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なんにもうまくいかないわ*平安寿子

  • 2008/02/13(水) 17:12:46

なんにもうまくいかないわなんにもうまくいかないわ
(2004/11/19)
平 安寿子

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子なしシングルの負け犬も40過ぎたらオオカミだ−。なんでもかんでも己のことを喋ってしまう「私生活の無い女」志津子を中心に、独特の「饒舌体」で一気に読ませるコメディーなどを収録。


表題作のほか、「マイ・ガール」 「パクられロマンス」 「タイフーン・メーカー」 「恋駅通過」 「亭主、差し上げます」

並河志津子がらみの連作五作と、bonus truck として「亭主、差し上げます」が収録されている。
志津子がらみの連作といっても、それぞれの物語の語り手は主に志津子以外の人物である。幼なじみであったり、秘書役であったり、恋敵であったり、部下であったり。だが、だれが語り手になろうと、志津子の思ったことを垂れ流す「私生活の無さ」は変わりなく、だれもが同じエピソードを知っていたりするのである。志津子のゴーイングマイウェイさ加減には恐れ入るばかりだが、ただそれだけではない魅力も彼女にはあるのである。振り回されるのが判っているのに放っておけない、という感じだろうか。バリバリのキャリアウーマンでもあるのだが、なぜかそのあたりのギャップが鼻につかずにいい味になっている気がする。
「なんにもうまくいかないわ」と辺りかまわず愚痴を言い散らしながら、きょうもあしたも志津子はパワフルに、マイペースに、ちょっぴり切なく、さみしく、そしてしあわせに生きていくのだろう。





はじまり

       「マイ・ガール」

          1

 この世には、車を運転してはイケナイ人種が存在する。
 反射神経が鈍い。集中力が持続しない。規則を軽視する。せっかち。自分の前後左右に気を配る能力に欠ける。ときどき、どっちが右かわからなくなる。
 それが、志津子だ。だから、免許を持っていないのは賢明な判断だった。それなのに、齢四十二の今頃になって免許を取る決意をした。そして退路を断つため、早々と車を購入したという。

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