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もっと、わたしを*平安寿子

  • 2007/10/26(金) 18:22:40


もっと、わたしを (幻冬舎文庫)もっと、わたしを (幻冬舎文庫)
(2006/08)
平 安寿子

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口べた堅太り優柔不断。お世辞にもモテるとは言えない真佐彦がトイレに監禁されたのは、なんと彼女に二股がバレたから。ドアの外で二人の女が言い争うド修羅場の中、いつしか真佐彦は「自分が求められている」幸せを感じ始めて―。イケてない五人五様の人生を、優しさとユーモアで描き出す、著者真骨頂の傑作リレー小説。


「いけないあなた」「ノー・プロブレム」「なりゆきくん」「愛はちょっとだけ」「涙を飾って」という、どうしてこの人にスポットライトを当てたのだろうと思わせられる五人を主人公にする連作短編集。

恋愛下手の冴えない男がモテてしまったり、目の覚めるようなイイ男が敬遠されたり、セクシーな美女が恋愛をあきらめていたり・・・と、なにやら主人公の人選からして興味深い。そして、ともすれば嫌味になったり僻みっぽくなったりしがちな素材を、極々普通の精神構造として描くことで知らず知らずに読者を共感させてしまうところはさすがお見事としか言いようがない。
ゆるい連作で、前話の登場人物の事情があとで判ったり、意外な一面を垣間見られたりするのも絶妙な味付けである。そして、主人公以外の登場人物もキャラクターがしっかり描きこまれて生き生きしているのがすばらしい。
文庫版の解説は、奥田英朗氏が書いているが、すべての女流作家を敵に回すようなあの発言で後々お困りではないのか・・・と要らぬ心配をしてしまう。

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この記事に対するコメント

待ってましたよ、平ネタ!
もっと評価されていいはずなのに、どこか厭世家っぽいところもあるし、シニカルなところもあるし、受け入れられにくい要素はたっぷりですが、それ以上にうまいっ!おもろいっっ!よくぞ云ってくれたっっっ、て感じがたまらないのです。
それでいてけっこうツボは心得ていて、初期の作品では泣けるものもありますね。
ではでは。

  • 投稿者: チョロ
  • 2007/10/30(火) 17:51:14
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平さん、なかなか味わい深いですね。

  • 投稿者: ふらっと
  • 2007/10/30(火) 18:17:58
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