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安達ヶ原の鬼密室*歌野晶午

  • 2007/02/10(土) 17:05:56

☆☆☆・・

安達ヶ原の鬼密室 安達ヶ原の鬼密室
歌野 晶午 (2003/03)
講談社

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太平洋戦争中、疎開先で家出した梶原兵吾少年は疲れ果て倒れたところをある屋敷に運び込まれる。その夜、少年は窓から忍び入る“鬼”に遭遇してしまう。翌日から、虎の像の口にくわえられた死体をはじめ、屋敷内には七人もの死体が残された。五十年の時を経て、「直観」探偵・八神一彦が真相を解明する。


『こうへいくんとナノレンジャーきゅうしゅつだいさくせん』
『The Ripper with Edouard――メキシコ湾岸の切り裂き魔』
という何の関係もないような話に前後を囲まれて、『安達ヶ原の鬼密室』はある。
前半部分を読んだだけでは、何のためにここにこの二話が置かれているのかさっぱり判らず、単に短編集なのかと思わされる。だが、最後まで読むとそうではなかったことが判るのである。
主幹部分の『安達ヶ原の鬼密室』は終戦直前に起きた奇怪な大量死事件の謎を、五十年後にひょんなことから解き明かすことになるのだが、探偵・八神一彦の事件に臨む姿勢が一風変わっている。推理が嫌いで、まず想像によってストーリーを作り上げ、あとから理由をつけようというのである。だが、半世紀も前の 記録も関係者の記憶もおぼろげな事件の謎に鮮やかなストーリーを与えた手腕はまったくもって見事としか言いようがない。

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