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ポーの話*いしいしんじ

  • 2007/03/08(木) 13:57:04

☆☆☆・・

ポーの話 ポーの話
いしい しんじ (2005/05/28)
新潮社

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あまたの橋が架かる町。眠るように流れる泥の川。太古から岸辺に住みつく「うなぎ女」たちを母として、ポーは生まれた。やがて、稀代の盗人「メリーゴーランド」と知りあい、夜な夜な悪事を働くようになる。だがある夏、500年ぶりの土砂降りが町を襲い―。いしいしんじが到達した、深くはるかな物語世界。2年ぶり、待望の書下ろし長篇。善と悪、知と痴、清と濁のあわいを描く、最高傑作。


うなぎ女たちの息子として生まれたポーの話。
母たちの愛に包まれて育った子どものときを過ぎ、成長とともに世の中のさまざまな物事に触れ、翻弄されながら少しずつ川を下り、とうとう海へとたどりつく。
いつでもどこでもなにをしていても ポーが母たちに愛されたポーであることには変わりがなく、自分の大切なものを大切にし、人が大切にするものも大切に思って生きている。
著者の作品にはいつも哲学的とも言えるなにかを感じるが、この作品にも生きていくうえでの根源的なありようとでもいうものを思わされる。泥にまみれた黒いポーと真っ白な鳩とが、全編に通底する生き方の真髄を象徴していて鮮やかである。

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