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こころげそう――男女九人 お江戸の恋ものがたり*畠中恵
- 2008/04/22(火) 07:08:30
![]() | こころげそう 男女九人 お江戸の恋ものがたり (2008/01/22) 畠中 恵 商品詳細を見る |
思いを伝えられぬまま亡くしてしまった、下っ引き宇多の幼なじみ・於ふじが幽霊になって帰ってきた。於ふじと千之助兄妹の死の真相を探るうち、9人の幼なじみたちそれぞれの恋や将来の悩みが絡み合ってきて…。
「恋はしがち」 「乞目」 「八卦置き」 「力味」 「こわる」 「幼なじみ」の六つの連作物語。
犬の仔のようにころげまわって遊んでいた幼なじみたち――宇多・千之助・弥太・重松・於ふじ・おまつ・お染・お品・お絹――は、それぞれに想いを胸に抱く年頃になっていた。しかしその想いは切ないほど複雑に絡まりあってもいるのだった。
千之助と於ふじの兄妹は同じ日に神田川で溺れ死に、下っ引きの宇多の想いは告げられぬまま宙に浮いてしまい落ち込んでいたが、ひと月ほどたって子どもたちに先立たれた由紀兵衛の長屋を訪れてみると、由紀兵衛は思いのほか元気なのだった。そのわけは・・・・・於ふじが幽霊となって夜ごと長屋に現れるようになったからなのだった。
そして、幼なじみたちに関わる気がかりが次から次へと起こり、宇多は江戸の町を駆け回り、頭をフル回転させて絡まった謎を解くのである。
何も考えずに一緒くたになって遊びまわっていたころと違い、年頃になった幼なじみたちの恋心があまりにも切ない。うまくいくもの、うまくいかぬもの、どちらにも切なさがあり、恋と友情の間で揺れる想いもあるのである。身近で起こる事件と九人の恋心が微妙に絡み合って、物語はますます面白くなるのだが・・・・・。
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はじまり
「恋はしがち」
1
「女の幽霊が出る?長屋にですか?」
住まいにしている二階長屋の一階、八畳の居間で、宇多は思わず長火鉢の奥に座る長次に聞き直していた。
宇多に突然、驚くようなことを言った長次は今年四十二、宇多の親代わりにして、両国橋寄りの内神田辺りを縄張りとする岡っ引きだ。今二十二になる宇多は、長次親分の元で、下っ引きをやっていた。
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この記事に対するコメント
もどかしいほどの恋模様でした。
宇多の鈍感さにもびっくりでしたけど・・・。
千之助だけが実体がなかったのが
ちょっと残念でした。
宇多は
鈍感でもあるのでしょうけれど、意識的にそういう状態になるのを避けている風もあった気がします。
幼なじみと叩きあいの喧嘩までしてしまうお江戸の娘たちの恋情の激しさにも、ちょっとびっくりでした。
す〜さんも言われてますが、千之助だけ影がとても薄くてちょっと残念でした。まああれほど混乱をきわめた人物模様だったので、もし出てきてたとしても「多すぎる!」とキーッとなったかな^^;
畠中さんのってこういうせつない話多いですよね……
千之助、於ふじを死なせるためにでてきたような役回りで
ちょっと可哀想だったかも・・・・・。
けど、ほんとうに狭い範囲でややこしい恋模様でした。
畠中さん、絵に描いたようなハッピーエンドはあまりないかも、ですね。
「心化粧」な想いが交錯していましたね。
一方通行って分かっていても、自分の思いを断ち切ることが出来ない登場人物たち、
切なかったです。
人と人との縁のままならなさが描かれていて絶妙でしたね。
思わず身をよじりたくなるようでした。