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千の扉*柴崎友香
- 2022/06/20(月) 18:14:30
夫・一俊と共に都営団地に住み始めた永尾千歳、40歳。一俊からは会って4回目でプロポーズされ、なぜ結婚したいと思ったのか、相手の気持ちも、自分の気持ちも、はっきりとしない。
二人が住むのは、一俊の祖父・日野勝男が借りている部屋だ。勝男は骨折して入院、千歳に人探しを頼む。いるのかいないのか分からない男を探して、巨大な団地の中を千歳はさまよい歩く。はたして尋ね人は見つかるのか、そして千歳と一俊、二人の距離は縮まるのか……。
三千戸もの都営団地を舞台に、四十五年間ここに住む勝男、その娘の圭子、一俊、友人の中村直人・枝里きょうだい、団地内にある喫茶店「カトレア」を営むあゆみ、千歳が団地で知り合った女子中学生・メイ。それぞれの登場人物の記憶と、土地の記憶が交錯する。
柴崎友香テイスト満載の、なんてことのない人たちのなんてことのない日常が淡々と描かれ続ける物語ではあるのだが、いささか違っているのは、その場所に脈々と流れる時間が、さまざまなポイントで切り取られ、その場所に積もった地層のように、重層的に眺められるということだろう。いま見えている景色からは想像もできないような出来事があり、人も建物も道も、ここであってここではないような、異なる時間軸のなかにあるように思えてしまうが、現在は確実にそれらがあったからこそあるものなのだということが、淡々と描かれる故に沁み込んでくる。この物語の先にも、また別の時間が降り積もり、別の誰かが違った思いを抱えて生きていくのだろうと、想像できるようになる。場所と時間について思いを巡らせるきっかけをくれる一冊だった。
かわうそ堀怪談見習い*柴崎友香
- 2020/12/20(日) 16:44:18
百年と一日*柴崎友香
- 2020/10/27(火) 18:40:06
学校、島、家、映画館、喫茶店、地下街の噴水広場、空港…… さまざまな場所で、人と人は人生のひとコマを共有し、別れ、別々の時間を生きる。 大根のない町で大根を育て大根の物語を考える人、屋上にある部屋ばかり探して住む男、 周囲の開発がつづいても残り続ける「未来軒」というラーメン屋、 大型フェリーの発着がなくなり打ち捨てられた後リゾートホテルが建った埠頭で宇宙へ行く新型航空機を眺める人々…… この星にあった、だれも知らない、だれかの物語33篇。作家生活20周年の新境地物語集。
まず注目するのは目次である。ここだけで、すでに物語感満載で、ほとんどどんな物語なのか見当がつく。そして本編。見当をつけたとおりだったり、ちょっと予想を裏切られたりしながらも、そこでは人々が暮らし、出会い、別れ、再開したり、噂を耳にしたりしながら、時間が経過していく。ひとつずつは短い物語なのだが、その場所の歴史が濃密に詰まっているような充実感を味わえる。厳密にいえば違うのだが、ある意味定点観測のような、変わらなさと、変化の激しさのどちらもが、見事に両立している印象でもある。ただの記録のようでもあり、風景の写生のようでもあり、奥深い告白のようでもある。とても興味深い一冊である。
待ち遠しい*柴崎友香
- 2019/07/04(木) 18:46:27
住み心地のいい離れの一軒家で一人暮らしを続ける北川春子39歳。
母屋に越してきた、夫を亡くしたばかりの63歳、青木ゆかり。
裏手の家に暮らす現実的な今どきの新婚25歳、遠藤沙希。
年代も性格もまったく異なる3人の出会いから始まった、温かく、どこか嚙み合わない“ご近所付き合い"、その行方は――。
女も男も、人からは見えない、そしてジャッジすることのできない問題を抱えている。年齢や、生きる環境、価値観など、さまざまな違いを乗り越えて、人と人はほんとうに分かり合えるのか? 現代を生きる大人たちに贈る必読の一冊。芥川賞作家が描く新たな代表作!
日常生活を目に映るままに描き出すいつもの著者らしい書き方ではあるものの、登場人物各人がそれぞれに抱え、わざわざ言葉にして誰かに訴えかけるほどでもなく胸にもやもやと抱え続けている事々を、主人公の春子がそれぞれの立場に立って考えてみることで、浮き彫りにしていき、ひいては自らのもやもやにも形を与えることになっている。旧来の常識に当てはまらない生き方をしている人たちも、その常識を息をするように当たり前に思っている人たちも、それぞれが相手を思いやっているのだが、自分の価値観によるものなので、そこにうっすらとした違和感が生まれてしまうというのが、切なくもあるが、そのことを汲んでお互いを認め合えればいちばんいいのだろうな、ということが少しだけわかったような気がする。なんということのない日常のなかにもさまざまな感情の動きがあるのだと改めて思わせてくれる一冊だった。
公園へ行かないか?火曜日に*柴崎友香
- 2018/10/19(金) 07:34:33
アメリカにいるから、考えること。そこにいないから、考えられること。2016年11月8日、わたしはアメリカで歴史的瞬間に居合わせた、はずだった――。世界各国から作家や詩人たちが集まる、アイオワ大学のインターナショナル・ライティング・プログラムに参加した著者が、英語で議論をし、街を歩き、大統領選挙を経験した3ヶ月。現地での様々な体験から感じたことを描く11の連作小説集。
限りなくエッセイに近い小説集である。英語が自由に操れず、コミュニケーションが自在に取れないもどかしさの中、アメリカという国にいて、アメリカ以外から集まった作家たちそれぞれの背景や抱える問題、意識の違いなどがリアルにつづられていて興味深い。同じものごとを目にしても、それに対する反応や表現の仕方はさまざまで、それは個性であるとともに国民性でもあり、英語が不自由なゆえに、それらを静かに観察できている様子がよくわかる。日本を離れているから見えること、余計にわからなくなること、その揺らぎが伝わってきて、改めて考えさせられる。等身大の日々が伝わる一冊である。
つかのまのこと*柴崎友香 東出昌大
- 2018/10/08(月) 16:40:55
KADOKAWA (2018-08-31)
売り上げランキング: 18,174
かつての住み家であったのであろう、“この家”を彷徨い続ける“わたし”。その理由がわからないままに時は移り、家には次々と新しい住人たちがやってくる。彼らを見守り続ける“わたし”は、ここで、いったい何を、誰を待っているのか―。俳優・東出昌大をイメージして作品を執筆、さらに写真家・市橋織江がその文学世界を撮影した、“新しい純文学”。
東出昌大さんを想定して書かれた物語ということである。どうやら幽霊として、ある古い日本家屋に住み着いている男の目を通してみた日常の風景。当て書きというだけあって、折々に挿みこまれる写真が、物語と一体になって、胸のなかがたいそう穏やかになる気がする。窓も開けていないのに、ふと空気の流れを感じるとき、もしかすると人ならぬものが通って行ったのかもしれない、などと想像してしまいそうになる。変わっていくものと変わらずに在るもののことを考えてみたくなる一冊である。
千の扉*柴崎友香
- 2017/11/14(火) 18:37:46
夫・一俊と共に都営団地に住み始めた永尾千歳、40歳。一俊からは会って4回目でプロポーズされ、なぜ結婚したいと思ったのか、相手の気持ちも、自分の気持ちも、はっきりとしない。
二人が住むのは、一俊の祖父・日野勝男が借りている部屋だ。勝男は骨折して入院、千歳に人探しを頼む。いるのかいないのか分からない男を探して、巨大な団地の中を千歳はさまよい歩く。はたして尋ね人は見つかるのか、そして千歳と一俊、二人の距離は縮まるのか……。
三千戸もの都営団地を舞台に、四十五年間ここに住む勝男、その娘の圭子、一俊、友人の中村直人・枝里きょうだい、団地内にある喫茶店「カトレア」を営むあゆみ、千歳が団地で知り合った女子中学生・メイ。それぞれの登場人物の記憶と、土地の記憶が交錯する。
都会のマンモス団地の扉の内側には、扉の数以上の違う人生がある。そんな当たり前のことが、何とも不思議でかけがえのないことに思えてくる。現在進行形の登場人物たちの暮らしの狭間に、それぞれの来し方、ときどきの胸の裡が織り込まれることによって、生身の人間が生きていくことの一筋縄ではいかない様が、くっきりと浮き彫りにされる。著者流の淡々とした描写の中に、抱え込んだ屈託や、切実な願い、自分の内側への問いかけなどが詰まっていて、鼻の奥がつんとしてくる。大切なものを見逃がさないように丁寧に生きようと思わされる一冊でもある。
かわうそ掘り怪談見習い*柴崎友香
- 2017/04/02(日) 18:28:52
売り上げランキング: 54,003
わたしは「恋愛小説家」と肩書きにあるのを見て、今のような小説を書くのをやめようと思った。恋愛というものにそんなに興味がなかったことに気づいたのだ。そして、怪談を書くことにした。郷里の街のかわうそ堀に引っ越したが、わたしは幽霊は見えないし、怪奇現象に遭遇したこともない。取材が必要だ、と思い立ち、中学時代の同級生たまみに連絡をとった。たまみに再会してから、わたしの日常が少しずつ、歪みはじめる。行方不明になった読みかけの本、暗闇から見つめる蜘蛛、留守番電話に残された声……。そして、わたしはある記憶を徐々に思い出し……。芥川賞作家・柴崎友香が「誰かが不在の場所」を見つめつつ、怖いものを詰め込んだ怪談集。
成り行きで恋愛小説家と呼ばれるようになった女性作家・谷崎友希が主人公である。恋愛とは縁があるとは言えないので、怪談作家になろうと、怖い話を集めることにした。中学の同級生のたまみに話を聴いたり、たまみの紹介で酒屋の四代目に古地図を借りたりするのである。不思議で怖いことは案外身近なところに潜んでいて、怪談とは縁が薄いと思っている友希自身、実は普段から現実世界の隙間に入り込んでいるようにも見えるのが、いちばん不思議で怖い。突き詰めてしまえばなんということもないのかもしれないことが、中途半端に見たり聞いたりすることで、いくらでも恐ろしくなるのかもしれないとも思う一冊である。
パノララ*柴崎友香
- 2015/03/02(月) 06:57:35
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二八歳の田中真紀子は、友人のイチローから誘われ、彼の家に間借りすることになった。その家は建て増しを重ねた奇妙な家で、コンクリート三階建ての本館、黄色い木造の二階建て、鉄骨ガレージの三棟が無理やり接合されていた。真紀子はガレージの上にある赤い小屋に住むことに。イチロー父は全裸で現れるし、女優の母、無職の姉、モテ系女子の妹も一癖ある人ばかり。そんなある日、イチローは、自分はおなじ一日が二回繰り返されることがあると真紀子に打ち明けるのだった。芥川賞作家が放つ、新感覚パノラマワールド!
初めのうちは、いつものように淡々と特別に起伏があるわけでもない日常が描かれているのだが、ふとしたきっかけで間借りすることになった木村家の、一風変わった家族が住むつぎはぎの奇妙な家での暮らしが始まると、その家族それぞれの事情や存在感に巻き込まれながら真紀子の日々も微妙に変わっていく。しかも木村家の人たちはそれぞれに、いささか普通ではない力を持っていて、そのことに真紀子も初めの内こそ驚きはするけれど、さほど大きな反応をすることもなく、そのまま真紀子自身は淡々と日々を過ごしていく平坦な物語かと思って安心しきっていたら、彼女の身にもどういうわけか同じようなことが起こるのである。でもそれがおそらく真紀子にさまざまなことを気づかせてくれるきっかけにはなったのだろう。平坦ながらもきのうとは違う新しい世界に生まれたような印象もある。パノラマワールドというよりもパラレルワールドのような印象の一冊である。
きょうのできごと、十年後*柴崎友香
- 2014/10/08(水) 18:37:20
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十年前、京都の飲み会に居あわせた男女。それぞれの時間を生きた彼らは、30代になり、今夜再会する。せつなく、おかしい、奇跡のような一夜の物語。
九月二十一日 午後二時から、九月二十二日 午前一時までのひと晩の物語。何気ない日常を描かせたら天下一品の著者だが、本作はちょっぴり特別な一夜の物語である。そうは言っても、舞台設定が特別なだけで、集まった人たちのやりとりや心の機微の描かれ方は、さらりとさり気ない。それでいて繊細で深いのである。十年という月日がそれぞれにもたらした変化と、変わらない芯の部分が読んでいてなぜか切なくなる。この時点からの十年後もまたみてみたいと思わされる一冊である。
春の庭*柴崎友香
- 2014/08/31(日) 16:39:37
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第151回芥川賞受賞作。
行定勲監督によって映画化された『きょうのできごと』をはじめ、なにげない日常生活の中に、同時代の気分をあざやかに切り取ってきた、実力派・柴崎友香がさらにその手法を深化させた最新作。
離婚したばかりの元美容師・太郎は、世田谷にある取り壊し寸前の古いアパートに引っ越してきた。あるとき、同じアパートに住む女が、塀を乗り越え、隣の家の敷地に侵入しようとしているのを目撃する。注意しようと呼び止めたところ、太郎は女から意外な動機を聞かされる……
「街、路地、そして人々の暮らしが匂いをもって立体的に浮かび上がってくる」(宮本輝氏)など、選考委員の絶賛を浴びたみずみずしい感覚をお楽しみください。
読者がいつの間にか物語の世界に入り込んで、登場人物のひとりとして物語の中で生きているような心地になるいつもの柴崎作品とはいささか趣が違う。日常を描いている点は同じだが、その日常は誰にも覚えのあるものというわけではなく、ちょっと不思議な夢をみているような日常なのである。日々の暮らしのわずかな隙間から夢の中をちらりとのぞきこんでいるような、現実離れした感覚もある。同じ場所に立って、その場の歴史が躰をすり抜けていくのを目を閉じてやり過ごすような、タイムトラベルのような感覚もある。それでいて、そのほかはいたって現実的なのも対照的で面白い。ラストで時間も人間関係もぽんと別次元に飛んで行くようなのも不思議である。なぜかどきどきしてしまう一冊である。
星よりひそかに*柴崎友香
- 2014/05/24(土) 07:26:04
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彼の部屋でラブレターを見つけた女、好きな人だけに振り向いてもらえないOL、まだ恋を知らない女子高生、数カ月で離婚したバーテンダー、恋人に会えない人気モデル、元彼の妻のブログを見るのが止められない二児の母……。みんな"恋"に戸惑っている。
『きょうのできごと』から14年。恋とか愛とかよくわからなくなった"私たち"に、柴崎友香が贈る、等身大の恋の物語。
「五月の夜」 「さっきまで、そこに」 「ほんの、ちいさな場所で」 「この夏も終わる」 「雨が止むまで」 Too Late,Baby」 「九月の近況をお知らせします」
ゆるく繋がった連作集である。並んだタイトルだけ見ても著者らしく、何気ない日常を切り取っているのだろうな、という印象を持つ。自分の想いに戸惑い、もてあましながらも、日々の暮らしは、自分や自分を取り巻く人たちを漏れなくあしたへと運んでいく。流れには逆らわないが、たまにはどこかに引っかかったりしながら、少しずつ前に進んでいる。相変わらず、ちょっとした会話や反応が生きている。なんてことないのに惹きこまれる一冊である。
週末カミング*柴崎友香
- 2012/12/24(月) 17:13:54
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いつもより、少しだけ特別な日。週末に出逢った人たち。思いがけずたどりついた場所。あなたの世界が愛おしく輝く、8つの物語。第143回芥川賞候補作「ハルツームにわたしはいない」収録。
「蛙王子とハリウッド」 「ハッピーでニュー」 「つばめの日」 「なみゅぎまの日」 「海沿いの道」 「地上のパーティー」 「ここからは遠い場所」 「ハルツームにわたしはいない」
いつもながらに何気ない日常のなんてことない会話を描くのが上手な著者である。だが今作では、ほんの少しだけいつもと違う場所――空間的だったり時間的だったり心情的だったりはするが――に主人公たちはいるのである。少しだけいつもと違う景色を見、いつもと違うことを想い、ほんの少しだけいつもと違う自分を見つける。平日からみるとちょっぴり特別な感じのする週末の空気がそこここに流れている。あしたからまたいつもの平日が続いても、乗り切れるかもしれない、となんとなく思わせてくれる一冊である。
虹色と幸運*柴崎友香
- 2011/09/19(月) 16:41:42
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どうするかなー、今後の人生。そろそろなにか決めなきゃいけないかも。そんな年頃の同級生3人。明日に向かって一歩ずつ。三人三様の一年間。
大学の学務課に勤める本田かおり、大学の同級生でイラストを描いている水島珠子、かおりの高校の同級生で雑貨屋を始め、三児の母でもある春日井夏美。家庭環境も育った境遇も、現在の立場も暮らしもまったくと言っていいほど違っている三人の三月から翌年の二月までの物語である。待ち合わせて会ったときのそれぞれの印象や服装の描写、何気ない場面で交わされる何気ない会話、誰かが言ったことに対する感じ方などなど。とりとめなく並べられているようで、そのひとつひとつが重なり合い積み重なってそのときどきの輪郭が浮き上がってくる。着ている服の手触りやそのときの空気の匂いまで感じられるようなこまやかさである。著者の得意とするところだろう。三人三様の生き様とその距離感が好ましい一冊である。
よそ見津々*柴崎友香
- 2011/03/06(日) 08:20:35
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ここ5年の間に発表された90篇余りで編んだ初の本格エッセイ集。
東京の木、空の色、おいしいもの、洋服……透き通ったのびやかなまなざしが、ふだんの日々のくらしをいとおしいものに変えてくれます。そして注目は本の話。読めば必ず小説が好きになります。
1 東京の木/ 2 希望の場所/ 3 料理は、てきとうに塩梅に/ 4 ファッションの、なんとなく/ 5 本と映画と/ 6 小説を書くこと
六つの大枠のなかに、こまごまとしたあれこれが詰まっている。西の大都市大阪から東の大都市東京にやってきて、ふと感じたいろいろな場面での違いや、ひとり暮らしの日々のあれこれ、書評や映画評などなど。著者の小説の登場人物がそのまま街を歩いている目線を感じることができる心地になれる一冊である。愉しい。
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