fc2ブログ

ビター・ブラッド*雫井脩介

  • 2008/02/17(日) 13:51:15

ビター・ブラッドビター・ブラッド
(2007/08)
雫井 脩介

商品詳細を見る

ベテラン刑事の父親に反発しながらも、同じ道を歩む息子の夏輝。夏輝がはじめて現場を踏んでから一カ月が経った頃、捜査一課の係長が何者かに殺害された。捜査本部が疑う内部犯行説に、曲者揃いの刑事たちは疑心暗鬼に陥るが…。初の現場でコンビを組む事になったのは、少年時代に別離した実の父親だった―。「犯人に告ぐ」、「クローズド・ノート」で各界から大きな注目を集める著者、待望の最新ミステリー。


警視庁S署E分署の刑事課一係に配属されて一ヶ月の佐原夏輝。管轄内で起きた転落事故の現場に駆けつけてみると、そこには、思いのほかの速さで本庁の捜査一課の刑事たちがやってきた。転落死した人物が彼らが追う事件の鍵を握っているらしい。その刑事たちの中には、十三年前に自分たちを捨てて出て行った父親の姿もあったのだった。捜査協力によって、ジェントルと呼ばれる父・島尾と組むことになった夏輝は反感を抱きながらも刑事という仕事のさまざまな面を知っていく。
ひと癖もふた癖もある刑事たちのキャラクターがまず興味深い。「太陽に吠えろ」ばりにニックネームで呼び合いながらも、身内をも信じきっていないシビアな関係が鋭い切れ味のナイフのようでもある。そんな彼らの中にあって、刑事になったばかりの夏輝が手探りながらも事件の真相に迫っていく姿は、新米であるからこその清々しさをも感じさせる。
何が善で何が悪なのか、容易に反転してしまう危うさを含んだ捜査の裏側も興味深い。




はじまり

       1

 「お兄ちゃんが何か一言言わないと、みんな、お箸が動かないみたいよ」
 隣に座る妹の忍に耳打ちされ、佐原夏輝は一息つこうとネクタイに伸ばしかけていた手を止めた。
 「そうか・・・・・」
 葬儀会館の二階にある畳の間には、親戚一同が精進落としのお膳を前にして、行儀欲並んでいた。すでに飲み物はそれぞれの左右で注ぎ終わり、何かを待つような空気ができている。




V
V

TB
じゃじゃままブックレビュー
しんちゃんの買い物帳
粋な提案
ぱんどらの本箱

この記事に対するトラックバック

この記事のトラックバックURL

この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

ビター・ブラッド 雫井脩介著。

家族を捨てた父。そして失踪してしまった母。残された兄妹は母方の祖父母に育てられ、兄・夏輝は憎む父と同じ刑事に。そしてその父との再会。 父の名前の明村ってやめてくんないかな。名字かと思ってたじゃん。慣れない名前で読んでる最中ずっと違和感。 父の仲間たち、?...

  • From: じゃじゃままブックレビュー |
  • 2008/02/17(日) 17:49:41

「ビター・ブラッド」雫井脩介

ビター・ブラッド雫井 脩介 (2007/08)幻冬舎 この商品の詳細を見る 警視庁S署に配属された佐原夏輝は、新任早々に起きた事件で現場へ向うと、...

  • From: しんちゃんの買い物帳 |
  • 2008/02/17(日) 23:24:48

ビター・ブラッド 雫井脩介

イラストレーションは日端奈奈子。ブックデザインは鈴木成一デザイン室。「パピルス」掲載に加筆修正。 新米刑事の佐原夏輝は初の現場で家...

  • From: 粋な提案 |
  • 2008/04/25(金) 17:20:36

雫井脩介【ビター・ブラッド】

佐原夏輝が警視庁S署E分署の刑事課に配属されて早々、E分署管内で不審死体が発見された。 捜査は本庁の捜査一課が指揮を執り、E分署か...

  • From: ぱんどらの本箱 |
  • 2008/05/21(水) 16:41:56

この記事に対するコメント

「太陽にほえろ!」の影響受けてますよね。読んでる時に、テレビドラマみたい、と思ってたのは、そうか、そういうことだったんですね。
ラスト、もしもお母さんの行方、おばあちゃん知ってたら、とドキドキしちゃいました。

  • 投稿者: じゃじゃまま
  • 2008/02/17(日) 17:52:08
  • [編集]

ほんと、ドキドキしました。

S駅前の待ち合わせに、普通に現れてくれたなら
それはそれでよかったのになぁ・・・なんて思ったりもします。

  • 投稿者: ふらっと
  • 2008/02/17(日) 20:35:06
  • [編集]

親子のやり取りのコミカルと事件の捜査の緊迫感。
読んでいて楽しかったです。
一人でビルに乗り込む夏輝に『太陽にほえろ!』の殉職シチュエーションが
思い浮かんでドキドキしました。

  • 投稿者: 藍色
  • 2008/04/25(金) 17:20:13
  • [編集]

屈折しているけれど親子の情愛も感じられて
コミカルだけれどちょっとだけジンとさせてくれる物語でしたね。
愉しかったです。

  • 投稿者: ふらっと
  • 2008/04/25(金) 17:25:21
  • [編集]

この記事にコメントする

管理者にだけ表示を許可する