増山超能力師大戦争*誉田哲也

  • 2017/07/30(日) 18:22:14

増山超能力師大戦争
増山超能力師大戦争
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誉田 哲也
文藝春秋
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ここは、超能力が事業認定された日本。いまや超能力関連の科学技術は国家レベルの重大機密情報となっている。そんななか、最先端の技術開発に携わっている人物が行方不明に。本人の意志なのか、はたまた海外の産業スパイによる拉致なのか。「面倒くさい」が口癖の一級超能力師・増山圭太郎が調査を開始すると、所員や家族に魔の手が迫る…。

超能力にまつわる機械を開発していた技術者が行方不明に。増山が調査を始めると、所員や家族に魔の手が……。大好評シリーズ第二弾。


なんだか見事にドラマにやられたようで、ずっとそのイメージで読んでしまった。ドラマの役がはまっていたということかもしれない。
今回は、いろいろな意味で危ない話が多い。命の危険さえ伴う案件だし、超能力師の存在そのものにもかかわる。そして、増山の妻・文乃、さらには娘のアリスのこれからのことにまで、危惧は広がる。また、「めんどくさいなぁ」が口癖の増山の実力を思い知らされる場面もあり、魅力はいや増すのである。増山超能力師事務所のメンバーの個性もあちこちで発揮され、ことに、唯一無能力者の事務員・朋江さんの察しの良さはかっこよすぎて惚れる。次作の主役はアリスだろうか、と心配とともに愉しみなシリーズである。

穂村弘の、こんなところで。*穂村弘 荒木経惟

  • 2016/11/24(木) 07:10:53

穂村弘の、こんなところで。
穂村 弘
KADOKAWA (2016-09-29)
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誰よりも輝いているあの人たちに、いまいちどききたい。

輝いている人は、人に見せない“芯” がある。
歌人・穂村弘が贈る、いま最も活躍している41人との刺激的なトークセッション。
写真・題字:荒木経惟


資生堂の花椿に掲載された対談をまとめたものだそうである。さまざまなジャンルで活躍する人たち――雑誌の性格上か女性が多いが――と著者が向き合い、いま訊きたいことを問いかけていくという趣向。第一線で活躍している人たちは、さすがに切り返しがお見事で、それぞれのプロフェッショナル感に感心させられる。著者は今回はインタビュアーという立ち位置なので、エッセイに見られる不思議ちゃん感はずいぶん薄いが、それでも、反応する場所が独特なこともあったりして、穂村ファンにも愉しめる。荒木経惟のモノクロ写真と、それにぶつけたようなカラフルな絵の具が、各人の個性を一瞬で切り取っているようで目を瞠る。隙間時間にも愉しめる一冊だった。

硝子の太陽 Rouge*誉田哲也

  • 2016/09/19(月) 16:38:36

硝子の太陽R-ルージュ
硝子の太陽R-ルージュ
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誉田哲也
光文社
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姫川玲子×〈ジウ〉サーガ、衝撃のコラボレーション、慟哭のルージュサイド!

祖師谷で起きた一家連続殺人の捜査本部に加わった姫川班。
有効な手がかりや証言のない難しい捜査だが、捜査一課に復帰して間もない玲子の日々は充実していた。そのはずだった……。
緻密な構成と驚愕の展開、著者渾身の二大ヒットシリーズ競演!


先に読んだ、Noirの事件と複雑に絡まり合い、日米地位協定に阻まれた過去の惨殺事件まで掘り起こしながら、物語は進み、部下を巻き込むまいとする姫川の相変わらずとも言っていい独走もあり、ガンテツとの駆け引きもあり、見せ場がたくさんあってスリリングである。女性であるということをマイナスにとらえるわけでもなく、かと言ってプラスにしきれるわけでもない姫川玲子という個性が、やはりこのシリーズにはなくてはならないと改めて感じさせられる。決して沈着冷静なわけではなく、時にエキセントリックで扱いづらくもあり、危うげでもあるのだが、それでも一度心を決めたときの強さは、誰にも負けない。菊田を始め、周りを固める男性刑事陣も、それぞれ個性的で魅力的である。悲しい結果も招いてしまったが、道筋に光が見えたのも確かである。姫川にはいつまでも闘ってほしいと思う反面、力を抜いて安らげる場ができればと望む思いも強くなるシリーズである。

硝子の太陽 Noir*誉田哲也

  • 2016/09/14(水) 17:05:16

硝子の太陽N - ノワール
誉田 哲也
中央公論新社
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沖縄での活動家死亡事故を機に「反米軍基地」デモが全国で激化した二月、新宿署の東弘樹警部補は「左翼の親玉」を取り調べることに。その直後、異様な覆面集団による滅多刺し事件が起こる。被害者は歌舞伎町セブンにとってかけがえのない男。社会に蔓延る悪意の連鎖を断ち切るべく、東とセブンの共闘が始まる!


東弘樹警部補と歌舞伎町セブンの物語である。姫川玲子のシリーズ(Red)とのコラボということらしいが、姫川は、ちょこっと顔を出す程度で、物語の本筋には絡んでこない。暴力シーンは何度読んでも惨たらしすぎて、途中でページを閉じたくなるし、現実にこれが許されたら空恐ろしいと思ってしまうが、陣内たちに時に肩入れしてしまうのも事実である。沖縄の基地問題に絡めた一連の事件。現地と東京の認識の差や、沖縄のもどかしさも伝わってくる。いつも途中で目を背け、読むのをやめようと思っても読み切ってしまうシリーズである。

鳥肌が*穂村弘

  • 2016/08/05(金) 09:40:09

鳥肌が
鳥肌が
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穂村 弘
PHP研究所
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小さな子供と大きな犬が遊んでいるのを見るのがこわい。自分以外の全員は実は……という状況がこわい。「よそんち」の不思議なルールがこわい。赤ちゃんを手渡されると、何をするかわからない自分がこわい……。
日常の中でふと覚える違和感、現実の中に時折そっと顔を覗かせる「ズレ」、隣にいる人のちょっと笑える言動。それをつきつめていくと、思わぬ答えが導き出されていく。こわいから惹かれる、こわいからつい見てしまう。ただ、その裏にあるものを知った時、もう今まで通りではいられない!?
ユーモア満載で可笑しいのに、笑った後でその可笑しさの意味に気がついたとき、ふと背筋が寒くなる。そんな42の瞬間を集めた、笑いと恐怖が紙一重で同居するエッセイ集。
カバーの触感、スピンなど、祖父江慎氏による、さらに「違和感」を増幅させる、一風変わった装丁にも注目!


まず目を引かれる、というかあれっと思わされるのは、装丁の触感である。祖父江慎氏が手掛けたと知って、なるほど、と納得した。タイトルと見事に連動していて、ほかにも仕掛けがないかと思わず探してしまう。中身は、いつもの著者である。肯かされることも多々あり、それはちょっと極端に過ぎないか、と思わされることもあり、いつもながらになかなか興味深い。その人なりの引っ掛かりポイントが、必ずあるはずで、無意識にしていることが、もしかすると非常識なのでは?とぞくっと鳥肌が立ちそうにもなる一冊である。

プラージュ*誉田哲也

  • 2016/02/07(日) 17:12:03

プラージュ
プラージュ
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誉田 哲也
幻冬舎
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あるシェアハウスに住む、厄介者たちの物語。 悪と正義、法と社会、加害者と被害者……。
読む者の常識や既成概念を揺るがす、新たなエンターテイメント小説。
たった一度、魔が差した結果、仕事も住む場所も失ったサラリーマンの貴生。やっと見つけたシェアハウス「プラージュ」で、人生やり直す決意をするも、個性豊かな住人の面々に驚かされることばかりの毎日。さらに、一人の女性住人にあることを耳打ちされて……。
住人たちのそれぞれの秘密が明かされる時、新たな事件が起きる。


「海辺」という意味のプラージュという名のカフェ。その二階は、ドアのないシェアハウスになっていて、脛に傷もつ面々が暮らしている。事情はそれぞれだが、互いに詮索せず、自立に向けて一時期をそこで過ごすために、オーナーの潤子が用意した場所である。一緒に暮らすうちに、少しずつ見えてくる互いの事情、そして過去からの呪縛。罪と罰、更生と世間の目、そして何より自分の気持ち。そんな一筋縄ではいかない日々が、淡々と描かれている。なにが正しいのか、どうするのが正解なのか。それに答えが与えられることはないのかもしれないが、プラージュが寄る辺なく流れつく人々の海辺になったことは確かだろうと思われる。罪は許されないとしても、人が変わることのできる可能性は誰にも否定できるものではないのかもしれない。早いうちからずっとそこを流れていた疑問は、最後近くに解決され、予想の範囲だったが、その事実にも胸が痛む。誰にも、あしたも生きようと思えるきょうがあってほしいという思いがこみ上げてくる一冊である。

にょにょにょっ記*穂村弘 フジモトマサル

  • 2015/10/16(金) 12:32:02

にょにょにょっ記
にょにょにょっ記
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穂村 弘 フジモト マサル
文藝春秋
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元気さの単位を考えたり毛布の中の見つからない穴を探したりと、日々順調に妄想と詩想の間をさまよい歩く穂村弘。日記という日常の記録が、言葉の鬼才の脳内を通りぬけ、ぴかぴかに結晶、ビザールかわいい一冊に。本作から共著者となったフジモトマサルの漫画も増量です。


もちろん相変わらず文句なく面白い。そしてなんだか前作よりも頷く場面が多くなった気がして、自分――いままでこれが自分だと思っていた自分――のことがちょっぴり信じられなくなったりもする。でも嬉しい。フジモトマサル氏の絵と相まって、穂村ワールド、ますますほのぼのしている印象の一冊である。

武士道ジェネレーション*誉田哲也

  • 2015/10/03(土) 07:29:17

武士道ジェネレーション
誉田 哲也
文藝春秋
売り上げランキング: 4,387

あれから六年、大学を卒業した早苗は結婚。香織は、道場で指導しながら変わらぬ日々を過ごすが、玄明先生が倒れ、桐谷道場に後継者問題が―。剣道女子を描く傑作エンタメ、六年ぶりの最新刊。


磯山さんと(特に)早苗の状況は六年前とはそれぞれ変わり、二人の関係も武士道をめぐる鍔迫り合いから、互いを思いやる大人の関係性に少しずつシフトしていて、純粋無垢な武士道魂のぶつかり合いを期待すると、不意を突かれた感じになるかもしれないが、それはそれぞれが成長しているし、立場も変わってきているのだから当然のことだろうと思う。ただ、現代の時流に物申したい著者の思いを早苗に託すのは、いささか無理があるのでは、と思わなくもない。そのためのジェフの登場?という気分にもなる。桐谷道場存続のための秘策は、ジェフでなくても成立したのではないかとも思うが、ともかく、桐谷道場にとって最善の道を歩めることになったのはよかった。付け足し感がなくもないが愉しめる一冊ではあった。

インデックス*誉田哲也

  • 2015/01/18(日) 09:08:59

インデックスインデックス
(2014/11/14)
誉田 哲也

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池袋署強行犯捜査係担当係長・姫川玲子。所轄に異動したことで、扱う事件の幅は拡がった。行方不明の暴力団関係者。巧妙に正体を隠す詐欺犯。売春疑惑。路上での刺殺事件…。終わることのない事件捜査の日々のなか、玲子は、本部復帰のチャンスを掴む。気になるのは、あの頃の仲間たちのうち、誰を引っ張り上げられるのか―。


姫川玲子シリーズである。所轄でも相変わらず周りに迎合せず煙たがられてもいる玲子だが、直感とも言える捜査をして成果はあげている。傷を負った心を宥めきれずに肩肘張って生きる姿もすっかり板についた印象である。ただ、かつての仲間たちとのような関係性はどこへ行ってもなかなか望めない。毎日のように起こる事件に当たる様子も常に玲子らしくてわくわくするのだが、最後の最後にあの人が登場したときにはなぜか涙が出てきた。これはぜひ本部に復帰してのちも読みたいものである。まだまだ続いてほしいシリーズである。

蚊がいる*穂村弘

  • 2014/09/06(土) 16:35:17

蚊がいる (ダ・ヴィンチブックス)蚊がいる (ダ・ヴィンチブックス)
(2013/09/13)
穂村弘

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日常生活の中で感じる他者との感覚のズレ、居心地の悪さ、「ある」のに「ない」ことにされている現実……なぜ、僕はあのとき何も云えなかったのだろう。内気は致命的なのか。自称“ふわふわ人間"穂村弘のあたふたっぷりに共感しつつ、その鋭い自分観察と分析は、まさに“永久保存用"の納得感。
フリーマガジン『L25』で連載していた「蚊がいる」、読売新聞「○○のマナー」、週刊文春「かゆいところがわからない」、文芸誌『GINGER L.』の「この辺に埋めた筈」などの人気連載に、ピース・又吉直樹との対談を加えて刊行。
装丁=横尾忠則


折しもデング熱騒動のさなかの現在、いささか物騒なタイトルではある。だがもちろん、デング熱とは露ほどの関わりもない。相変わらず全開のほむほむ節が小気味よい。肯ける部分が多いのはいいことなのかどうなのかは別として、ついつい、そうそう、と膝を打つことも多い。世渡り下手なすべての人に勇気を与える一冊である。ピースの又吉さんとの対談も、うっすらとテンションが低くて好みである。

夜は終わらない*星野智幸

  • 2014/09/05(金) 07:09:00

夜は終わらない夜は終わらない
(2014/05/23)
星野 智幸

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婚約者が自殺したとの一報が入った玲緒奈。千住警察署で悲しみにくれる彼女には、次に殺さなくてはならない別の婚約者がいた。セックスや結婚を餌に次々男を惑わし、財産を巻き上げ、証拠を残さず葬り去るのが日常なのである。そんな玲緒奈には不思議な癖があるのだった。
「生きてる意味があることを証明しないと。ね? 私が夢中になれるようなお話をしてよ」
あの世に送る前、男に語らせるのだ。それは、生い立ちでも、創作した話でも構わない。面白いかどうか、で命の長さが決まっていく。最期の気力を振り絞り話を続ける男たち。鬼気迫るストーリーが展開され、物語のなかの登場人物がまた別の話を語り始めたり、時空を超えた設定のなかにリアルなものが紛れ込んだり……全体の物語のなかにさまざまな短篇が入りくみ、海へと流れる大河として眺望できる大傑作。


男を喜ばせておいて、次々に殺していく女の物語。プロローグではこれ以上ないほど現実的で、これから始まる物語は、玲緒奈と警察の追いかけっこと、彼女の行動の理由を解き明かすものだと想像したのだが、まったくそんな型にはまったものではなかった。初めの内は、まだ現実的なのだが、いつの間にか、男たちに語らせる物語と現実の間に境界がなくなり、物語なのか、男たちの過去のことなのか、それとも玲緒奈自身のことなのか、もしかするとそのすべてなのか判然としなくなり、読者も語られる世界に連れ去られてしまうのである。さまざまな話が語られるのだが、どれもが同じ物語であるようにも思われ、どんなに遠くまで行っても知らぬ間にいまいる場所に戻ってきているような時空を飛び越えた不思議な感覚もある。事件に関しては何の解決もされないので、玲緒奈がそうなっていくのかは想像するしかないのだが、永遠に物語を追い求めて曖昧な境界の世界をさまよい続けるようにも思われる。ほとんど久音の部屋にいたにもかかわらず、あまりにも遠い所へ行き、精神的にも肉体的にも激しい体験をして疲れ切って眠りたいような一冊である。

ケモノの城*誉田哲也

  • 2014/07/05(土) 13:58:10

ケモノの城ケモノの城
(2014/04/18)
誉田 哲也

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ある街で起きた監禁事件。保護された少女の証言に翻弄される警察。そんな中、少女が監禁されていたマンションの浴室から何人もの血痕が見つかった―。あまりにも深い闇に、果たして出口はあるのか?小説でしか描けない“現実”がここにある―。圧倒的な描写力で迫る衝撃のミステリー。


眉を顰めずには読めない描写が随所に出てきて、何度も本を閉じたくなった。こっち系の誉田作品はいささか苦手ではあるが、真相を知りたい欲求が今作では嫌悪感に勝ったと言える。起こっていることが尋常ではないにもかかわらず、渦中の人たちが、犯人を含めてなぜか静かに見えてしまう。それが恐怖のあまり服従せざるを得ないという感じでもなく、精神の根幹から支配され尽くしているといった印象で、そうなる原因をも知りたくなる。こんなことは小説のなかだけのことだと思いたいが、それに近い事件が実際に起きていることを考えると、なおさら背筋が凍る心地である。行われていることそのものよりも、それをしている人間の在りように震えがくる一冊である。

人魚猛獣説 スターバックスと私*穂村弘

  • 2014/04/30(水) 16:49:06

人魚猛獣説―スターバックスと私人魚猛獣説―スターバックスと私
(2009/12)
穂村 弘

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人気歌人・穂村弘がスターバックスの謎に迫る。


2008年のクリスマスにスターバックス コーヒー ジャパンのWebサイトで連載した「スターバックス三十一文字解析」に加筆・修正して、一冊にまとめたものだそうである。
一般から募ったスターバックスについての短歌や、熱く語られたコメント欄の内容などを織り交ぜながら綴られる、スターバックスと著者の関係など。いつもの自意識過剰気味の反応も微笑ましいが、ある種、スターバックスあるあるのようでもあって、自分にも当てはまることがたくさんあって笑ってしまう。いますぐスターバックスに行ってみたくなる一冊である。

武士道エイティーン*誉田哲也

  • 2014/02/18(火) 17:04:05

武士道エイティーン武士道エイティーン
(2009/07)
誉田 哲也

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高校時代を剣道にかける、またとない好敵手。最後の夏、ふたりの決戦のとき。新進気鋭が放つ痛快・青春エンターテインメント、いよいよ天王山!わたしたちは、もう迷わない。この道をゆくと、決めたのだから。


シリーズ完結編らしい。「武士道シックスティーン」は読んだ気がしていたのだが未読だった?そうだったかなぁ……?読んでいないとしても、キャラクタに親しみを感じるのはなぜだろう。女子高生と武士道という、一見相容れないような両者が見事にマッチして、気持ちの好い青春物語になっている。現代の多くの女子高生とは似ても似つかなそうな彼女たち――ことに磯山香織――だが、進路の悩みや友人との関係の悩みは共通するところもあり、愛おしくもなる。桐谷道場の過去や、福岡南高校剣道部の顧問・吉野先生の過去が挟み込まれているのも興味深く、物語の奥行きを深く濃くしている。まさに痛快青春エンターテインメントといえる一冊である。

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Qros(キュロス)の女*誉田哲也

  • 2014/02/04(火) 17:02:19

Qrosの女Qrosの女
(2013/12/12)
誉田 哲也

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「週刊キンダイ」芸能記者の矢口慶太は、CMで話題沸騰中の美女「Qrosの女」の正体を探るが、核心に迫る情報を得られない。ようやくCMで彼女と共演した俳優・藤井涼介のネタを仕入れたので、先輩記者の栗山にサポートしてもらい、藤井の自宅を張り込む。すると「Qrosの女」とおぼしき人物を発見!それは偶然?それとも仕組まれた罠?芸能記者、ブラック・ジャーナリスト、そしてヤクザも!?ネット情報に踊らされながら、思惑が交錯し、驚愕の真相へ。


ファストファッションの一大ブランド「Qros(キュロス)」のCMに出ている美女は、名前も素性も謎に包まれている。それ故話題が話題を呼び、巷では彼女の噂で持ちきりである。ネットでももちろん、目撃情報や噂がまことしやかに書き込まれているが、次第にエスカレートし、ストーカーまがいの者が出たり、盗撮する者が現れたりし始める。そんな彼女を巡って、業界人たちの思惑も様々で、あちこちで駆け引きや取引が行われもする。本人の戸惑いや困惑と、一般人の無責任な噂話、そして彼女を取り巻く業界の思惑が三つ巴になっていて、興味を惹きつけられる。ラストでは真犯人も暴き出され、思ってもいなかった落としどころにすとんと落ち着くのだが、人間の欲の深さや恐ろしさをも感じさせられる。ネットと人間の怖さを思い知らされる一冊でもある。