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口笛吹いて*重松清

  • 2004/03/21(日) 14:06:29

☆☆☆・・


二十六年前に別れた少年時代のヒーローとの切なく苦い再会を描いた表題作を含む 5編の小説集。

どの作品の主人公も 自分とその生き様に自信を失いかけたり そんな人を身近に見ていたたまれない気持ちになったりしている。
人生に勝ったとか負けたとか だいたいそんなことはどうして言い切れるのだろうか。
勝ったと見えて実はむなしさばかりの人生。負けっぱなしに見えても本人にとっては充実している人生。どちらがいいかなんてその本人以外に解りようもない。
ただ言えるのは 万全の自信を持ちつづけて生きている人なんてきっと一人もいないのだろうということだ。
じわんと滲む涙が切ない。

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