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フィッシュストーリー*伊坂幸太郎

  • 2007/05/10(木) 17:16:15

☆☆☆☆・

フィッシュストーリー フィッシュストーリー
伊坂 幸太郎 (2007/01/30)
新潮社

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「なあ、この曲はちゃんと誰かに届いてるのかよ?」
売れないロックバンドが最後のレコーディングで叫んだ声が、時空を越えて奇蹟を起こす。

デビュー第一短編から最新書き下ろし(150枚!)まで、小気味よい会話と伏線の妙が冴える伊坂ワールドの饗宴。


【fish story】
1)ホラ話。大げさな話。作り話。
  釣り師が、自分の釣果を実際より誇張して言いがちなことに由来する。

2)「僕の孤独が魚だとしたら」という一説で始まる小説のタイトル。
  同様のフレーズは、「孤独」の部分の言葉を変えて、作中に何度か登場する。
  晩年は廃屋にこもり、壁に文章を書き続けたといわれる日本人作家の遺作。

3)三枚のアルバムを残して解散したロックバンドの、最後のアルバムに収録されている楽曲のタイトル。
  間奏部分に、一分間に及ぶ無音部分があることで、その是非や意味合いについてが一部で話題となった。

4)この本のタイトル。
  ある日本人作家の13冊目の著作にあたるが、2)との関係は不明。


表題作のほか、「動物園のエンジン」「サクリファイス」「ポテチ」
少しずつリンクし、影響されあう四つの物語。
恒例になりつつある(?)伊坂辞書は今回は少し趣向を変えて見返しにまとめられている。
デビュー作品からの登場人物が出てくるということで評判の13冊目でもあるのだが、例によってほとんど記憶を失くしているわたしのような情けない読者にも充分愉しめたので安心した。
相変わらずの軽妙さとほろりとさせる巧みさ、そしてやはり すべてを見渡して采配を下す見えない力の不思議さがみっちり詰まった一冊である。
タイトルに絡められた意味合いがすべて織り込まれ 練り上げられて、絶妙な風味を出している。

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フィッシュストーリー 伊坂幸太郎

装画は三谷龍二。装幀は新潮社装幀室。過去の伊坂作品に登場した脇役たちが主人公に。デビュー第1短編から最新書き下ろし(150枚!)まで加筆修正の中短編集。表紙を開くと、作品タイトルについて「陽気なギャング」でおなじみの“

  • From: 粋な提案 |
  • 2007/05/14(月) 02:31:04

フィッシュストーリー 伊坂幸太郎著。

伊坂作品はこれで2作目ですが、なんてうまい作家を私は知らずにいたのだろう?と思ってしまった。妙な余韻を残し続け、決して不快ではない絶望感を体験した「終末のフール」。 そして「フィッシュストーリー」で決定打って感じ。 特に4編のうちの「ポテチ」に感動!これを

  • From: じゃじゃままブックレビュー |
  • 2007/07/01(日) 11:22:05

「フィッシュストーリー」伊坂幸太郎

タイトル:フィッシュストーリー著者  :伊坂幸太郎出版社 :新潮社読書期間:2007/05/11 - 2007/05/14お勧め度:★★★★[ Amazon | bk1 | 楽天ブックス ]あの作品に登場した脇役達の日常は? 人気の高い「あの人」が、今度は主役に! デビュー第1短編から最新書き下ろし(

  • From: AOCHAN-Blog |
  • 2007/07/02(月) 21:56:43

「フィッシュストーリー」伊坂幸太郎

フィッシュストーリー伊坂 幸太郎 (2007/01/30)新潮社 この商品の詳細を見る 「動物園のエンジン」「サクリファイス」「フィッシュストーリー」...

  • From: しんちゃんの買い物帳 |
  • 2008/01/15(火) 20:09:25

この記事に対するコメント

今回も伊坂さんらしい、小気味よい会話が楽しめましたね。
短編集でも欠かさない、“見えない力の不思議さ”堪能しました。

  • 投稿者: 藍色
  • 2007/05/14(月) 02:30:47
  • [編集]

構想を練ったり執筆したりする伊坂さんのたのしそうな表情まで想像できるような一冊でした。
「神様のレシピ」は伊坂作品には欠かせませんね。

  • 投稿者: ふらっと
  • 2007/05/14(月) 06:51:26
  • [編集]

私は伊坂作品2作目なのですが、デビュー当時からの人物が出てるんですか?
ますます読みたくなりました!やはり順番で読んだ方がいいですね。
それに忘れそうなので、一気に読んだ方がいいかも?
「ポテチ」で伊坂氏、決定打になりました。会話のセンスがいいですよね。

  • 投稿者: じゃじゃまま
  • 2007/07/01(日) 11:25:49
  • [編集]

わぁ!二作目ですか?
まだまだこれから伊坂作品を愉しめるなんて、うらやましい♪
伊坂さんは無理なく一気読みできますね。
そしてあとでもう一度じっくり愉しむのもいいかもしれません。

  • 投稿者: ふらっと
  • 2007/07/01(日) 14:01:39
  • [編集]

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