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虹色天気雨*大島真寿美

  • 2007/05/21(月) 07:14:35

☆☆☆☆・

虹色天気雨 虹色天気雨
大島 真寿美 (2006/10/20)
小学館

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早朝に電話でたたき起こされ、中学校からの幼なじみである奈津のひとり娘・美月を預かることになった市子。小さな美月から、奈津の夫・憲吾は行方不明であり、奈津は憲吾を探しに出かけたことを知らされる。2日後、奈津は戻ってきたが、思い当たる場所をすべて回ったが憲吾は見つからなかったと語る。市子と奈津は、ひとりではどうにも頼りないところのある憲吾の失踪には、絶対に他の女性が関係していると推測する。これまで長い付き合いだった市子と奈津、出会ったころにはこんなことが起こるなんて想像もつかなかったけれど、大人になったいま、誰かを失ってもその傷はいつか癒えることを知っている。chr(10) 読むと幼なじみに会いたくなる、女性どうしの友情を描いた作品。


物語を貫くのは、中学のころから続く女同士の友情なのだろう。が、それだけではなく、市子やまりが 奈津の娘・美月(冒頭では10歳)を見守る親とは違う立場の目線や、美月が親世代に対して見せるかなり客観的な理解と それとは逆の幼さに触れながら考えさせられることごと。女三人を取り囲む人間関係の頼もしさと煩わしさ。などなど、さまざまな要素を絡み合わせながら、彼女たちがお互いやお互いの人間関係を尊重し合いつつそれぞれの道を生きていく様が淡々と描かれていて好感が持てる。
いまある自分を育みつつあった幼いころを知っている友人たちと、大人になっても尊重し合える関係であり続けられることの宝物のような貴重さを思わせてくれる一冊だった。


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虹色天気雨 大島真寿美著。

なんか不思議。大島ワールドが生み出す空間って、江國さんと似てると思ったんだけど、江國さんの空間って、たとえば内巻カールでふわりとした膝丈のスカートが似合う日常なのに対し、大島氏の空間は、お洒落というより、どちらかというと見てくれなんか気にしない!って女の

  • From: じゃじゃままブックレビュー |
  • 2007/05/23(水) 11:11:28

虹色天気雨

大島 真寿美虹色天気雨「虹色天気雨」大島真寿美・著小学館・出版『集まるだけでなんか楽しい、女友達でワイワイ。』 前作の「ほどけるとける」が、面白かったので、読んでみました。  市子は、ある日早朝に女友達の奈津から電話受けます。旦那

  • From: 個人的読書 |
  • 2007/06/19(火) 00:51:45

この記事に対するコメント

仲間っていいな、と思わせますよね。夫が失踪なんて大事なのに、いとも簡単というか楽しそうに日常をこなしてる彼らの生活が羨ましくなりました。

  • 投稿者: じゃじゃまま
  • 2007/05/23(水) 11:13:45
  • [編集]

健吾のことは失踪も含めてもうひとつよく判らなかったけれど
市子や奈津の側の人間関係は適度な距離感で好感が持てました。

  • 投稿者: ふらっと
  • 2007/05/23(水) 13:22:55
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大島さんの作品、ここ最近磨きがかかっていいものがでてきてるなぁという感じがします。この作品は本当に好きな一冊でした。今月も新刊が出るようなので、そちらも楽しみです^^

  • 投稿者: まみみ
  • 2007/06/01(金) 23:13:37
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大島さんも淡々と大切なことを語られますよね。
彼女たちの関係は、北村薫さんの『ひとがた流し』とちょっと似た感じで好ましかったです。

  • 投稿者: ふらっと
  • 2007/06/02(土) 08:37:59
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