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イナカノコ*おおたうに

  • 2007/11/27(火) 17:10:12


イナカノコイナカノコ
(2007/02)
おおた うに

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短大生・佐和の住む田舎町に、いとこの海里が帰ってきた。美しくも獰猛な性格の彼女の帰郷に胸をざわめかせるのは、佐和だけではなかった。母や兄、そして佐和の彼氏・草-。人々の気持ちがすれ違うほど、想いは切なく募り…。


読み始めは、なんだかものすごく読みづらかった。ぽきぽきと文章が途切れ、放り出されているような感じとでも言えばいいだろうか。頭上を塞がれていて、どこかでいつか空が開けてくれるといいのに・・・と待ち焦がれるような心地にさせられもした。
それがいつのまにか、次第に心地好く感じられるようになったのはなぜだろう。イナカノコである佐和の穏やかだが主張のない生き方の喜びと哀しみ、東京に出て行った海里の激しい自己主張の奥に隠された真の想いの寂しさと孤独が、物語の中から漂いだしてきたからかもしれない。読み終えてみれば、胸の底に小石をぽとりと落とされたような一冊である。




はじまり

       1

草ちゃん、佐和のことを思い出すことがありますか。

あなたの生まれ育ったこのちいさな町のこと、あなたの心配をし過ぎてすっかり無口になってしまったあなたの両親のこと、今までのあなたのすべてを、考えることはありますか。

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