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オニが来た*大道珠貴

  • 2008/02/19(火) 17:20:46

オニが来たオニが来た
(2007/02)
大道 珠貴

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だんなさんの家族を、私がちゃんと看取らなきゃならない―日々のなかで明るくユーモラスに死を嗅ぎ取るお嫁さんの、泣き笑いの“介護日誌”。


四十歳を過ぎて結婚した福太郎とポンコ――どうやら親しみを籠めた「アンポンタン」からきているらしい――だったが、ある日だんなさんが、「いっとき自由な生活がしたいんだ」と言って、ダイエット村とやらへ出かけていってしまい、ポンコはだんなさんの実家・山倉家で義父母と彼らよりもっと年上の家政婦・黄泉さんと暮らすことになったのだった。
帯には「介護」などと書いてあるが、彼らはそれなりに具合の悪いところはあるものの、まだまだ介護を必要としているわけではない。それでもポンコは、次第に義父母や黄泉さんの介護は自分がするのだと自然に思うようになるのだった。
山倉家の主のように大事にされている黄泉さんも、義父母も、不自由なこともある日々を自分たち流に愉しく生きているのがポンコといっしょにうらやましくもあり、愛おしくもある。
明るくて愉しくて、しんみりと切なく哀しい物語。





はじまり

 だんなさんが、ふっくらした手を私の手に重ね、申し訳なさそうに、
 「いっとき、自由に生活したいんだ」
 と言ったのが、ことしのはじまりだ。
 私の大好きな、にこやかでぽっちゃりした顔で。
 会社は辞めたらしいのは知っていた。だから今度は私がパートにでようかと思っていた矢先だった。

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