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ありふれた風景画*あさのあつこ

  • 2007/06/29(金) 18:30:01

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ありふれた風景画 ありふれた風景画
あさの あつこ (2006/08)
文藝春秋

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十代って残酷な年代だ。出会いも別れも生々しく、儚い。ウリをやっていると噂される琉璃。美貌の持ち主で特異な能力をもつ周子。傷つき、もがきながら、生きる少女たちの一年間を描くみずみずしい青春小説。


高遠琉璃も綾目周子も多くの女子高校生とは少し違う。(どう違うかは読んでいただくとして)この年代にとってほかと異質であることは仲間と認められないということであり、琉璃も周子も生き難い日々を送っている。そんなときに二人は出会い、互いの中にまっすぐなものを見て惹かれていく。まるで磁石が引かれ合っているかのように、吸い寄せられるように。
言葉がなくても、そこに互いを感じられるだけで満ち足りるひととき。「綾目さんにだけは絶対に嘘をつかないと思います」という琉璃の想いがあまりにもまっすぐで泣ける。
そして、現実にはどうしても好きになれないカラスだが、タロウはカラス故にカッコよかった。

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