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ハッピーエンドにさよならを*歌野晶午

  • 2007/11/23(金) 18:55:59


ハッピーエンドにさよならをハッピーエンドにさよならを
(2007/09)
歌野 晶午

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望みどおりの結末になることなんて、現実ではめったにないと思いませんか?

小説の企みに満ちた、アンチ・ハッピーエンド・ストーリー。
前人未到のミステリ四冠を達成した偉才が仕掛ける未曾有の殺意。


「おねえちゃん」「サクラチル」「天国の兄に一筆啓上」「消された15番」「死面」「防疫」「玉川上死」「殺人休暇」「永遠の契り」「In the lap of the mother」「尊厳、死」

装丁からしてなにやら悪意に満ちていて、読み始める前から先が思いやられるようである。読み始めてからはもちろん、黒い感情に取り巻かれ身動きできなくなる。それが一見明るく見えてしまったりもするから、これがまた厄介なのである。著者らしいどんでん返しや裏切り、ミスリードも盛りだくさんで、心して臨まないと何度もだまされることになるだろう。
読後、爽快感のかけらもない一冊であるが、それは決して退屈だからではない。




はじまり

「おねえちゃん」
八時までには行けるからと太鼓判を押していたのだが、実際に到着したのは九時三十分だった。
「出ようとしたら救急外来から連絡が来ちゃって。それがさ、診てみたらなんてことはない、ただの風邪で、熱も七度三分しかなくて、それっぽっちで時間外に来るってどういう常識?それで出るのが遅れたら、間が悪いことに駐車場でMRにつかまっちゃって。S製薬のあいつ、いったんしゃべりはじめたら止まらないんだよ。あんた、いったいいつ息継ぎしてるのよって感じで、さよならを言うタイミングを与えてくれないの。あいつ、絶対にわたしに気があるよなあ」

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この記事に対するコメント

こういう刺激的な挑戦、成否はあるでしょうが、どんどんやってもらいたいですね。
「今までの歌野氏らしさ」と「歌野氏らしくなさ」が混在していたような、不思議な読後感でした。

  • 投稿者: チョロ
  • 2007/11/25(日) 05:17:30
  • [編集]

そうですね、どんどんやってほしいです。
あまり刺激的になりすぎても困るけれど・・・。
今度はどんな風に挑まれるかというのもたのしみです。

  • 投稿者: ふらっと
  • 2007/11/25(日) 08:15:03
  • [編集]

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