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カシオペアの丘で 上下*重松清

  • 2008/06/16(月) 07:26:00

カシオペアの丘で(上)カシオペアの丘で(上)
(2007/05/31)
重松 清

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カシオペアの丘で(下)カシオペアの丘で(下)
(2007/05/31)
重松 清

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帰ろう、俺たちの丘へ。
『流星ワゴン』『その日のまえに』、そして――魂を刻み込んだ、3年ぶりの長篇小説。

肺の腫瘍は、やはり悪性だった――。40歳を目前にして人生の「終わり」を突きつけられたその日、俊介はテレビ画面に、いまは遊園地になったふるさとの丘を見つける。封印していた記憶が突然甦る。僕は何かに導かれているのだろうか……(上巻)

大空に輝き続ける命の物語。
未来を見つめ、過去と向き合う。人生の締めくくりに俊介が伝えたものは――。

限られた生の時間のなかで、家族へのこす言葉を探すために、俊介はふるさとへ帰ってきた。幼なじみとの再会を果たし、過去の痛みを受けとめた俊介は、「王」と呼ばれた祖父とともに最後の旅に出る。(下巻)


北海道の真ん中・北都市で育った四人――シュン・トシ・ユウちゃん・ミッチョ――の幼なじみと彼らにまつわる人々の物語。
ゆるされない罪を背負ってしまった人、ゆるされたい自分をゆるせない人、ゆるしたい人、ゆるしている人・・・・・。ひとりで、ふたりで、背負ってしまった重荷は捨て去ることはできないが、あしたのために、そして相手のために、ひいては自分のために、軽くすることはできる。背負ってしまった不幸を嘆き悔やむだけでなく、少しでもあしたにつなげられるようにと思い巡らすそれぞれの姿が印象的である。
そのときどきの決断の仕方で、人はその真価を量られる。どんなに痛々しくても、そのときは逃げ腰に見えたとしても、だれかのために、あしたのために下された決断は芯の強いものなのだと思わされる。
救いのないと思われた物語も、ラストではだれもがそれなりにゆるされ、救われ、あしたに目を向けて歩きだそうとするのである。人はひとりでは生きていけない、ということを身にしみて感じる一冊でもある。




はじまり

       序章

 子どもたちは丘の上にいた。
 名前のない丘――この街でいちばん見晴らしのいい場所だった。
 こんもりと盛り上がった形の丘ではない。かつて、そこは炭鉱だった。何十年もかけて山を削り取り、地面をえぐった窪みの、へりにあたる部分だった。何年か先には、その窪みはダム湖になる。すでに土木工事は始まっていて、国道から丘へは無断で出入りできないようになっていた。四人の子どもたちは立ち入り禁止のフェンスをこっそり乗り越えて、丘に入ったのだ。




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じゃじゃままブックレビュー
粋な提案

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カシオペアの丘で 重松清著。

今日が土曜日でよかった。朝ちょっとだけ読み始めたら、ず~~~っと一日中読み続けてしまった。上下巻。 4人の幼なじみ。市を牛耳るほどの力を持った家に生まれたシュン。 シュンの祖父の下した決断によって父を失い、そのことが原因で事故に遭い障害者となってしまったト?...

  • From: じゃじゃままブックレビュー |
  • 2008/06/17(火) 23:48:00

カシオペアの丘で(上・下) 重松清

装画は本村加代子。装幀は大久保伸子。十二紙の新聞掲載後全面改稿。 北海道北都市。小学4年生のシュン・俊介、トシ・敏彦、ミッチョ・美智...

  • From: 粋な提案 |
  • 2008/07/16(水) 03:00:42

この記事に対するコメント

とてもずっしりした内容の本でしたね。
メッセージがこれでもか、ってくらい込められてて・・・。「赦す」ということをしみじみ考えてしまいました。
少女の事件はなくてもよかったかな?と思いましたけど。

  • 投稿者: じゃじゃまま
  • 2008/06/17(火) 23:50:27
  • [編集]

内容はずっしり重かったけれど、上下巻読むのはまったく苦になりませんでしたね。

真由ちゃんの事件は、この物語のなかではちょっと異質でしたね。
さまざまな「ゆるし」の形を描こうとしたのかな、と思って読みましたけれど。

「赦し」って、ゆるすだけでも、ゆるされるだけでも成り立たないんだなぁ、って。
その難しさを痛感しました。

  • 投稿者: ふらっと
  • 2008/06/18(水) 07:11:46
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読み始めはなんて重い話だろうと思いました。
読み進むのが辛い物語でした。
それぞれの人たちの胸のうちは、読んでいて切なかったです。

  • 投稿者: 藍色
  • 2008/07/16(水) 03:00:21
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それぞれの事情がどれも重かったですね。
けれども不思議なことに、それで自分の方が沈み込んでしまうということはありませんでした。
重松さんの持つあたたかみ故でしょうか。

真由ちゃんの事件だけは、なんとも苦い気持ちのままですけれど・・・。

  • 投稿者: ふらっと
  • 2008/07/16(水) 06:56:10
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