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水上のパッサカリア*海野碧

  • 2007/07/06(金) 20:43:31

☆☆☆☆・

水上のパッサカリア 水上のパッサカリア
海野 碧 (2007/03/20)
光文社

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腕の良い自動車整備工・大道寺勉は3年半前からQ県にある湖畔の借家で、一回り近く年下の片岡菜津と穏やかに暮らしていた。半年前、暴走族の無理な追い越しによる交通事故に巻き込まれ、菜津が死んだ--。菜津が育てた飼い犬と静かな暮らしを続けていた11月のある日、勉が帰宅すると昔の仲間が家の前で待っていた。菜津は謀殺されたのだという、衝撃的な事実を携えて…。

圧倒的な文章力に緻密な描写力。満場一致で日本ミステリー文学大賞新人賞を受賞した快作! 次作が待ち望まれる大型新人、登場。

【第10回日本ミステリー文学大賞新人賞 選評より】
有栖川有栖氏:読み始めてすぐに、これが受賞するだろう、という手応えを感じた。

北村薫氏:読後、思わず、「パッサカリア」のCDを探し、かけてしまった。要するに、そうさせるだけの作品であった。

高橋克彦氏:海野さんは間違いなく書ける力を持った人で、安心して推薦できる。

田中芳樹氏:文章力、描写力、人物造形力等において、他の候補作を圧倒していた。


冒頭の大道寺勉と菜津の朝のひとコマの描写があまりにも平凡な幸せに満ちあふれたものなので、それがいまはもう失くしてしまったものだと判ったときの切なさは言葉にならない。そしてそんな幸せのさなかにいるときでさえも、それが長くは続かない予感のようなものを常に感じさせらたのは、菜津の自信のなさのせいだけではなかったのだった。
その後に続く勉の歩いてきた道の険しさと 現在までの道のりの遠さには目眩がしそうになる。ほんの一時も緊張の糸を緩ませることのない人生の過酷さ。
物語は生き残りをかけた裏社会を描くハードボイルドなのだが、菜津という無垢な存在ゆえに切ないラブストーリーにもなっていて、ハードボイルドの苦手な読者にも充分愉しめる一冊になっている。




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しんちゃんの買い物帳

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「水上のパッサカリア」海野碧

水上のパッサカリア海野 碧 (2007/03/20)光文社 この商品の詳細を見る過去を隠した大道寺勉は、Q県穂刈高原の翡翠湖の湖畔の家に菜津と暮らしていた。半年前、暴走族の無理な追い越しによる交通事故に巻き込まれ、菜津が死ぬ。

  • From: しんちゃんの買い物帳 |
  • 2007/07/07(土) 16:12:40

この記事に対するコメント

こんにちは。
この本はすごく静かでしたが、心理描写とかはすごかったですね。
それにわんこが可愛いかった。

  • 投稿者: しんちゃん
  • 2007/07/07(土) 16:17:15
  • [編集]

静かでしあわせで、そして不安で・・・。
とても魅力的な導入部にやられました。

  • 投稿者: ふらっと
  • 2007/07/07(土) 17:13:11
  • [編集]

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