鍵のかかった部屋*貴志祐介

  • 2011/10/20(木) 21:09:53

鍵のかかった部屋鍵のかかった部屋
(2011/07/26)
貴志 祐介

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自称・防犯コンサルタント(本職は泥棒!?)榎本と、美人弁護士(実は天然!?)純子のコンビが、超絶トリックに挑む!貴志祐介にしか考えつけない、驚天動地の密室トリック4連発!密室ミステリの金字塔、ついに登場。


表題作のほか、「佇む男」 「歪んだ箱」 「密室劇場」

密室好き(?)の弁護士・青砥純子と怪しげな防犯コンサルタント・榎本が関わった四つの事件の物語である。純子が乗り出した事件の調査に榎本が助っ人に入り(あるいは偶然出くわし)、結局は榎本が、全面的に推理力と腕に覚えのある技術を駆使して謎を解き明かす、という趣向である。榎本が着目する真犯人の性格と密室トリックの必然性の関係には注目すべきところがある。だが、最後の物語にはちょっと物足りなさを感じてしまった。息が合っているのかいないのかよくわからないコンビだが、純子の天然振りがアクセントにもなっているのかな、という一冊である。

天使の囀り*貴志祐介

  • 2005/08/16(火) 08:28:57

☆☆☆・・



 『黒い家』を凌ぐ、大傑作
 現代社会の病根を抉りだす、前人未到の超絶エンタテインメント

 頻発する異常自殺事件!それは人類への仮借なき懲罰なのか。
 迫りくる死の予兆と快楽への誘惑。漆黒の闇から今、天使が舞い降りる。
 注目の気鋭が放つ、衝撃の問題作(書き下ろし)
       (帯より)


ホラーは苦手と言いつつつい手にしてしまう貴志祐介。
インターネット上に巧妙に仕掛けられた罠・人の弱い部分を巧みに刺激して付け入る卑劣さ・麻薬的快楽に陥る怖さ。そしてなにより、人間の奢りを根こそぎ覆す線虫のおぞましさ。
ラストに向かって少々急いだ感じがするのが少し気になったが、タイトルから想像する世界と、物語のなかの現実とのギャップの激しさには言葉を失う。

黒い家*貴志祐介

  • 2005/04/13(水) 18:28:16

☆☆☆・・


 第4回 日本ホラー小説大賞受賞作
 人はここまで悪になりきれるのか?
 人間存在の深部を襲う戦慄の恐怖。
 巨大なモラルの崩壊に直面する日本。黒い家は来るべき破局の予兆なのか。
 人間心理の恐ろしさを極限まで描いたノンストップ巨編。
 「ホラー小説界にまたまた出現した今世紀最強の銃弾!

                    (帯より)


子どもは保険金欲しさに自殺を装わされて殺されたのか?
殺したのはなさぬ仲の父親?それとも・・・。
保険金支払い査定の現場で働く若槻が、ある日受けた一本の問い合わせの電話が、考えてみればこの物語のきっかけであった。

 「保険金いうのは、自殺した時でも出ますんか?」

そして、始まりはいつとも知れないのだ。

いつもの仕事の一環として関わったつもりが、実は巧みに利用されていたのではないかと気づくのは、もうほとんど事件が終わりかけているときだった。事件を起こした側と翻弄された側の双方の幼い頃の体験によるトラウマが複雑に絡み合い、緊張感を高めている。
荒唐無稽の怖さではなく、今にも身近に忍び寄ってきそうな温度のある怖さに震えながらページを捲った。

硝子のハンマー*貴志祐介

  • 2004/09/22(水) 19:45:01

☆☆☆☆・


 見えない殺人者の、底知れぬ悪意。
 異能の防犯探偵が挑む、究極の密室トリック。

 日曜の昼下り、株式上場を目前に、出社を余儀なくされた
 介護会社の役員たち。
 エレベーターには暗証番号、廊下には監視カメラ、有人のフロア。
 厳重なセキュリティ網を破り、自室で社長は撲殺された。
 凶器は。殺害方法は。すべてが不明のまま、逮捕されたのは、
 続き扉の向こうで仮眠をとっていた専務・久永だった。
 青砥純子は、弁護を担当することになった久永の無実を信じ、
 密室の謎を解くべく、防犯コンサルタント榎本径を訪れるが――。

                           (帯より)


幾重にも護られた密室。万全のセキュリティ。ほんの一握りの限られた人々以外、蟻の入り込む隙もなさそうに見える社長室である。だが、防犯コンサルタント・榎本は 忍び込みの技術を活かして次々とセキュリティを掻い潜る方法を見つけ出す。
読みながら 何度犯人に近づいたと思わされたことだろう。喜々として次の章に進むと そこに待っているのは推理や証拠の不備だったりするのだ。何度も推理の山を登り崩され、意外なところに辿り着く。
最後の最後にタイトルの意味がわかるのである。

青の炎*貴志祐介

  • 2003/12/20(土) 08:23:15

☆☆☆・・   青の炎

家族を護るため 最後まで護り切るために 完全殺人を目論む高校生の少年の物語。

理由はどうあれ 動機がどうあれ 越えてはいけない一線があることを 切なさと共に思い知らされる作品。

自分が手を染めたあらゆることは 様々に形を変えて 一つ残らず自分に帰って来るのだ。
この種の作品には 犯人側に罪があるのが明白でも つい 犯人側の思いに立ってしまいがちなものが多いが この作品では 何故か 少年の心に寄り添うことができずに読了した。

何故だろう?と考えを巡らしてみたが はっきりとした答えは見つけることができなかった。
ただ 【母と妹を護るため】という 動機と思考に なんとなく 綺麗事過ぎる欺瞞を感じたからかもしれない。

犯行前のシミュレーションでは 計り知れなかった重圧に苦しむ少年は それでもまだ 相当の罰を受けたとは言えないのだとも思う。

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