより)


報道の形、ということを思わずにはいられなかった。
新聞 対 テレビ はもちろんのこと、テレビの中にも 当然ながら さまざまな伝え方があるのだ。同じ素材でも 切り込み方・味付けによって 見る側には全く別のものになってしまう恐れもあるのだ、と 改めて番組作りの難しさをも思わされた。

そんな中にあって、同じ報道番組のキャスターを10年以上の長きに渡って務めるというのは 並大抵のことではないだろうと容易に察せられる。
ご本人は謙遜して書いておられるが、それは筑紫哲也という人が ご自分の立ち位置を常に明確にしておられるゆえだろう。

それにしても、生放送の報道番組の綱渡り感を毎日しのぐというのは どれほど神経をすり減らすことだろうか・・・と想像すると気が遠くなる。