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みずうみ*いしいしんじ

  • 2007/04/09(月) 17:13:50

☆☆☆☆・

みずうみ みずうみ
いしい しんじ (2007/03/16)
河出書房新社

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ひとつだけ、教えてくれ。今日は、何月、何日だ――伸び縮みする時間の中で、みずうみは渦巻き、そして落ちていく。『ポーの話』から2年、待望にして著者最高の最新長篇小説!


著者が訪れた場所、著者の身に起こったことに触発されて生まれた物語だと どこかで読んだ憶えがある。初めて具体的な場所の名が書かれた作品でもある。しかしやはり、根底に流れるものは「いしいしんじ」の命なのである。
直前に読んだ『千年樹』荻原浩 著と底を流れるもののありようがあまりにも似ていて、まったく別の作品であるにもかかわらず 常に両方の物語の間をゆらゆらと揺れているような心地で読んだ。それぞれの著者にとっては不本意なことかもしれないが、奥深いところで両者が共鳴しているようで、それぞれの不思議体験が増幅されるようなますます不思議な心持ちである。
『みずうみ』のキーワードはもちろん「水」であり「布」であろう。そしてさらに言えば「時間」であり「場所」でもあるのだろう。そして「エントロピー」。繰り返される命、というものを強く思わされる一冊でもあった。


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TB
粋な提案
おいしい本箱
本を読む女。改訂版

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みずうみ いしいしんじ

装幀・装画は池田進吾(67)。初出・第一章『文藝』2005年冬号・2006年春号、第二章・第三章書き下ろし。2年ぶりの長篇小説。・第一章―みずうみのほとりの村。一家に一人眠り続ける人。月に一度コポリ、コポリと

  • From: 粋な提案 |
  • 2007/05/02(水) 04:26:06

この記事に対するコメント

あ、いしいさんがご自身にまつわることをもとに書かれたのですね。
読み間違いの可能性大(汗)。
いしいさんの不思議な世界、途中でリタイアしたこともありますが、今回は無事に泳ぎきれた感じでした。

  • 投稿者: 藍色
  • 2007/05/02(水) 04:18:01
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そうらしいです。
Web のどこかで――インタビュー記事だったかしら――読んだ記憶があります。
本を読む前にそれを読んでいたので、もっと私小説風な物語なのかと思っていたのだけれど
やはりいしいさんティストは崩れていなくて 不思議な感じでした。

  • 投稿者: ふらっと
  • 2007/05/02(水) 06:46:01
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ふらっとさん、こんばんは。TBありがとうございます。多分、こちらからのTBは反映されないと思います。一応してみたんですが・・。
「根底に流れるものは「いしいしんじ」の命なのである」
そうですね、ほんとに。いしいさんから流れ出して、いしいさんに帰っていく、命の流れなのかもしれません。星も水も人の愛も巡っていく・・命というものは、本質としてなくならないのかもしれない。姿を消したみずうみが、人の心から消えないように・・。

  • 投稿者: ERI
  • 2007/07/09(月) 01:51:21
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水と命の本質が湧き出してくるような一冊でしたね。
「めぐる」ということの不思議さと自然さも改めて思いました。

  • 投稿者: ふらっと
  • 2007/07/09(月) 07:06:37
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