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また会う日まで*柴崎友香

  • 2007/06/21(木) 19:18:40

☆☆☆☆・

また会う日まで また会う日まで
柴崎 友香 (2007/01)
河出書房新社

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好きなのに今は会えない人がいる……有麻は25歳OL。高校時代、修学旅行2日目の夜。同級生とのある記憶を確かめるため、約束もなしに上京。6日間の東京滞在で、有麻は会いたい人に会えるのか? とびきりの恋愛小説!


この内容紹介はちょっと違う気がするが、ゆるゆるだらだら(いい意味で)の柴崎節健在という感じで面白かった。
大阪の女の子の日常そのまんま、という柴崎作品だが、今回は少しばかり趣を変えて舞台は東京。
でも趣が違うのは実は登場する地名だけで、登場人物はほとんど大阪人であり、語られる言葉もほぼ大阪弁である。東京人としては、山手線からの眺めの描写とか、様々な箇所で東京の見え方を再認識させられもして、それがまた面白かった。
ただ単純に恋愛小説と括ってしまえないゆるゆるもやもやとしたなにか――進むべき道とか――を手探りする物語のようにも思える。
いつも携えているカメラを、撮りたいと思って向けるのだが そのときには何を撮りたかったのか見失ってしまう、という有麻の満たされない感じがすべてを表しているような気がする。




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粋な提案

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また会う日まで 柴崎友香

装幀は原田晃子。2000年、「きょうのできごと」で作家デビュー。主な作品「次の町まで、きみはどんな歌をうたうの?」「青空感傷ツアー」「ショートカット」「フルタイムライフ」「その街の今は」など。主人公で語

  • From: 粋な提案 |
  • 2007/07/08(日) 05:01:43

この記事に対するコメント

柴崎さんって場所の特徴を上手に捉えているんですよね。
ふらっとさんも東京人ということで、実感されたことがわかりました。
ゆるい空気感がよかったです。

  • 投稿者: 藍色
  • 2007/07/08(日) 05:01:31
  • [編集]

有麻の目線がカメラのフレームを意識したものなので
風景の切り取り方が彼女独自のものだったのも素敵でした。

  • 投稿者: ふらっと
  • 2007/07/08(日) 08:36:25
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