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つくもがみ貸します*畠中恵

  • 2007/12/16(日) 08:52:14


つくもがみ貸しますつくもがみ貸します
(2007/09)
畠中 恵

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江戸の片隅、姉弟二人が切り盛りする「出雲屋」。鍋、釜、布団、何でも貸し出す店ですが、中にはちょっと妙な品も混じっているようで……妖怪たちが引き起こす騒動の数々、ほろりと切なく、ふんわり暖かい連作集。


妖が登場する物語、とはいっても「しゃばけ」シリーズとは違って出てくるのは付喪神だけである。さながら付喪神のオンパレードとでもいう風情で、さまざまなものに宿った付喪神たちの会話がたのしくもある。彼らは人間とは会話をしないという決まりを自らのうちに作り、出雲屋の姉弟とも言葉を交わしこそしないのだが、彼らに有用な情報はちゃんと届くように気を配っており、その関係の絶妙さはもどかしくもあるが微笑ましい。
お紅と清次の姉弟の微妙な関係の落ち着きどころや、軽いミステリ仕立ての出来事の行方と相まって、いくつもの愉しみを味わえる一冊である。




はじまり

       序

 ちょいとお前さん、お前さんのことだよ。
 どっちを向いているのさ。ああ、あちこち見ても、私は目に入らないよ。今、風呂敷に包まれ小さな荷となって、人の背に負われているからね。姿が見えないのさ。
 おや、荷とは何だ、私は誰かと問うのかい。そうさね、この身は古い古い根付け、蝙蝠の形をしている、野鉄という者なのさ。大層立派な一品で、手に入れた御仁らに、長年それは大事にされてきたんだよ。だからね、私はなれたんだよ。
『付喪神』に。




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粋な提案

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つくもがみ貸します 畠中恵

装画は三木謙次。装丁は角川書店装丁室。「怪」「野性時代」掲載。連作短編集。 お江戸の片隅、お紅と清次の姉弟が切り盛りする出雲屋は古道具屋兼損料屋。何でも貸し出す中に、百年を経て付喪神(つくもがみ)に化した古道具たちが

  • From: 粋な提案 |
  • 2008/01/18(金) 02:28:24

この記事に対するコメント

しゃばけシリーズと違って、ちょっと大人な物語でしたね。
これだけ綺麗に終わっちゃうと続編はなさそうで、残念です。

  • 投稿者: 藍色
  • 2008/01/18(金) 02:28:06
  • [編集]

夫婦古道具屋シリーズ、なんていうことにはならないでしょうかねぇ。

  • 投稿者: ふらっと
  • 2008/01/18(金) 06:40:07
  • [編集]

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