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ラブコメ*松久淳+田中渉

  • 2007/12/28(金) 17:14:55

ラブコメラブコメ
(2004/06/16)
松久 淳、田中 渉 他

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松田真紀恵(人形町の花屋店長・25才)は恋をする暇もなかった。朝5時起きで花市場に仕入れに行き、気がつけば夜の9時。店の片づけのあと自分で夕食の支度をしてお風呂に入る頃には、もう起床時間まで5時間しかない。遊びに行くことはもちろん、流行りのドラマを見ることもできず(でも時間があっても見ない)、友達と長電話することはおろか(そもそも電話の平均通話時間は用件のみの約20秒)、ペディキュアはいうに及ばずマニキュアを塗る時間もない。そんなわけで、性格はきついわ、男っぽい言葉遣いながらものすごい美人なのに、もう1年11か月も恋をしていない。ところが、恋の神様のいたずらというべきか、ある日突然、元カレと20年彼女を慕い続けた幼なじみがあらわれて…。

新大橋で号泣したことそれぞれ1回。幸せのブーケをつくること3回。フリオ・イグレシアスの曲連続80回。「愛のカセットテープ」片面残り時間5秒。脳内除夜の鐘108回。コソコソ筆談やりとり22回。電話を待つこと144時間。浅草花やしき園内ヘリコプター爆走7周。上野動物園内モノレール泣きながら3往復。本気でキスしたいと思ったこと、1回。死ぬほど笑いあえたこと、1回。ドキドキ×うるうる×キュンと切なく圧倒的にハッピーな結末が束になってやってくる。目眩むラブコメ大作戦。


真紀恵と幼馴染の美晴の恋物語なのだが、いまは脚本家である美晴が、真紀恵と自分をモデルにして書いたアニメの制作と平行して進んでいくので、真紀恵と美晴の過去と現在のような感じでもある。
読み始めは、コメディ全快でひとりツッコミがいたるところに入ったり、あちこちでボケたりと、文字として読むには疲れることこの上なかったのだが、意外とすぐに気にならなくなった。それでもやはり、小説を読んでいるというよりは、コミックか何かを読んでいるような気分――それが狙いなのかもしれないが――は終始感じられ、少し頭を切り替える必要はあったかもしれない。
不器用な二人の恋物語はもちろん、真紀恵の父や美晴の友人、真紀恵の花屋のアルバイトの涼子、それぞれの行きつけの店のオーナーたちという主人公以外の登場人物もキャラクターがしっかりしていて絶妙な味つけをしている。





はじまり

 松田真紀恵の一日に、恋をするヒマはない。
 もう一年11か月もない。一昨年の九月、花屋の店長になる一か月前にそのときの恋人と別れたっきり、新しい恋人ができるどころかときめくような男との出会いすらない。
 「冗談じゃないよったく、これだけいい女なんてザラにはいないよ」
 三日に一度は朝、鏡に向かって毒づいてはいるのだが、ザラにはいようがいまいが、男がいないことに変わりはない。

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