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だいこん*山本一力

  • 2007/07/12(木) 07:43:04

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だいこん だいこん
山本 一力 (2005/01/21)
光文社

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江戸に心から愛されている一膳飯屋がありました。知恵を使い、こころざしを捨てず、ひたむきに汗を流したおんなの生き方。直木賞作家の魅力あふれる細腕繁盛記。


江戸情緒豊な物語である。肩を寄せ合って長屋で暮らす人びとの、躰を張って仕事をする職人たちの、さまざまな江戸の人びとの息遣いすら感じられるようである。
長屋に暮らす通い大工の安治の長女として生まれたつばきは、幼いころから自分の目で見た両親や長屋の大人たちのあれこれを、自分の頭で考えて自分の行いに活かす子どもだった。そのことが、どんな立場に立たされても自分の行く道を見失わない強さになっているのだろう。自分の目で見たことを自分の頭で考えることの大切さを改めて思わされる。
つばきが知らず知らず身につけたそんな生きる知恵が、年若くして一膳飯屋を構えるときにも、なにか岐路に立たされたときにも、自然と手が差し伸べられる理由のひとつでもあるのだろう。そして、他人に頼るときにはきっちりと頼ることができるというのもつばきの偉いところだろう。
一膳飯屋「だいこん」の洗い場に人を雇う折に周旋屋からもらったアドバイスもそのうちのひとつである。

人定めのコツ――

笑顔がきれいなひと。

骨惜しみをせず、腰が軽いひと。

声が明るいひと。

好き嫌いを言わず、出されたものは残さずなんでも食べるひと。




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ついてる日記Ⅱ

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『だいこん』 山本一力

だいこんposted with 簡単リンクくん at 2005. 5.14 山

  • From: ついてる日記? |
  • 2007/07/15(日) 20:06:41

この記事に対するコメント

ふらっとさん☆こんばんは
「人定めのコツ」の中の、「好き嫌いを言わず、出されたものは残さずなんでも食べるひと。」
これだけは自信あるなぁ!(#^.^#)

  • 投稿者: Roko
  • 2007/07/15(日) 20:17:39
  • [編集]

結構奥が深い教えですよね。
それをきちんと役立てることのできるつばきさんだからこそ
「だいこん」が繁盛するのでしょうね。

  • 投稿者: ふらっと
  • 2007/07/15(日) 20:29:56
  • [編集]

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