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モーニング Mourning*小路幸也
- 2008/06/06(金) 17:20:34
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自殺を止めるべく仲間の一人を説得する中年男たち。
八十年代の大学生活を顧みるうちに、封印してきた事実が浮上……。
中年世代の青春小説。
【あらすじ】
あの人のためにしたことを、後悔したことなんか、ない――。
大学時代の親友である河東真吾の訃報に接した私。葬儀のため福岡に集まったのは、
同じ大学でバンドを組み、四年間一つ屋根の下で共同生活を送った淳平、ヒトシ、ワリョウ。
葬儀を終え、それぞれの家へ、仕事へ戻ろうとしたとき、今は俳優となった淳平が言った。
「この車で一人で帰って、自殺する」。
何故? しかもこんなタイミングで?
思いとどまらせるために、私たちは明日の仕事を放り投げ、レンタカーで一緒に東京まで向かう決意をする。
「自殺の理由を思い出してくれたら、やめる」。
淳平のその言葉に、二十数年前のあの日々へと遡行するロングドライブが始まった。
それは同時に、懐しい思い出話だけでは終わらない、鍵をかけ心の奥底に沈めた出来事をも浮上させることになっていくが……。
語り手はダイ。存在感がないことが逆に特徴となるような男だった。無意識のうちになにかを察して行動するようなところもあった。
真吾の葬儀で四人が揃って会ったのはかれこれ二十年ぶりだった。その間に、それぞれの境遇は変わり、抱えるものも増え、さまざまな変化を遂げているかつての仲間たちだった。
いまは俳優になっている淳平が、このまま自殺すると言い出し、その理由を探り出して自殺を思いとどまらせるために、彼らは飛行機をキャンセルして車で帰途につく。それは、あの頃の若くたのしかった日々を思い出すロングドライブになったのだった。
五歳年上の彼らのマドンナ・茜さん――のちに淳平とつきあうようになるが、事故(?)で亡くなる――にまつわる思い出は、彼らにとってきらめくような青春の一ページであり、ミステリアスなその死の後日談が、淳平に自殺を思わせたのではないかと考えたり、彼らの回顧は、明日の仕事に支障をきたす時間になっても尽きることはなかった。
あるきっかけで淳平の思いを察したダイの計らいによって、mourningの四人が、morningの海辺で車を降りたとき、淳平の自殺の真意は明らかになる。それはまさに淳平らしく、ほかの三人にとってもなくてはならない儀式のようなものだったのだ。それが判ったときには、大人になるということの切なさ 淋しさ ままならなさに胸が締めつけられる思いがした。
器や形がどんなに変わろうとも、彼らにはあの頃の結びつきのままでいて欲しいと切に願う。
・
・
・
はじまり
葬儀が、終わった。
身内が皆バスに乗り込んでいって、このまま火葬場へ向かう。身内ではなく単なる友人の私たちはここで真吾を見送る。一人娘の結花ちゃんが、バスに乗り込む前にゆっくりと振り返ってわたしたちの方を見た。両手で抱える遺影が微笑みかけた。
V
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モーニング 小路幸也著。
≪★★★≫ 大学時代の仲間が死んだ。真吾の葬儀出るために二十数年ぶりに集まった、大、淳平、ヒトシ、ワリョウ。 それぞれの日常へ戻るべく空港へ向かう途中、淳平が「俺は死ぬ」と言い出す。大事な仲間を失った今、ここでまた仲間を失うのか、と残った友人たちは自殺を...
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この記事に対するコメント
淳平の「理由を思い出したら」の一言で、彼らが大学時代の回想が始まり、一体過去になにがあったんだろうって引き込まれました。一人の女性の存在が、どんな風に彼らに影響を与えたのか・・・。淳平が自殺を言い出した本当の理由と、真相に気づいた時、びっくりしたんですけど、時間が経てば経つほど、じんわりとその事実が響いてきて、なるほどね〜、そうだったのか〜と、茜さんの過去よりも、そっちに印象が残っています。
>茜さんの過去よりも、そっちに印象が残っています。
そうですね。
茜さんのこと抜きには彼らの青春を語ることはできないけれど
彼らの結びつきはそれだけではなかったし
淳平の真意は、彼にとってはことさら特別なものだったとしても
ほかの三人にとっても、まさにこのときだからこそ必要なことだったのでしょうね。
ダイが、淳平の真意を察していなかったらどんなラストになったのか
ちょっと気になるところではあるけれど、それさえも淳平には想定済みだったのでしょうか。
こんばんは。
同居、青春、ロングドライブ…。
久しぶりに小路さんらしい作品でしたね。
こういった作品はまた読みたいです。
「読み終えたばかり」から数冊、TBだけ飛ばさせてもらいます。
物語自体ももちろん
モーニングが掛詞になっている辺りも
小路さんらしい遊び心でしたね。
ふらっとさん☆おはようございます
友達と話をしていて「あれって、そういうことだったの?」と気がつくことがあります。
それが20年前のことであっても、昨日のことのように思えることも沢山あります。
語り合える友達がいるという幸せは、なにものにも替え難いですよね。
大人になると、それぞれに都合も優先順位もあって、なかなかじっくり思い出に浸る暇もなくなりがちだけれど
共通の思い出を持った仲間というのは、どれほど時が経っても宝物なのですね。
脚本でも冗談でもないって言われて誰も○(ネタバレ隠し)
って言わなかったのが盲点でしたね。
大学生活は本当に楽しそうで自分の頃を懐かしく思い出しました。
>盲点
ふふふ、ほんとうに。
あの大学時代の合宿のような生活が輝いていただけに
最後に明かされた事実はちょっとがっかり・・・という気もしなくもなかったのだけれど
学生時代だからこそできたあれこれが胸にしみました。