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翼ある闇*麻耶雄嵩

  • 2007/06/04(月) 17:01:17

☆☆☆☆・

翼ある闇―メルカトル鮎最後の事件 翼ある闇―メルカトル鮎最後の事件
麻耶 雄嵩 (1991/05)
講談社

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首なし死体、密室、蘇る死者、見立て殺人……。京都近郊に建つヨーロッパ中世の古城と見粉うばかりの館・蒼鴉城を「私」が訪れた時、惨劇はすでに始まっていた。2人の名探偵の火花散る対決の行方は。そして迎える壮絶な結末。島田荘司、綾辻行人、法月綸太郎、三氏の圧倒的賛辞を受けた著者のデビュー作。

魅力的な謎、破天荒なトリック、緻密な論理、奇矯な人物、衒学趣味、毒に満ちたユーモア、意外な解決…。およそ思い付く限りの本格ミステリのエッセンスが、この小説には濃密に詰め込まれている。


私立探偵・木更津が古城で起きる殺人事件の謎解きに馳せ参じる前半は、本格ミステリの王道をいく綾辻ワールドの踏襲か、と思いつつ読んだのだが、自らの推理に行き詰まりを感じた木更津が山に籠もるという唐突な展開の後、なんとメルカトル鮎の登場である。木更津に対抗するように自らの推理を披露したメルカトル鮎であり、真打登場か と思わせられたのだが、それも一瞬のこと。意外な展開が待っている。
死体はどんどん増えていき、期待は面白いように何度も裏切られるのだが、最後の最後に思ってもいなかったサプライズが待っているのだった。
読者も登場人物もミステリと信じて進んできたのに、ただひとりの人物にとってはこれはサスペンスだったのである。なんということだろう!

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