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ラットマン*道尾秀介

  • 2008/08/24(日) 16:53:59

ラットマンラットマン
(2008/01/22)
道尾 秀介

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ようこそ。ここが、青春の終わりだ。結成14年のアマチュアロックバンドが、練習中のスタジオで遭遇した不可解な事件。浮かび上がるメンバーの過去と現在、そして未来。注目の新鋭がついに到達した最高傑作。


タイトルは、多義図形といって、見方によってさまざまに見える図形のこと。
  24-2ratman.jpg 
(右端の絵が、上段の人群ではオジサンに見え、下段の動物群ではネズミに見える。) 

バンドの元ドラマーで、メンバーのひとり姫川と付き合っていたひかりが、バンドの練習場所であり、彼女自身の仕事場である音楽スタジオの倉庫でアンプの下敷きになって死んだ。事故なのか事件なのか・・・・・?
メンバーそれぞれの思惑。ひかりと――バンドの現ドラマーで――ひかりの妹の桂の境遇、そして姫川の心に重荷となっている幼い日の姉の死。ひかりの妊娠。などなど、さまざまな要素が出来事をある方向に導こうとする。答えはすぐに出て、それに対する理由づけがなされるのかと思っていると、あっという間に出来事は別の顔を見せはじめるのである。何度裏切られたことか・・・。
そして、すべてを虚しくしてしまうような、それでいて希望以外の何物でもないようなこのラストである。まさにラットマンの錯覚にしてやられた心地である。




はじまり


 「今日ばかりは乗りたくないんだよ、本当はね。情けないことだとは思うが」
 「お察しします、社長。しかしまさか、五十階から一階まで階段で下りるというわけにも」
 「おっと、来ましたよ。さ、社長どうぞ、専務も――」




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