桜風堂ものがたり*村山早紀

  • 2017/08/26(土) 16:34:39

桜風堂ものがたり
桜風堂ものがたり
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村山 早紀
PHP研究所
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百貨店内の書店、銀河堂書店に勤める物静かな青年、月原一整は、人づきあいが苦手なものの、埋もれていた名作を見つけ出して光を当てるケースが多く、店長から「宝探しの月原」と呼ばれ、信頼されていた。しかしある日、店内で起こった万引き事件が思わぬ顛末をたどり、その責任をとって一整は店を辞めざるを得なくなる。傷心を抱えて旅に出た一整は、以前よりネット上で親しくしていた、桜風堂という書店を営む老人を訪ねるために、桜野町を訪ねる。そこで思いがけない出会いが一整を待ち受けていた……。
一整が見つけた「宝もの」のような一冊を巡り、彼の友人が、元同僚たちが、作家が、そして出版社営業が、一緒になってある奇跡を巻き起こす。『コンビニたそがれ堂』シリーズをはじめ、『花咲家の人々』『竜宮ホテル』『かなりや荘浪漫』など、数々のシリーズをヒットさせている著者による、「地方の書店」の奮闘を描く、感動の物語。


風早の老舗百貨店にある、やはり老舗の銀河堂書店と、近郊の過疎化が進む桜野町の桜風堂書店、そして、書店や出版にまつわる人々の物語である。出版業界や書店の日々の仕事の苦労や喜び、書店員さんたちの本に対する愛情や熱意が、読み手にもしっかり伝わってくる。読後は、書店の見方が変わってくるかもしれない。そして書店の物語というだけではなく、生きていくうえで、居場所があるということの大切さや、言葉で伝えることのむずかしさと必要性、認めることと認められること、差させ合い助け合うことのすばらしさ、などなど、たくさんのことを考えさせられる一冊でもある。

コンビニたそがれ堂 祝福の庭*村山早紀

  • 2017/07/28(金) 19:22:32

コンビニたそがれ堂 祝福の庭 (ポプラ文庫ピュアフル)
村山 早紀
ポプラ社 (2016-12-02)
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本当にほしいものがあるひとだけがたどりつける、不思議なコンビニたそがれ堂。北国の高校を卒業し、いまは街角の洋品店で働くつむぎが、たそがれ堂で手にしたものは―。かつて諦めてしまった夢の続きを描いた「ガラスの靴」、老いた人気漫画家と少女の交流がユーモラスな「神様のいない家」、サンタクロースに手紙を書いた少年たちの物語「祝福の庭」。すべてを突き抜けてあふれだす魔法のようなきらめきと温もり、大人気シリーズ第六弾!


今回は、一冊まるごとクリスマスである。いまは真夏なので、季節が逆ではあるが、クリスマスには祝福がとても似合う。赤い鳥居の向こうのコンビニたそがれ堂も、今回はクリスマスのきらびやかなディスプレイになっているのがちょっぴり可笑しい。でも、相変わらずおでんとお稲荷さんなのは、コンビニたそがれ堂ならではだと安心したりもする。クリスマスは特に、人と人との結びつきのことを思う季節だという気がする。そしてコンビニたそがれ堂のお客たちが買い求めたものも、大切な人との結びつきを確かめるのに役に立っている。気持ちを持って、あるいは無意識に、助けたり助けられたり。人はひとりでは生きていけないものだと、あたたかい気持ちで思わされる一冊である。

コンビニたそがれ堂 星に願いを*村山早紀

  • 2017/06/22(木) 19:52:33

(P[む]1-3)コンビニたそがれ堂 星に願いを (ポプラ文庫ピュアフル)
村山 早紀
ポプラ社
売り上げランキング: 251,530

大事な探しものがある人だけがたどり着ける、不思議なコンビニたそがれ堂。
今回のお客様は、お隣のお兄ちゃんに告白したくてがんばる少女、
街角で長くコーヒーをいれてきた喫茶店のマスター、
子どもの頃、変身ヒーローになりたかった会社員......
夜空の星に切なる願いをかけた時、やさしい奇跡が起こる----。
つまずきがちな毎日に涙と笑いを運んでくれる、好評シリーズ第3弾。


コンビニたそがれ堂に行き着くまでの、異界に迷い込むような非日常的な警戒感はだいぶ薄れてきたし、長い銀髪に金色の瞳の店員さんもすっかり親しい存在になっているが、それでもたそがれ堂が特別な存在であることは疑いもない。必要としている人が、ちゃんと必要なものを手に入れ、それが結局は、自分のため人のために役立つことになるのである。たそがれ堂に行き着くまでの胸の裡の葛藤や切なさ、やるせなさが強いほど、たそがれ堂に行き着けたときに(読者は)ほっとする。これで何とか打開できる、と。だが、主人公たちにとってはここからが本番とも言えるのだ。ひとつとして同じ解決法はないが、みんな等しくあたたかい気持ちになるのである。読んでいるこちらまでやさしい気持ちになれるシリーズである。

コンビニたそがれ堂 神無月のころ*村山早紀

  • 2017/06/16(金) 16:58:43

(P[む]1-11)コンビニたそがれ堂 神無月のころ (ポプラ文庫ピュアフル)
村山 早紀
ポプラ社
売り上げランキング: 51,753

本当にほしいものがあるひとだけがたどりつける、不思議なコンビニたそがれ堂。今回は、化け猫「ねここ」が店番として登場!遺産相続で廃墟のような洋館を譲り受けた女性と忘れられた住人たちの物語「夏の終わりの幽霊屋敷」、炭坑事故で亡くなった父と家族の温かな交流を描いた「三日月に乾杯」など、ちょっぴり怖くてユーモラスな5つの物語を収録。深い余韻がいつまでも胸を去らない、大人気コンビニたそがれ堂シリーズ、第5弾!


今回は、たそがれ堂の店主・風早三郎は店を開けていて、ねここがアルバイトの店番である。不思議と訪れた人がつい胸の中のもやもやを聞いてもらいたくなるのである。そして、少しだけ胸の裡を軽くして帰っていくのだ。ねここちゃん、なかなか向いているかもしれない。ほんとうに欲しいものが何かわからずにやってくるお客さんも、その人がほんとうに求めているもの、その人に本当に必要なものを手に入れて帰っていくのである。初めは、異界に迷い込むような怖さもあったが、読んでいるうちに、この世になくてはならないもののように思えて、愛すべきものになっている。コンビニたそがれ堂で出てくる食べ物や飲み物が、どれもとてもおいしそうなのもなんとも惹かれる。いつまでもいつまでも読み続けたいシリーズである。

コンビニたそがれ堂 空の童話*村山早紀

  • 2017/06/12(月) 07:24:38

(P[む]1-7)コンビニたそがれ堂 空の童話 (ポプラ文庫ピュアフル)
村山 早紀
ポプラ社 (2013-01-04)
売り上げランキング: 80,907

本当にほしいものがある人だけがたどり着ける、不思議なコンビニたそがれ堂。今回はその昔小さな出版社から刊行された幻の児童書『空の童話』をめぐって、優秀な兄に追いつこうと頑張ってきた若い漫画家の物語、なぜかおやゆび姫を育てることになった編集者の物語、閉店が決まった老舗の書店の書店員と謎めいたお客様たちの物語、そして老いた医師が語る遠い日の夜桜の物語の四作を収録。感動の声が続々寄せられる大人気シリーズ、待望の第四弾。


今回は『空の童話』という児童書がキーになっている。いまでは書店に並ばなくなった『空の童話』にまつわる登場人物それぞれの記憶と、その物語に触れたときの感情が、大人になり、乗り越えるべきものに行き当たったときによみがえってくる様子が、手に取るように伝わってきて、主人公と同じように胸が熱くなる心地である。大切なものは、ただそこにあるだけではなく、見えないところで誰かが守ってくれているのだという、忘れがちなことを思い出させてもくれる。どれも切なくあたたかく、やはり必ず一度は泣かずにいられないシリーズである。

コンビニたそがれ堂 奇跡の招待状*村山早紀

  • 2017/06/04(日) 16:56:28

(P[む]1-2)コンビニたそがれ堂 奇跡の招待状 (ポプラ文庫ピュアフル)
村山 早紀
ポプラ社
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大事な探しものがある人だけがたどり着ける、不思議なコンビニたそがれ堂。ミステリアスな店長が笑顔で迎えるのは、大好きな友だちに会いたいと願う10歳のさゆき、あるきっかけからひきこもりになってしまった17歳の真衣、学生時代の恋をふと思い出した作家の薫子…そこで彼女たちが見つけるものとは?ほのかに懐かしくて限りなくあたたかい4編を収録したシリーズ第2弾、文庫書き下ろしで登場。


「雪うさぎの旅」 「人魚姫」 「魔法の振り子」 「エンディング~ねここや、ねここ」

どれも切ない物語である。主人公はみんな健気で、一生懸命考えている。それでもうまくいかずどうにもならないことがある。そんなときに現れるのが「コンビニたそがれ堂」なのである。その人が必要な時に、必要なものを手に入れることができる。そして、進むべき道へといざなってくれるのである。ここに行き着くまでの苦しみと、これで何かいい方向に向かうに違いないという安堵、そしてどんな風にして道が開けるのかを見守っていると、必ず一度は涙でページが見えなくなる。行ってみたいような、行かずに済むならそれがいちばんなような「コンビニたそがれ堂」。不思議な魅力の一冊である。

コンビニたそがれ堂*村山早紀

  • 2017/05/25(木) 20:29:37

(P[む]1-1)コンビニたそがれ堂 (ポプラ文庫ピュアフル)
村山 早紀
ポプラ社
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駅前商店街のはずれ、赤い鳥居が並んでいるあたりに、夕暮れになるとあらわれる不思議なコンビニ「たそがれ堂」。大事な探しものがある人は、必ずここで見つけられるという。今日、その扉をくぐるのは・・・・・・? 慌しく過ぎていく毎日の中で、誰もが覚えのある戸惑いや痛み、矛盾や切なさ。それらすべてをやわらかく受け止めて、昇華させてくれる5つの物語。


表題作のほか、「手をつないで」 「桜の声」 「あんず」 「あるテレビの物語」 エンディング~たそがれ堂

元々児童書だったものを、大人向けにするために加筆修正をしたものらしい。必要のある人にだけ見つけることができるちょっと不思議なコンビニ「たそがれ堂」。そこにいけば、欲しいものが必ず見つかるのである。そしてそれは、その人が心に抱えているさまざまな気持ちを温かく包み込んでくれる。ついほろりとさせられる一冊である。

コンビニ人間*村田沙耶香

  • 2017/02/18(土) 20:37:35

コンビニ人間
コンビニ人間
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村田 沙耶香
文藝春秋
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36歳未婚女性、古倉恵子。大学卒業後も就職せず、コンビニのバイトは18年目。これまで彼氏なし。日々食べるのはコンビニ食、夢の中でもコンビニのレジを打ち、清潔なコンビニの風景と「いらっしゃいませ!」の掛け声が、毎日の安らかな眠りをもたらしてくれる。ある日、婚活目的の新入り男性、白羽がやってきて、そんなコンビニ的生き方は恥ずかしいと突きつけられるが…。「普通」とは何か?現代の実存を軽やかに問う衝撃作。第155回芥川賞受賞。


幼いころから「普通」という括りに入らず、周りから疎まれていた古倉恵子は、なるべく外界と関わらないように生きてきたが、大学生の時偶然出会ったコンビニでアルバイトを始める。そこでは、指示通りに行動していれば、「コンビニ店員」として生きていけると悟った彼女は、日々指示通りに真面目に働くのである。コンビニには、自分を必要としてくれる人がいて、社会の歯車として誰かの役に立つことができるのである。常識とか普通といわれる価値観が備わっていない人間の生きづらさと、周囲の無理解が浮き彫りにされている。自分の価値観で他人を量っている限り、無意識に誰かを傷つけていることもあるのかもしれないと思わされもする。理解できるとは言えないが、閉ざしてはいけないと思う一冊である。

しろいろの街の、その骨の体温の*村田沙耶香

  • 2016/03/30(水) 07:26:19

しろいろの街の、その骨の体温の
朝日新聞出版 (2013-03-11)
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クラスでは目立たない存在である小4の結佳。女の子同士の複雑な友達関係をやり過ごしながら、習字教室が一緒の伊吹陽太と仲良くなるが、次第に伊吹を「おもちゃ」にしたいという気持ちが強まり、ある日、結佳は伊吹にキスをする。恋愛とも支配ともつかない関係を続けながら彼らは中学生へと進級するが――野間文芸新人賞受賞、少女の「性」や「欲望」を描くことで評価の高い作家が描く、女の子が少女に変化する時間を切り取り丹念に描いた、静かな衝撃作。


小学4年生という、ことに女子にとっては自分の躰のなかで起こる激動に心がついていかずにあたふたする年頃である。男子との精神年齢のギャップもいちばん目立つ頃ではないだろうか。そんな年頃の自意識過剰の結佳と、まだまだまったくのお子ちゃまの伊吹との歪んだ関わり、表皮だけでつきあう級友たち、クラス内カーストを必要以上に意識し、蔑まれながらもあらゆる人たちを見下すという複雑な精神構造。描かれることすべてに思い当たることがある人も少なくないことと思う。もちろん程度の差はあるが。それにしても伊吹がひとり――空気を読めないのか、一瞬にして全体の空気を読めすぎるのか――超越していてかっこよすぎる。舞台設定も見事だと思う一冊である。

ギンイロノウタ*村田沙耶香

  • 2016/03/29(火) 13:26:18

ギンイロノウタ
ギンイロノウタ
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村田 沙耶香
新潮社
売り上げランキング: 466,045

私となんの関係もないあなたを、私は殺したい。ブログで、書評で、注目度No.1の新鋭、最新作品集。


表題作のほか、「ひかりのあしおと」

初読みの作家さんである。好みが分かれるという評判は聞いていたけれど、さもありなんという感じ。思春期の、自分で自分を制御しきれず、自分の躰の中で何かが暴れ出して、皮膚を突き破って出てきそうな焦燥感とか歯がゆさとか、いらだちなどが、とても適切に描かれていて、この年齢で読むから訳が分かるけれど、思春期ど真ん中の人たちが読んだらどんな感想を抱くのか、気になるところでもある。大人との関係や、自分の存在そのものに対する懐疑。程度の差こそあれ誰しも通ってくる道である。大多数は、なんでもないことのような外側をしてやり過ごすのだろうが、それができない不器用さで真正面から立ち向かう姿は痛ましくも逞しい。人の成長っていろいろ大変なのだと改めて思わされる一冊でもある。

お任せ数学屋さん*向井湘吾

  • 2015/05/19(火) 17:01:59

お任せ!  数学屋さん (一般書)
向井 湘吾
ポプラ社
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数学が苦手な中学二年生の遥の前に、不思議な転校生・宙がやってきた。「数学で世界を救うこと」が将来の夢だと語る彼は、ある日突然、どんな悩みでも、数学の力で必ず解決してくれるという、「数学屋」なる謎の店を教室内で開店する。はじめは遠巻きに見ていた遥も、店を手伝いはじめることに…。どんな相談事も華麗に解決していく二人だが、投書箱に届けられたある一通の悩み相談の手紙から、数学では解けそうにない「人の感情」という、超難問にぶつかることに。彼らは果たしてどんな答えを導くのか!?数学嫌いも夢中にさせる、感動の青春数学小説。


転校生、神之内 宙(じんのうち そら)は、どうやらかなり変わった人物のようである。いつも本を読んでいて、友人を作ろうともせず、暑いのに学ランのホックをすべて留め、どうやら本気で数学で世界を救おうとしているらしい。数学で悩みを解決する数学屋を始めた宙に、隣の席になった天野遥は、少しずつ彼に興味を抱き始め、それをきっかけに、遥の友だちとの接点もできるようになり、数学屋にも客が来るようになっていく。中学生活と人間関係に絡めて数学の面白さを描いているのだが、きゅんとさせられる場面も折り込まれ、愉しんで読める。宙くんが駆け抜けるようにいなくなってしまって寂しい一冊である。

お任せ!数学屋さん 2*向井湘吾

  • 2015/05/15(金) 18:47:14


「数学屋」にピンチ到来!?天才数学少年・宙と体育会系女子・遥の凸凹コンビが営んでいた、摩訶不思議なお店「数学屋」。日常の困り事から恋愛相談まで、中学の同級生から寄せられるどんな問題でも「数学」を使って華麗に解決してきた人気のお悩み相談所だったが、宙のアメリカへの転校によって最大の危機を迎える。宙の不在により、たった一人で「数学屋」を引き継ぐことになった遥の前に、一筋縄ではいかない難問が持ち込まれたのだった…


1から読んだつもりだったのに、うっかり2を先に読んでしまったので、初めから数学屋・宙(そら)くんはボストンに行ってしまっているし、これまでの経緯は判らないが、物語自体は一話完結的な作りになっているので、充分愉しめる。数学は基本的に苦手だが、数学の美しさと有用性がとてもよく伝わってきて、きゅんとさせる青春小説でありながら、ちゃんと出来事に決着もつけ、さらに数学の素晴らしさも啓蒙してしまうという盛りだくさんさが成り立っているのが見事である。魅力的な中学生たちの一冊である。

小福歳時記*群ようこ

  • 2014/02/13(木) 17:03:44

小福歳時記 (集英社文庫)小福歳時記 (集英社文庫)
(2013/07/19)
群 ようこ

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身だしなみの手を抜くと、おばさんではなく、なぜかおじさんに近づいてしまう50代。節分の豆を年の数だけ食べるのがきつくなり、体型崩壊により似合う服を探すのに四苦八苦、老後のための貯金はままならず…。思う通りにはならない人生、でもできないことはしょうがない。がんばらない、しがみつかない、無理しない。まずは身辺の小さなことからひとつずつ。さりげない日常を綴る極上エッセイ。


背伸びせず、ありのままのこのごろのことが綴られているようなエッセイである。思い当たること、身につまされることも多々あり、思わず「そうそう」と膝を打つことも度々である。物を減らす努力をしなくては、甘いものを食べすぎないようにしなければ、と自分に言い聞かせた一冊である。

財布のつぶやき*群ようこ

  • 2013/02/02(土) 20:49:28

財布のつぶやき      (角川文庫)財布のつぶやき     (角川文庫)
(2011/02/25)
群 ようこ

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50歳をすぎてようやく考えるようになったこと、それは老後の経済―。蓄えは実家の住宅ローンで消える運命にある。毎年の税金も悩みの種。老後に必要なお金を計置して愕然とし、家計簿をつけてはみたけれど、挫折の繰り返し。スーパーで小さな節約をしたのに、その直後に大散財。どんぶり勘定から脱却し、堅実な生活を送れるのはいつの日か?誰もが直面する「お金」の問題を、率直かつユーモラスに綴ったエッセイ集。


ある程度以上の年齢になると、財布のつぶやきも切実になる。それがよくわかるので、共感できる部分がたくさんあって、友人とお茶飲み話をしているような心地であった。ずぼら料理も楽チンながらおいしそうで、試してみたくなる。切実ながら愉しい一冊。