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セイジ*辻内智貴

  • 2007/07/15(日) 13:42:54

☆☆☆☆・

セイジ セイジ
辻内 智貴 (2002/02)
筑摩書房

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純粋であるがゆえに、不器用な生き方しかできない男たち。彼らの思いがけない言葉と行動によって、人びとは人生の真実を知ることができる。太宰治賞最終候補作となった「セイジ」に、書き下ろし「竜二」を加えた、第二作品集。


文体とか言葉遣いとか文字の選び方などに読み始めは少なからず引っかかり――そこが作者のこだわりなのだろうとは理解できるのだが――、物語自体も一人の男のことが淡々と語られるだけで起伏に乏しいように感じられたのだが、読みすすむうちに そこかしこから滲み出してくる 語られる男に対する周りの愛に自分もまるで昔から彼のことが好きだったようなあたたかな気持ちになってくるのだった。
語られる男・セイジのこんな言葉が胸に残る。

「・・・・・人間はよ、カナシクなるほどに、色んな事に気がつくものさ。カナシくなりゃなるほど、色んなものが見えて来もする。日が暮れるにつれて星の光にふと気づく様なものかも知れないな。――星は、いつだって空にあるんだけどよ、明るいうちは見たくったって、見えやしないのさ。――まぁ、星に興味の無い奴は、ずっと陽の当るところに居ればいいがよ、だけど人間は、もしかしたら、星を目にするために生まれてきたんじゃないのかな。・・・・・オレは、そう思う事があるよ」

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