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悪人*吉田修一

  • 2007/10/12(金) 16:56:17


悪人悪人
(2007/04)
吉田 修一

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なぜ、もっと早くに出会わなかったのだろう――携帯サイトで知り合った女性を殺害した一人の男。再び彼は別の女性と共に逃避行に及ぶ。二人は互いの姿に何を見たのか? 残された家族や友人たちの思い、そして、揺れ動く二人の純愛劇。一つの事件の背景にある、様々な関係者たちの感情を静謐な筆致で描いた渾身の傑作長編。


ひとつの殺人事件を巡り、当事者や関係者がそれぞれの立場で事件――あるいは事件の当事者たち――について語るという手法で、外側から中心に向かって事件の本質を見極めようとする作品である。ただ、見極めようとすればするほど、いったいこの殺人事件はなんだったのだろうか、という疑問も湧いてくるのである。どうして石橋佳乃は殺されなければならなかったのか、犯人はどうして彼女を殺してしまったのか。そして・・・・・悪人はいったい誰だったのか・・・・・。
事実としての事件の真相が露わになっても、読者の気持ちはまるですっきりせず、かえって割り切れないもやもや感じ包まれるのである。人間の弱さ、淋しさ、踏み外した一歩の大きさをいやでも思わされるのである。

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悪人 吉田修一

装幀は町口覚。初出「朝日新聞」2006年3月24日~2007年1月29日。 福岡と佐賀の県境、三瀬峠の殺人事件。被害者石橋佳乃・保険外交員。加害者清水祐一・土木作業員。なぜ事件は起きたのか?。祐一は出会った馬込光代と

  • From: 粋な提案 |
  • 2007/10/30(火) 17:01:11

九州で起きた殺人  吉田修一著 「悪人」

吉田修一 著 「悪人」 おそらくは著者、渾身の一作なのではないかと思いましたね。 それは、本の厚さからも伝わってきましたよ。 それならばと、この作家のファンとして、襟...

  • From: 本読め 東雲(しののめ) 読書の日々 |
  • 2007/11/15(木) 20:13:56

深い愛の物語でもある。「悪人」を読む。

◆ 優しすぎるから犯罪を犯し、愛しすぎるから別れる。 一見相反する思いと行動をする人間という生き物。 定規や数字では計れない、心の葛藤...

  • From: こじつけ☆読書ろく |
  • 2008/01/20(日) 12:02:10

悪人 吉田修一

悪人(2007/04/06)吉田 修一商品詳細を見る福岡と佐賀の県境にある三瀬峠。昼間でも薄暗いこの峠で、一人の女が絞殺された。彼女は恋人ができない...

  • From: リトル・バイ・リトル |
  • 2008/05/02(金) 09:55:04

悪人 吉田修一著。

≪★★★★≫ お初の作家さんです。 保険外交員の石橋佳乃が、携帯サイトで知り合った土木作業員清水祐一に殺害された。 佳乃の父、佳乃が一方的に想いを寄せる大学生増尾圭吾、佳乃の同僚、祐一の生い立ち、祖母、叔父の話などが散りばめられ、最初は戸惑ったけど、すぐ?...

  • From: じゃじゃままブックレビュー |
  • 2010/03/31(水) 22:49:43

この記事に対するコメント

悪人とは誰なのか―。
考えさせられましたね。
吉田さんがこんなに読み応えのある作品を書かれた
驚きもありました。

  • 投稿者: 藍色
  • 2007/10/30(火) 17:00:54
  • [編集]

読み応えありましたねぇ。
考えれば考えるほど迷い込んで抜け出せなくなりそうでした。

  • 投稿者: ふらっと
  • 2007/10/30(火) 18:00:43
  • [編集]

TBさせていただきました。

TBさせていただきました

著者が並々ならぬ覚悟でこの作品に取り組み、できる限りの力を注いだという熱意が伝わってくるような本でした。

  • 投稿者: タウム
  • 2007/11/15(木) 20:03:17
  • [編集]

人間描写がリアルな分、割り切れないところもありましたけれど
著者の思いは伝わってきました。

  • 投稿者: ふらっと
  • 2007/11/16(金) 07:12:47
  • [編集]

人の光と影のこと

こんにちは!

「悪人」を読み終えて、テーマは重いけど、とてもいい本を読んだという気分です。
犯罪は許せない行為ですが、そこに至る人の気持ちの矛盾・葛藤・哀しみが、
人にあるという当たり前のことを、改めて感じました。
この作品は、愛の物語として読みました。

  • 投稿者: 本命くじら
  • 2008/01/20(日) 12:11:31
  • [編集]

許されることではないけれど
犯罪の数だけ生身の人間がいるということでもあるのですね。
>愛の物語
そうかもしれません。

  • 投稿者: ふらっと
  • 2008/01/20(日) 13:48:14
  • [編集]

>見極めようとすればするほど、いったいこの殺人事件はなんだったのだろうか、という疑問も湧いてくるのである。
確かにそうだな、と思いました。
表面だけ見ればとてもシンプルな事件なのに。
人間の複雑さを垣間見た気がします。

  • 投稿者: 爽
  • 2008/04/30(水) 11:00:40
  • [編集]

図式は単純でも
根深い「情」の物語でしたね。

  • 投稿者: ふらっと
  • 2008/04/30(水) 12:59:39
  • [編集]

お初の作家さんだったんですけど、いつもの吉田さんの作風とは違うんですか?
私はこれが初めてだったので、すごいな~って思ったんですけど。
佳乃は被害者なのに、私には祐一の方が可哀相で・・・。
彼の「どっちも被害者にはなれない」って言葉の本心を、光代が気付いてくれればいい、と思いました。
できれば光代には祐一を待っていて欲しい、とまで思ってしまいました。
今年映画化されるんですね。

  • 投稿者: じゃじゃまま
  • 2010/03/31(水) 22:54:34
  • [編集]

映画化されるんですね、知りませんでした。

これまでの作品よりも、ぐっと深く人間というものに迫っている気がします。

  • 投稿者: ふらっと
  • 2010/04/01(木) 06:35:07
  • [編集]

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