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光ってみえるもの、あれは*川上弘美

  • 2004/03/01(月) 13:41:36

☆☆☆☆・


祖母匡子さん 一度も結婚したことのない母愛子さんと暮らす
高校生の江戸翠クンが語る。
父親はいない。遺伝子学上の父はたびたび江戸家に姿を現わす大鳥さん。

出生にまつわる環境こそちょっと変わってはいるものの
普通の高校生活を送る翠クンやその友人達。
普通に生きていくことが もしかするといちばん難しいことなのかもしれないなんて
具体的に言葉にして思考に上らせるわけではないけれど
喧騒の中 ふっとひときわ孤独を感じるように、興奮のさなかに時間のズレに入り込んでしまうような感覚に襲われるように 「どうして生きているんだろう?」なんていうことを思ったりしてしまうのだ。

登場する大人達は なにかいい加減なようでいて それなりの何かを持っているような気がする。自分なりのある軸に従って。
人は 何かから解放されるために日々もがき、しかし 何かに縛られることを望んでいるようにも見える。

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