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マンボウ最後の大バクチ*北杜夫

  • 2010/02/12(金) 16:53:33

マンボウ最後の大バクチマンボウ最後の大バクチ
(2009/03)
北 杜夫

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まさかの「老年躁病」が突然発症!杖にすがっての珍道中が始まった!ギャンブル行脚は、競馬、競艇、カジノに及び、一喜一憂の日々が続く。しかしそれもつかの間の狂乱バブル。再び腰痛と鬱の後期高齢者に逆戻り…。爆笑最新エッセイ集。


80歳を過ぎて、長年の鬱から躁に転じた著者の、痛快エッセイである。子ども返りして駄々をこねてみたり、ギャンブルツアーに出かけてみたり。娘さんに操られているかに見えて、大喜びで同道するマンボウ先生の姿が目に浮かぶようである。腰は曲がり、腰痛もひどく、よろよろしている、などとおっしゃるが、まだまだお元気で読者を愉しませていただきたいものである。

消えさりゆく物語*北杜夫

  • 2006/02/04(土) 21:20:19

☆☆☆・・



短編と掌編が織り交ぜられた一冊。
都会・ドライブイン・シアター・茸・駿馬・みずうみ・夕日とひげ・消滅・水の音の8編。

エッセイかと思わせる風にはじまり、やがて奇妙な世界に入り込んでゆく物語が何編かつづき、そしてそのあとに、「死」を感じさせる小さな物語が配されている。
エッセイではないのだが、著者の心の奥をのぞいたような心持ちが いましている。

青年茂吉*北杜夫

  • 2004/06/02(水) 08:08:23

☆☆☆・・


 「赤光」「あらたま」時代――

 人間茂吉の知られざる生
 数々のエピソードを紹介しながら 
 どくとるマンボウが父茂吉の歌の魅力と、
 その背後にみなぎるエネルギーを浮き彫りにする。

                          (帯より)

齋藤茂吉を 父として尊敬し、歌人として愛好する 息子であり一文学者である北杜夫による「赤光」「あらたま」時代の茂吉随想とも言えるもの。
茂吉とその歌に関して書かれた幾多の文献から引用しつつ それについて語っていたり いささかの検証をしていたりもするが、要は北杜夫氏ご自身のお好きな歌に絡めたあれこれがいちばん多く語られている。
豪胆にして繊細な茂吉に より親しみを覚える。