FC2ブログ

疾風ガール*誉田哲也

  • 2007/07/08(日) 14:00:34

☆☆☆☆・

疾風ガール 疾風ガール
誉田 哲也 (2005/09/29)
新潮社

この商品の詳細を見る

あたしが連れてってあげるよ、ビートと熱狂の果てまで――
あたし、夏美。19歳、んでギタリスト。愛器の真っ赤なギブソンで、大好きなメンバーとぶっ飛んだライブの毎日……ずっと続くと思ってた。魂の底からリスペクトしてたボーカルの薫が、突然自殺するまでは。真実を確かめなきゃ、死んだなんて認めない! 気弱な29歳の芸能マネージャー・祐司を引き連れ、今あたしは走り出す――

宮原祐司29歳は、ミュージシャンの道を諦め、巨乳グラビア・タレントを抱える「フェイス・プロモーション」に入社した。しかしある日、偶然目にしたアマチュア・ロックバンド「ペルソナ・パラノイア」のライブに衝撃を受ける。ギタリストの夏美は19歳。他のメンバーを従えて、大物の雰囲気十分。そのセンスに惚れた祐司が夏美をスカウトしようと必死になる中、突然ペルソナのボーカル・薫が謎の自殺を遂げる。一体なぜ――? 
夏美と祐司が真実を追いかけ大疾走、ロック&ガーリー系青春文学誕生!


疾風ガールとは 夏美を表わすのになんとぴったりな言葉だろう。音楽を躰中で愉しみつつも自分の才能を充分自覚し、天辺に登りつめようという欲もある。だがその駆け抜けるような勢いが他者にもたらす脅威についてはまったく気づかず、他者を踏み台にしてこその天辺だということにも無自覚だった。
ミュージシャンを目指しながら自分の才能の限界を悟り、サラリーマンとして巨乳アイドルのスカウトをしている祐司がそんな夏美に惚れこんだのも当然のことだろう。上り坂の途中にいる夏美と上ることをやめてしまった祐司との対比も興味深い。
そんな彼らが二人して追うことになったのは、突然命を絶ったペルソナのボーカル薫の死の謎だった。城戸薫はどうやら偽名で、薫のことは何もわからないに等しかった。
薫は夏美が最も尊敬するミュージシャンでもあったが、たぶん夏美が天辺に行くために踏み台にされる彼女以外のすべてのミュージシャンでもあったのだ。
それぞれがそれぞれの胸のうちで薫の死と決着をつけて一歩前に踏み出すラストは、夏美らしく 祐司らしく 誰もが自分らしくて潔かった。
夏美の元のバンド仲間のマキの言葉が印象的である。

一人でも輝けるあんたには、周りの人間が、自分と同じくらい輝いて見えちゃうのかもね。有頂天だからね、夏美は。でもね、周りが輝いて見えるのは、それはあんたが照らしてるからであって、その人の背中は、実は真っ暗になってるってこと、あるんだよ。そのどす黒い闇が、あんたからは死角になってて見えないんだよ

V
V

TB
しんちゃんの買い物帳
じゃじゃままブックレビュー
デコ親父はいつも減量中
笑う社会人の生活

この記事に対するトラックバック

この記事のトラックバックURL

この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

「疾風ガール」誉田哲也

疾風ガール誉田 哲也 (2005/09/29)新潮社 この商品の詳細を見るペルソナ・パラノイアというバンドで、人気を二分する夏美はギタリストで19歳。同じく人気を二分するバンドメンバーで、ボーカルをしていた薫が自殺した。

  • From: しんちゃんの買い物帳 |
  • 2007/07/08(日) 17:42:04

疾風ガール 誉田哲也著。

≪★★★≫ 元バンドマン、今は芸能事務所で新人発掘すべくスカウトに勤しんでいる祐司。 スカウトしたタレントを思うように売り出すことが出来なかったトラウマを抱え、なんとなく熱くなることが出来ずにいる祐司。 そんな祐司が、出会ってしまった!ロックバンドでギタ?...

  • From: じゃじゃままブックレビュー |
  • 2009/08/01(土) 00:23:10

疾風ガール<誉田哲也>-本:2010-15-

疾風ガールクチコミを見る # 出版社: 新潮社 (2005/9/29) # ISBN-10: 4104652024 評価:77点 単行本の表紙、胡坐をかいてギターを弾いている髪の長い少女、というとYUIを連想する。「タイヨウのうた」で彼女を初めて知ったけど、振り絞るような歌声がとても?...

  • From: デコ親父はいつも減量中 |
  • 2010/01/30(土) 14:12:05

ロックガール!

小説「疾風ガール」を読みました。 著書は 誉田 哲也 バンド ペルソナ・パラノイアのギターリスト、夏美 憧れでもあるバンドのボーカリスト、薫が自殺してしまい・・・ ロックな夏

  • From: 笑う社会人の生活 |
  • 2012/05/15(火) 23:48:31

この記事に対するコメント

こんばんはー。
この本は自分が元バンドマンだったので、すごく楽しめました。
夏美の真直ぐさが気持ち良かったです。

  • 投稿者: しんちゃん
  • 2007/07/08(日) 17:44:31
  • [編集]

わぉ!
元バンドマンだったのですか!?
バンドのこともロックのこともほとんど知らないわたしにも
夏美と彼らの現場のオーラが伝わってきたのだから
しんちゃんはさぞ血が騒いだことでしょうね。

  • 投稿者: ふらっと
  • 2007/07/08(日) 20:05:39
  • [編集]

続編が出たらしいってことで、手を出してみました。音楽系ってちょっと苦手な意識があるので続編が出るって知るまで食わず嫌いだったんですけど、うん、面白かったですね。夏美がどこまで登るのか、祐司がどこまで振り回されるのか(笑)楽しみです。

  • 投稿者: じゃじゃまま
  • 2009/08/01(土) 00:27:43
  • [編集]

続編、出たのですか?知りませんでした。

といっても、こちらもほとんど覚えていないのだけれど…^^;

  • 投稿者: ふらっと
  • 2009/08/01(土) 08:10:53
  • [編集]

この記事にコメントする

管理者にだけ表示を許可する