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太陽の塔*森見登美彦

  • 2007/03/27(火) 13:08:03

☆☆・・・

太陽の塔 太陽の塔
森見 登美彦 (2003/12/19)
新潮社

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京大5回生の森本は「研究」と称して自分を振った女の子の後を日々つけ回していた。男臭い妄想の世界にどっぷりとつかった彼は、カップルを憎悪する女っ気のない友人たちとクリスマス打倒を目指しておかしな計画を立てるのだが…。
2003年のファンタジーノベル大賞を受賞した本書は、読み手をとことん笑わせてくれる抱腹絶倒の物語だ。文体は古風でごつごつした印象を与えるものの、それに慣れるころには一文一文に笑いが止まらなくなり、主人公やその友人たちのとてつもないバカっぷりが愛らしくなるだろう。登場する男は皆個性的で、インパクトの強い変人ばかり。主人公につきまとわれる女子大生も普通ではなく、言葉遣いも行動も完全にズレていて、アニメのキャラクターのようなぶっ飛んだ魅力がある。物語のクライマックスまでたどり着いた読者にはさらなる大混乱が待っている。そのばかばかしさのスケールにとにかく圧倒されるはずだ。

男的な妄想をテーマにしながらも、読み手の性別を選ばないのも魅力のひとつだ。賞の選考委員である小谷真理に「一番強烈で、一番笑いこけた作品」と言わしめた本書。一歩間違えれば単なるストーカーの独白に終わりかねない設定だが、そんないかがわしい行為ですらジョークに変えるほどの力がこの作品にはある。

また、ユーモアに満ち満ちた物語の中に、詩的な美しい描写が織り込まれているのにも注目したい。突然そうした穏やかな文章に出会うことで、読み手は台風の目に入ったかのような静けさに包まれ、著者の文体に独特の温かみを感じることができるのだ。ユーモアばかりが注目されるが、そんな絶妙なバランス感覚こそが著者の本当の才能なのかもしれない。(小尾慶一)


帯に

10ページでヤミツキになる独特のリズム


とあるが、わたしはとうとう最後までこの文体に慣れることができなかった。この文体を受け容れられる人は、おそらく物語りも愉しめるのだろう、と思わないでもない。
男たちの偏り加減は言わずもがな、女子学生である水尾さんの不可思議さにどうにも寄り添うことができない。ファンタジーだからこそのこのキャラなのだろうか。そもそもこれがファンタジーなのかどうかも、わたしにはよく判らないのだった。

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hibidoku~日々、読書~
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太陽の塔 森見登美彦

装画は影山徹。装幀は新潮社装幀室。2003年「太陽の塔」で第15回日本ファンタジーノベル大賞を受賞しデビュー。主な作品「夜は短し歩けよ乙女」「四畳半神話大系」「きつねのはなし」「新釈走れメロス他四篇」など。主人

  • From: 粋な提案 |
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太陽の塔/森見登美彦

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  • From: hibidoku~日々、読書~ |
  • 2007/06/10(日) 10:04:57

「太陽の塔」森見登美彦

タイトル:太陽の塔 著者  :森見登美彦 出版社 :新潮社 読書期間:2007/07/28 - 2007/07/30 お勧め度:★★★ [ Amazon | bk1 | 楽天ブックス ] 何かしらの点で彼らは根本的に間違っている。なぜなら私が間違っているはずがないからだ、と宣う、ひねくれた学...

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  • 2007/09/25(火) 18:13:32

この記事に対するコメント

あらゆる本を読みこなすふらっとさんが、愉しめなかったというのは意外でした。
途中から妄想に慣れて、読み終えられた気がしています。

  • 投稿者: 藍色
  • 2007/04/03(火) 02:39:05
  • [編集]

ふふふ。
自分の頭の固さゆえなのだろうなぁ、とは思うのだけれど
どうにもこうにも最後までこの文体に馴染むことができませんでした。
そうすると あちこちがしっくり躰に入ってくれなくて
上滑りしてしまうような感じでした。
蒼井さんを読み始めのころに馴染めなかったのとはまた違う感じなので、ちょっと次へ行くのをためらっています。^^;

  • 投稿者: ふらっと
  • 2007/04/03(火) 06:49:00
  • [編集]

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