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ウツボカズラの夢*乃南アサ

  • 2008/07/05(土) 16:51:55

ウツボカズラの夢ウツボカズラの夢
(2008/03/19)
乃南 アサ

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平凡な日常ほど悪意に満ちたものはない。わたしの願いはただひとつ、幸せになること…。鹿島田家の人々の日常をシニカルに描き切ることで見えてくる不気味な世界。エンターテインメントの域を超えた傑作登場。


渋谷から程近い瀟洒な住宅街の一角に鹿島田家はあった。母を亡くし、家に居場所をなくした未芙由は、母の従姉妹の尚子叔母を頼って長野から出てきたのだが、その立派さに面食らっていた。
未芙由を概ね主役にしながら、語り手を替えて進む物語は、一見なんの際立ったところもない一家族と、そこから派生する物語なのだが、登場人物の誰もが、ばらばらで、身勝手で、大切な何かが欠落しているにもかかわらず、それを自覚していないような幼稚さで、虫唾が走る。誰のことも祝福できないし、哀れに思うこともできない。下手なホラーよりも恐ろしい一冊である。タイトルが絶妙。


・      

はじまり

       プロローグ
         1

 初めてその家の前に立ったときには、かなりびっくりした。
 ――すごい。
 東京に来たこと自体は、べつに初めてではない。小さい頃から、何かというとお母さんが連れてきてくれたし、特に高校生になってからは、学校が休みのときを選んで、友だち同士で来たこともあった。コンサートやイベントのついでに買い物をしたり、ディズニーランドに行ったことだってある。ガイドブックも持っている。だから、特に原宿や渋谷、それからお台場辺りなら、ある程度は自由に歩き回れる自信もあった。




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じゃじゃままブックレビュー

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ウツボカズラの夢 乃南アサ著。

≪★★★☆≫ 星四つでもいいけど、半分にしたのは主人公の未芙由には反吐が出そうだから。 実母を亡くし、父が若い女と再婚したことによって居場所を失った未芙由が、一度も会ったことのない母の従姉妹の尚子を頼り、長野から渋谷(恐らく松涛だね)の尚子の家を訪ねる。...

  • From: じゃじゃままブックレビュー |
  • 2008/07/31(木) 23:07:23

この記事に対するコメント

ロクな人間の集まりじゃなかったですね。
金持ちゆえの身勝手さ、傲慢さもあれば、未芙由のように裕福ではない者の卑しさ、みたいな・・・ここまで登場人物のカラーを統一させたのもある意味うまい!ですよね。

  • 投稿者: じゃじゃまま
  • 2008/07/31(木) 23:11:17
  • [編集]

ほんとうに、誰にも感情移入できませんでした。
それなのに、淡々と日常を描いてあるのでなおさら気味が悪かったです。

  • 投稿者: ふらっと
  • 2008/08/01(金) 06:40:03
  • [編集]

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