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マジシャン*松岡圭祐

  • 2007/07/10(火) 18:36:21

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マジシャン マジシャン
松岡 圭祐 (2002/09)
小学館

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目の前でカネが倍になる―。参考人たちが口を揃えてこう証言する奇妙な詐欺事件に、警視庁捜査二課の警部補・舛城徹は困惑していた。手品めいたトリックの匂いを感じた舛城の捜査に引っ掛かる、プロ用のマジックショップ。その社長を追った舛城の前に、マジシャンを志す一人の少女が現れる。その少女が語ったカネが倍に増えるトリックとは?警視庁に通報される金融関連詐欺事件の大半は立件できないという。中には「奇術詐欺」とも呼べる、凝ったトリックを使った事件も少なくない。余人の想像を絶するその手口とは?そしてその発案者の実像は?「人を騙すこと」を業とする「奇術師」対「詐欺師」の目くるめく頭脳戦。

「本書に描写されたトリックは、現職の刑事の方々にお見通しいただき、実際に詐欺として被害者を騙しうるものであることを保証してもらっている」(著者)。


疑いを抱いていてさえ巧妙にだまされてしまう詐欺商法。本書を読むと、マジックがどれほど悪用されているのかが手に取るようにわかって恐ろしくなる。
警視庁捜査二課の舛城、マジシャンを目指す15歳の少女・沙希、十年前、舛城に詐欺商法で逮捕され いまは沙希の親代わりの飯倉。主要な三人の心の動きや、トリッキーな詐欺商法の手口が次々に暴かれるのも興味深い。
そして、舛城たちの捜査と時を同じくして捜査二課が本腰を入れていたコンピュータウィルスによる銀行破綻計画の阻止という命題とがラストで見事に撚り合わされて解きほぐされていく。解決編はそれまでの積み重ねに比べてあまりにあっけない気がしなくもないが、解決するときというのはそんなものかもしれないとも思う。
沙希の未来への展望とマジシャンとしての誇りが、裏切りという大人のずるさに負けないでくれることを祈らずにいられない。

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