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母恋旅烏*荻原浩

  • 2007/05/08(火) 17:13:42

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母恋旅烏 母恋旅烏
荻原 浩 (2002/03)
小学館

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花菱清太郎が家族全員を巻き込んで始めたのは、レンタル家族派遣業。元大衆演劇役者という経歴と経験を武器に意気揚々と張り切ったものの、浮草稼業に楽はなし。失敗につく失敗に、借金がかさみ火の車。やがて住む家すらも失い、かつての義理で旅まわりの大衆演劇の一座に加わることとなったが。はてさて、一家6人の運命やいかに!?


父である花菱清太郎(旅回りの役者としての芸名)こと菱沼清の行き当たりばったりのいい加減な生き方に振り回される家族の物語、かと思いきや――そういう要素もなくはないが――立派な自立の物語である。
語るのは、清太郎の次男で少々物事の呑み込みの遅くて同年代の者たちから落ちこぼれ気味の寛二(17歳)。見たままをそのまま語る素直すぎる語り口が物語を和ませるのに一役買っている。寛二には兄と姉がおり、姉には赤ん坊の娘もいる。そして美しいが自分の我を通すことをしない母。
父と喧嘩したり、引きずられたり、たまには協力し合ったり、と秦から見ればドタバタ喜劇のような毎日を送る彼等が、それぞれに自分のことを考え 家族のことを思い、少しずつ成長し自立していくのである。
そんな中、母の自立は家族にとって寂しいことに、父と離れることだった。だが、ラストの家族それぞれの成長した姿をきっとどこかで見ているだろうと思いたい。いまのこの家族のもとにならば帰って来てもいいんじゃない?と訊いてみたくもある。

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