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玻璃(はり)の天*北村薫

  • 2007/06/19(火) 18:29:13

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玻璃の天 玻璃の天
北村 薫 (2007/04)
文藝春秋

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ステンドグラスの天窓から墜落死した思想家。事故か、殺人か。英子の推理が辿りついた切ない真相とは-。昭和初期を舞台にした北村ワールド。表題作のほか「幻の橋」「想夫恋」を収録。


『街の灯』の続編。ベッキー(別宮)さんに再会できた。
時代は昭和初期。主人公は上流階級のお嬢様である花村英子。しかしほんとうの主役は花村家のお抱え運転手・ベッキーこと別宮みつ子だろう。
時代背景を巧みに生かし、現代が失ってしまった日本人のほんとうの意味での豊かさや奥ゆかしさを作品中に存分に満たして、趣きある一冊としても充分に愉しめる。そこに英子の周りに浮かび上がる日常の謎をベッキーさんが解き明かすというミステリ要素がプラスされるのだから堪えられない。
表題作はベッキーさんの胸の内を思うと切なくもあるが、それさえも凛として乗り越えてゆくベッキーさんなのだった。




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玻璃の天  北村薫

玻璃の天/北村 薫 北村薫 文藝春秋 2007 『街の灯』の続編。続編があるらしいと聞いてはいたけれど、タイトルもよくわからなかったのだが、偶然わかって、読むことができた。といっても、前作を結構忘れていた。忘れてはいたけれど、楽しめる作品に仕上がっていた

  • From: 読書・映画・ドラマetc覚書(アメブロ版) |
  • 2007/06/19(火) 22:24:22

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